歴史

2023/09/19

岸田首相 来週 経済対策の柱示し10月中めどに取りまとめの考え

 今日も、朝から1本提出原稿作業。夕方にもう1本。インタビュー②の修正はなかなか深まって、勉強になる。個人的にとても満足。あとは、会議もあり、実務もあり。やっぱり忙しい日々である。先の企画の調べ物をしっかりしないと、ちょっとまずい感じではあるのだけど。

 夕方に、「フェミ科研費裁判報告集会」。雪田樹里弁護士の講演の途中ぐらいから聞き始める。なるほどなるほど。そして、弁護団の弁護士さんの話、原告4人の話。みんな謙虚だなあ。もちろん、判決に不満もあり、忸怩たる思いということもあるのだけど、やっぱり、長い女性たちの差別を克服していくたたかいのなかに、この裁判を位置づけている。そのことが胸を打った。
 ボクだって、いろいろ嫌なこと、苦しいことが続いている。いろいろ、ダメージをうけている。そもそも気分転換が不得手な人間だからなあ。それでも長い目でいまをどう見るのか、どのように、声をあげていくのか。大きな勇気をもらった感じだった。

 何となく、政治は凪のような雰囲気になっている。だけど、岸田さんは、何をやるかわからない人だから、あっさり解散したりして。

 臨時国会はどのような国会になるのか……。

岸田首相 来週 経済対策の柱示し10月中めどに取りまとめの考え(NHK)
 物価高などを受けた経済対策について、岸田総理大臣は自民党の役員会で来週、対策の柱を閣僚に示し、10月中をめどに取りまとめる考えを重ねて示しました。

 この中で、岸田総理大臣は、先に内閣改造と自民党の役員人事を行ったことに触れ、「『変化を力にする日本』に向けた体制を本格的にスタートした。閉塞感(へいそくかん)を打破し、『あすはきょうよりよくなる』と、誰もが思える国づくりを進めたい」と述べました。

 そして、現在の経済状況について、成長と分配の好循環の実現に向け、賃上げや投資の促進、巨額の需給ギャップの解消など、攻めの経済に転換する動きが生じていると指摘しました。

 そのうえで、「こうした動きを着実なものとし、足元の物価高に対応するため、大胆な経済対策を策定する」と述べ、来週、対策の柱を閣僚に示し来月中をめどに取りまとめる考えを重ねて示しました。……

 おととい、スーパーに買い物に行って、ほうれん草を買おうと思ったら、なんと、一束380円で腰がぬけそうになった。もちろん買えなかった。ほんとうにたいへんなことになっている。そんななかでも経済対策だけど、その正体は何も見えてこない。10月とりまとめというこで、そうなると補正はいつやるの? 国会審議はどうなるの?本気度も、真剣さも見えてこない。アドバルーンだけ、あげるだけあげて、何も決めずに、解散総選挙とでも言うのだろうか? とてつもなく変な展開である。

 ところで、一昨日、最愛キムチがやってきた。おいしく、かつ、濃い味。

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2023/09/17

「福田村事件」の感想

 今日は朝から団地の草取り。主だった剪定が終わり、かなりすきっとしたので、残った草ボウボウのところを少しずつ掃除がはじまる。ボクも、わけ行っての、草取りを敢行。その他いろいろ調整をする。そのほか、公私ともに気が重いことが多いのが今日この頃だけどね。

 さて、「福田村事件」の感想をここで。

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 大きな感想は、いろいろな方が書かれている、東京新聞の北丸さんのものもよかった。家父長制と植民地主義にかかわる免罪符という問題提起は、ボクもまったく同意見だ。エンターテインメント映画としての完成度も? で、説明的だったり、商業的すぎたりするシーンも多い。それはいろいろ言われているので、そのとおりだと思う。ボクがすごく感じたのは、この映画の問いかけの意味をボクらがこれからどううけとめるのかということ。最後の方で行商人の生き残った少年が、殺された人にも一人一人名前があったのだというシーン。そう、大震災で虐殺された朝鮮人は名前もわかっていない人が多いってこと。そして、その調査もされてないこと。なきものにされようとしていること。その痛みというものをボクらがどう捉えるんかということ。そんなことを、真正面から問われた気がした。ボク自身もそのことについて、どこまで理解していたのかということも。

 ほんとうに曖昧にせずに問い続けていかなければいけない問題。

 そう感じさせてくれただけで、この映画は価値があるともボクは思った。

2023/09/07

戦争を笑え~命ぬ御祝事さびら!沖縄・伝説の芸人ブーテン

 今日も朝から、インタビュー②の準備。そして午後には収録という1日。これも大事な大きな仕事になっていく。うーん、がんばる。

 台風か近づいているが、まだまだ夏の様子。

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  昨日、夜、BSをつけていて、何の気なしに見たドキュメント。「第20回民教協スペシャル 戦争を笑え~命ぬ御祝事さびら!沖縄・伝説の芸人ブーテン」

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唯一の地上戦が行われた沖縄、その焦土沖縄に、突如、一人の「おかしな男」が現れた。 避難民が集められた家々や収容所を訪ね歩き、「ヌチヌグスージビラ(命のお祝いをしましょう!)」と言葉をかけ、歌い踊っては、笑いで人々に生きる希望を与えた、というのだ。
お金は取らない。笑いの義賊。
戦争の傷は、笑って直せ、踊って直せ。サンシン鳴らして、さあ、さあ、さあ。
そう誘いかける男の名は、舞天(ブーテン)といった。なんとブーテンは昼間は歯科医師。謎のブーテンとはどんな人物だったのか。
戦後60年、そのブーテンが一般市民の手で現代に復活する。沖縄の主婦達がブーテンの物語をミュージカルで復活させることになったのだ。いったいなぜ、いま、沖縄の人々は、ブーテンを求めるのか?ブーテンはどんなかたちで現代に蘇るのか?
伝説の男ブーテンの存在、その意味を基地と隣り合わせの沖縄から問い掛ける。

 小那覇舞天の名前は知っている。NHKでも取り上げていたし、歴史の人物として。この人の影響を得て、てるりんがいたことや、その芸がお笑い米軍基地などにも引き継がれていることなども。だけど、この人に焦点をあわせたドキュメントはやっぱりすごい。登川誠仁なども影響をうけたというのは、つまり、戦後沖縄芸能の巨人である。

 ブーテンの「ヌチヌグスージビラ(命のお祝いをしましょう!)」という呼びかけは、まさに平和のよびかけである。沖縄の人々の根が太くって、まさに地下水脈というような脈々と流れるような思い、その一面としてのしたたかさはここにあるのだなあと、つくずく思う。そのことがすごく迫ってくる番組だった。ボクらも、ほんとうに強い思うで、いま平和に向き合わないといけないと思った番組。

2023/09/05

10月号ができました

 朝から、なぜか沖縄の地元紙の電子版にアクセスできない!!! 今日の新聞は重要なのにアクセスできないって、困ったという一日のスタート。電話は10時からだし。いろいろやってダメだったから、しかたがなく職場に向かう。結局、決済につかっているカードの問題であることがわかり、解決。だけど、新聞を読んで涙が出てくる。いったい、法律とか、司法とかは何のためにあるのだろうか? 政府が県民の願いと権利をふみにじるとんでもない解釈をし、それを司法が追認する。

 さてさて、職場では、とにかく、インタビュー①の仕上げ。そして、発信。続いて、インタビュー③の内容相談メール。インタビュー②の資料の読み込み。メールで、先の企画の相談を2本などなどと続く。今日は会議もあった。いろいろ勉強不足だなあ。ほんとに勉強不足は何とかしないと。一方でこんな生活いつまで続けるのということもなあ。難しい毎日。

 

 ところで、10月号ができました。9月号が忙しかったので、10月、11月号は少し控えめの仕事です。このままフェードアウトか? もう必要とされていないのか? など、いろいろな説がありましが……。まあ、しっかり、やるべきことはコツコツやります。ちょっと、出し尽くし感はあるのですがね。

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 10月号は、時事ネタでは、殺傷武器の輸出問題を、歴史的にも正面から取り上げた小泉論文! 最近すっかり話題となっているPFASの運動を東京でどうすすめてきたのかについての根木山論文。それぞれ力作です。読みものでは、日本の基地が朝鮮戦争の爆撃の出撃基地となっていた実態を追い、在日米軍基地の原点を問うた林論文。そして、ロシアのウクライナ侵略を前に、9条のあり方にモンモンとしている人が多い中で、9条の価値を根底に、沖縄戦からいま何を学ぶのかを考える山口論文です。ぜひ、読んでね。

2023/09/03

「映像記録 関東大震災 帝都壊滅の三日間 後編」

 今日は日曜日だから、掃除日。午前中に団地の会議もあったので、最低限の掃除。お風呂やトイレをゴシゴシ。

 団地の会議は、山積みのいろいろな問題に、長期的な視野からどう接近するかを考える場。新しい心にだけど、どれだけくるかなあと心配だったけど、出だしはこんなものか。いろいろなことが出ていて、いろいろな事実も知れて、わかったこと、確認されたこと、考えなければならないことがすこし明らかになったかも。よくよく、整理しないとなかなかいけないのだけど……。

 一つの課題で、一点突破するということなら、いろいろ割り切れるのだけど、いまやろうとしているのは、包括的に団地の問題を明らかにして、解決方法をつくろうというものだから、いろいろなところに顔を出して、話し合ってと、とてもとても、疲れます(苦笑)。少しずつでも、うまく、すすめばいいなあ。ちょっとがんばらないと。

 午後からインタビュー①原稿づくりに集中。だいぶ追い込んできた。しかし、半日ほど作業は予定より遅れている感じ。打ち込み作業ができていない。インタビュー②の内容相談メール。来月以降の相談メールを三本ほど。ほんとに、日曜の夕方にはヘトヘト。いったい何をやっているのだろうか?

 

 NHKスペシャルは、「映像記録 関東大震災 帝都壊滅の三日間 後編」

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1日午後4時頃、最大の悲劇が生まれる。両国駅付近の広場、避難場所となった陸軍被服廠跡を巨大な火災旋風が襲い、避難者4万人のうち、3万8千人が亡くなったのだ。映像は、遺体が折り重なる惨劇の跡を克明に記録している。2日目になると、人々の間に流言飛語が飛び交う。混乱に乗じて朝鮮人が襲ってくるという噂。警視庁は全焼し機能停止、新聞社も火災に遭っていた。確かな情報がない中で、人々の心に狂気が取り付いていく。

 

 たしかに、NHKの技術力はすごいなあと思う。そして、こうした映像化を通じてわかったこともあらたにあって、そこもすごいと思う。注目の朝鮮人虐殺についても、ふれられていた。そういうすごさを前提としながら、だけど、100年目のことし、朝鮮人虐殺を正面からのテーマにしたドキュメントをつくらなくって、ほんとうにいいのだろうかは疑問。この番組の中での、とりあげかたはエピソードの1つだし、ぜんぜんその事件の本質には迫るものではないのだから。ETV特集なども含め。クローズアップ現代は福田村事件だけか?そういうところは、ものすごく気になるところでもあるのだけど。

2023/09/01

100年目の9月1日

 今日は、9月1日。100年目の9月1日だ。できることなら、ボクも参加したい。今年はさすがにすごい人だったようだ。そよ風の、例の集会は、カウンターの人たちの座り込みが効を奏して、中止になって、例年の場所で、短めにおこなわれたようだ。

 いずれにしろ、ボクがこの日に向けてやった仕事はこれ。

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 この間の、朝鮮人虐殺をめぐる議論のなかで、あまり語られないのが、この問題がその後どのように語り続けられてきたのかということ。実は、多くのところで追悼もおこなわれているし、いろいろな語り継がれ方がある。しかし、それはとても複雑で、一様では決してない。さまざまな葛藤の姿が垣間見れるということは、とても大事なことではないだろうか。そのことを小薗さんはていねいに指摘。もう一つ、よく考えたいのは、植民地支配を強化する戦争における日本軍による朝鮮・韓国の人々への徹底した抑圧。赤旗日曜版でも3面で特集しているけど、うちの雑誌では愼さんが全面展開。こちらも必読文献。あらためて、おすすめの特集なんですけどね。

 

 今日は、インタビュー①の原稿づくりスタート。だけど、会議もあり、たまった実務処理もあり、結局、結構、バタバタだったなあ。

2023/08/30

「怪獣使いと少年」と「集団の“狂気”なぜ ~関東大震災100年“虐殺”の教訓~」

 今日は、朝からジャニー喜多川の性犯罪についての調査報告で、メディアはもちきり・調査報告でもおどろくべき実態が明らかになる。何なんだと思う。と、同時に、活字にかかわる人間として、この問題は自分には関係ないと思っていたのではないかということは問われるなあ。おそろしい、人権抑圧犯罪に、無関心であったことの責任は大きいと思ったりする。ほんとうにこうした問題はよくよく自分と関わらせながら問い続けないといけない。

 さて、今日はひたすら、インタビュー①のテープ起こし。1日かかって、やっと6割ほど、効率悪いなあ。まあ、整理しながらだから、こんなもんかなあ。はたして、どうだろうか。なんか、たくさん仕事が控えているから、大丈夫なペースなのか、いろいろ心配になる。いま、やるべきことができているかなあ。何かしら、どんどん後回しにしている感があって、心配になる。しかも、いろいろうまくいっていないから、よけいに不安がつのる。うーん。

 いよいよ9月1日が近づいて、関東大震災関連の記事や番組をかなり目にするようになる。うちでも特集をしたけれど、その出発は、去年、しこたま飲んだとき、ウルトラマンと上正の話になり、「怪獣使いと少年」の話でもりあがったのがはじまりかもしれない。へべれけになるまで飲んだので、覚えていないことも多いが(笑)。

 そんなことで、今日、何十年かぶりで、その「怪獣使いと少年」を見てみた。

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河原の廃屋に住む少年・良は、超能力を使う宇宙人と噂され、街の住民から迫害を受けていた。良は地球の環境調査に来訪したメイツ星人と実の親子のように暮らしていたのだ。だが、宇宙人に対する恐怖から暴徒と化した住民たちはメイツ星人を殺害。そのとき、怪獣ムルチが出現した!

 公害、差別、貧困。そして、関東大震災の朝鮮人虐殺を意識したシーン。いろいろなことがもりこまれていて、いまさらながら驚かされる。ウルトラマン、ウルトラセブン、そして、この帰ってきたウルトラマンと続いた路線は、それで育った子どもたちの社会認識に、どのような影響をあたえたのか。少なくともボクはいろいろ影響を与えられている気がする。

 

 さて、クローズアップ現代は、「集団の“狂気”なぜ ~関東大震災100年“虐殺”の教訓~」

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そこには“殺傷”に関する目撃証言が綴られていた―。関東大震災から間もなく100年。今年、存在が明らかになった当時の小学生の未発表作文集の中に、朝鮮人などの殺傷に関する記述が多数含まれていることが分かった。当時何が?独自取材で迫る。映画監督・作家の森達也さんは、かつて千葉県福田村で起きた日本人が朝鮮人に間違えられ殺害された事件に注目し、映画化に挑んだ。なぜ集団はパニックに陥り残虐な行為は起きたのか。

  もちろん、NHKでよくここまでできたというのは驚きでもあり、がんばったなという思いはある。しかも、有能なNHKの人がつくるものだから、目くばせというか、軍の責任や警察の役割なども一言二言はふれられている。植民地支配への抵抗ということも。ほんのすこしだけど。しかし、メインテーマは、集団心理。なぜ虐殺がおこったのかということをそこに求める。もちろん、そのことそのものは大事なテーマではあるとは思う。だけど、これも多分に、心理主義的と言えばいいのか。そのため、社会的な背景、植民地支配というものへの踏み込みはいたって弱い。そこから生じてきた差別構造なども。負の歴史に向き合うという提起は大事だと思うのだけど、やっぱり薄っぺらさを感じてしまう。それはどうなのだろうか。ものすごく問い続けないといけない気がする。映画「福田村事件」もなんとか、しっかり見ないといけないな。うん、この映画と、「あしたの少女」はどうしても見たい。いよいよ9月1日をむかえ、虐殺が実際にあった、3,4日を迎える。その報道をしっかりみておきたいと思うよなあ。

2023/08/27

「“玉砕”の島を生きて(2)〜サイパン島 語られなかった真実〜」

 今日は日曜日だから、掃除日スタート。ただ、天気が、雨も降るということだったので、シーツなどの洗濯はやめにする。それでも、いろいろ、しっかり掃除。

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 そのあとは、いろいろ資料の整理。少し、落ち着いて、企画案を頭のなかと、文章で整理。50ほどの企画をならべて、どこまで具体化できるのか考えてみる。どこまで進行しているのか、具体化するためにどれだけ調べ物をしなければいけないのか、もいろいろ考える。そのための資料と本を、机のまわりにつんでみる。1つの企画をつくるのに、どれだけ、時間と労力がかかるのか、なかなか理解してもらえない。ましてや、1冊をうめる企画をつくるのには、どれだけの準備が必要か。結局、頭は少しは整理されたけど、具体化はあまりすすまなかったような。コツコツやるしかないしなあ。

 団地の仕事も少し。団地の会計の分析を少し試みる。そのために、ちょっと資料をあつめて比較したり。だけど、明確な分析結果が、ボクの能力ではでるわけではなく。すでにあきらかになっている問題以上のことは今日は成果なし。

 いろいろな問題で、すぐに答えがでるわけではないしなあ。問題があるのがなんとかく感じていても、それを分析して、明らかにするのは、たくさんの苦労がいる。悶々とするときがいる。高齢者には難しいしごとなんだときっと思うけど、性根をすえるしかないことも事実。

 

 昨日の「報道特集」や今日の「日曜討論」は、ALPS処理水・汚染水問題。安全か、そうでないのか? まったく違った意見という構造になっていて、お互いの意見を切り捨ているようになっている。しかも、世論調査では、残念ながら、放出を理解するというのが6割を超えている。それだけに、説得力のある議論が必要なのだと思う。何が問題なのかをよく整理して提示した方がいいようだ。

 昨日の「報道特集」はその点で、いろいろある論点のなかでも、現在、蓄積されている「ALPS処理水」のうちの多くが、トリチウムだけではなく、ほかの多くの放射性物質も基準値を超えているという問題をとりあげていた。政府・東電は、これをふたたびALPSを通すから、理論的には、解決すると言っている。これに対し、元原子力委員会の委員長代理まで、登場させて、少なくともそのことの検証がなされていないと批判させていた。すくなくとも検証をしっかりするうえで、放出するのが筋と言っていた。これは大事だと思う。

 「日曜特集」は、放出後、どうするかが論点となっていた。当然。「放出」は前提の話になってしまう。やはり、今の時点で、それを前提にしてしまうのは、番組のつくりとしてどうかとは思う。安全性の問題のといかけは表面的だし、ほかに方法はないのかの議論はスルーされてしまう。ただ、一方で、現実が進行する下で、漁業をどう守るのかは大きな課題。現実につきつけられている問題だけに、それをどう語るのかはとても難しい問題。住民の参加、監視、そうした民主主義のありようということが問われているのはそのとおり。この点で、守りというか受け身にならなく、切れ込むような議論をどうすればいいのかもちょっと考えた。

 

 昨日のETV特集は、やはり強烈だった。「“玉砕”の島を生きて(2)〜サイパン島 語られなかった真実〜」

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日本の民間人多数を巻き込む初の地上戦が行われたサイパン。1944年夏、日本軍は玉砕し、さとうきび農家など日本人移民もおよそ1万人が犠牲に。その遺族が行う慰霊の旅に30年近く同行取材した膨大な証言が残されている。捕虜を出さないため日本兵や身内の手で奪われた幼い命。憎しみを募らせた米兵による民間人への一斉射撃。そして、日本の戦争が強いた島の先住民の犠牲。重い記憶を背負った人々の遺言ともいえる証言で綴る。

 生き残った人の抱えてきた心情というものが切々と伝わる。ずっと、その後悔を戦後、持ちつづけてきた。凄惨な戦場であったことがいっそうその思いを強めるのだろうか。そして、そこにあった、原住民への差別などもつらい話。多くの原住民が犠牲になっているが、その前段の皇民化教育の時代は淡々と描かれるだけ。そこにも、大きな差別があったのだろうなあといろいろ考える。ボクらがまだまだ知らない、なまなましい戦争の事実がここにもあった。

 

2023/08/23

緑豆の花

 暑さは、まだまだ続きますが、ムシムシするのもつらさを増幅します。かなり、からだにこたえています。夜も寝苦しいですね。今年はエアコン、つけっぱなしですが……。

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 月刊誌編集は、別に、休刊の月があるわけではないから、うちのような小さな編集部では、夏休みなど無縁である。それでも、仕事を抱えて、涼しいところにいったり、職場を離れて、集会取材にいったり、少し、夏休みっぽいことをしたが、それがあけての工場籠城に突入である。その夏に、相方が見たいというので、「緑豆の花」を見始めて。これはなかなかすごいドラマである。

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 日本では、東学党の乱とかのなで知られる、庚午農民戦争(東学農民戦争)を舞台にしたドラマだけど、後半は、日本軍の朝鮮王朝占拠から、第二次蜂起にすすんでいく。つまり、朝鮮民衆の蜂起による、日本との戦争である。このたたかいが、日本の支配の拡大に抗する朝鮮の人々のたたかいであったということは日本ではほとんど認識されていないが、そのことが描かれる。ドラマには閔妃も出てくるが、彼女は、1年後には日本によって虐殺される。そして、……。ほんとうに、日本の朝鮮における歴史は血塗られたものであるということを考えさせられる。

 歴史認識ということで言えば、自民党のHPを見ると、「党外交部会(部会長・堀井巌参院議員)と日本の名誉と信頼を確立するための特命委員会(委員長・有村治子参院議員)は8月21日、合同会議を開き、ハーバード大学ロースクール教授のジョン・マーク・ラムザイヤー氏から「慰安婦制度と学問の自由」と題した講演を受けました」という記事がのっている。「外交問題とは切り離した上で、歴史の史実に基づき学術的に究明」ということだそうだ。戦前の「売春宿(慰安所)と売春婦(慰安婦)の間に、前借金や現金補償、契約の最長年期等を定めた年期奉公契約等の経済的関係があった」ことが、慰安婦制度=性奴隷をくつがえそうだ。これだけでも何を言っているのかよくわからない。前借金制度が、対等で自由な契約関係だと本気で思っているのだろうか。しかも、「慰安婦」制度そのものは、軍が、関与して、軍の進出先もふくめてつくっていて、その実態がいかなるものであったかは、証言のみならず、多くの証拠であきらかにされているというのに……。呆れてものが言えない。

 ほんとうに、日本の歴史認識をどのようにしていくのか。事実と認識との乖離がひどいだけに、どのようにそれを埋めていけばいいのか、とても大きな宿題は、ぜんぜん答えを見つけ出すことはできずにいる。いろいろ材料を示し続け、主張し続けているが、なかなかなあ。

2023/08/17

関東大震災の追悼式典主催者、別の集会について「死者冒とく」と非難

 今日は、提稿を3本。結構、長い原稿なので作業には時間がかかります。しかし、まだ、5本ほど原稿がたまっています。一気に追い込みの時期になっています。

 しかし、その途中で、涼しい北の国から、暑い東京へ! 北の国を出るときは14℃、しかし、自分の家のある駅についたときは、29℃。ほんとに違いすぎます。明日から、この暑さの中で生きていくのかを考えるとがっかりします。

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 この夏、北の国でよくあったのが、タンチョウヅル。最初は、湿原の釧路川の端だったけど、もう少し北に行くと、中標津あたりでは普通にいたので驚いた。エゾシカさんや、キタキツネさんにもたくさん会いましたね💛

 提稿作業をすすめるとともに、来月、再来月の企画のために、いろいろ論文を読み進めています。これもまたおもしろいのですが、しかし、疲れと、メガネがかなりひどくなっているので、なかなか読むのがつらかったりするのですよね。

 さて、がっかりするニュースもあった。

関東大震災の追悼式典主催者、別の集会について「死者冒とく」と非難(朝日新聞)
 関東大震災発生から100年となる9月1日午前に、東京都墨田区の横網町公園に立つ朝鮮人犠牲者追悼碑の前で追悼式典を催す主催団体が17日、声明を発表した。同じ追悼碑前で別の団体が1日午後に予定する集会について声明で「死者を冒瀆(ぼうとく)する集会だ」と非難し、公園使用許可を出さないよう都に求めた。

 追悼碑は大震災の直後に虐殺された朝鮮人らを追悼するため1973年に立てられ、翌74年から碑の前で追悼式典が催されてきた。今年は日朝協会などによる実行委員会が9月1日午前11時から開催を予定している。……

 言わずと知れた「そよ風」の集会。これまでは、すぐ近くでやっていたわけだけど、今度は、朝鮮人犠牲者の追悼の碑の前で、「本物の集会」としてやるというのだ。そこまでやるのかという驚きは禁じ得ないし、こんなことが許されるはずがない。都はどのように判断するのか? 今後、目が離せない事態になってしまった。

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