経済

2017/05/16

教育無償化 「改憲なくても実現」 9条とセットに違和感

 ちょっと前の新聞だけど、先輩が出ているので、クリップしておかないと。

教育無償化 「改憲なくても実現」 9条とセットに違和感(毎日新聞)

 安倍晋三首相が憲法改正の項目に、大学や短大などの高等教育の無償化を9条とセットで挙げ、注目を集めている。しかし、以前から無償化を求めてきた人たちは「改憲を果たすため、国民の賛同を得やすいこの問題を持ち出したのでは」と冷ややかだ。「憲法を変えなくても無償化は実現できる。すぐに取り組んでほしい」と訴えている。
 4月に東京大に入学した女子学生(18)=長崎市出身=は貸与型の奨学金を受けている。月額は5万1000円。1万3000円の寮で暮らす。仕送りはない。引っ越したばかりで、まだアルバイトを探している最中だ。4月は古里を離れる時に親類などからもらった餞別(せんべつ)を使って切り抜けた。
 4年間で卒業したとしても、貸与額は240万円を超える。「大学院で研究したい気持ちもある。けれど、さらに2年間で貸与額が120万円も増える」。借金を抱えて社会人としてスタートを切らなければならないと考えると「就職活動も安定志向になる」とこぼす。首相は「2020年に新憲法を施行したい」と3年後を見据えるが、女子学生は「今の学生に目を向けてほしい、国立国会図書館の2015年の調査によると、経済協力開発機構(OECD)に加盟する34カ国のうち、大学の授業料が無償なのはドイツやスウェーデンなど欧州の13カ国。米英などは有償だが補助が手厚く、日本は授業料が高い上に補助が少ないという」と話した。
 国は住民税非課税世帯の子どもや児童養護施設出身者を対象にした返済不要の給付型奨学金(月額2万~4万円)を創設した。来年度から本格的に実施されるが、対象は1学年あたり2万人と限定的だ。首都圏の大学生有志でつくる「Rights to Study(ライツ・トゥ・スタディー)」も、対象の大幅な拡充を求めている。
 「高校も完全に無償化されていない。大学の無償化と言われても違和感がある」。20年にわたって貧困に悩む生徒の相談に乗る元高校教諭の鈴木敏則さん(66)は強調する。
 この春、関東の定時制高を卒業した男性は両親が離婚し、同居を続けた父親も病死。アルバイト代と生活保護費で生計を立て弟を全日制高に通わせた。生活はぎりぎりで、いつ破綻してもおかしくなかったという。
 民主党政権時代に公立高の授業料は無償化され、奨学金も徐々に充実した。しかし、奨学金の制度は自治体ごとに異なるため、学用品代、修学旅行費などが払えずに高校を中退したり、大学、専門学校へ進学する夢を諦めたりする生徒が今もいる。鈴木さんは「憲法で無償化を定めるというのはもっともらしいが、改憲を待たず、困っている人に手を差し伸べてほしい」と期待した。

問題のすり替えに危機感
 教育の無償化の方法を研究している神戸大学発達科学部の渡部昭男教授(教育行政学)は「日本は、段階的に教育の無償化を目指す国際人権規約を承認している。憲法を変えなくても、規約の理念を踏まえ、法律や条例を作ればすぐに対応できる」と指摘する。
 日本は1979年に同規約を批准した際、中等・高等教育の無償化を規定した部分は留保した。民主党政権だった2012年に留保を撤回し、この規定に拘束されている。
 渡部教授は、教育基本法が経済的理由による教育上の差別を禁じ、行政が奨学の措置をとる義務を定めていることにも触れ「こうした事実を伝えず、教育の無償化を憲法改正問題にすり替える動きに危機感を抱いている」と話す。
 渡部教授は、財政的負担を伴う無償化の実現には社会全体での議論が不可欠だと指摘し、「高等教育は一気に全員無償にするより、まずは経済的に困っている人を優先するのが妥当だ。当事者である若者自身が議論に参加することが大事」と強調した。

 首相の5・3発言は、いろいろな衝撃を広げている。木村草太さんは、いずれにしても茨の道としたが、そういう面と、決意の大きさという面の両方があるのだと思う。ただ、安倍さんが、9条改憲のねらいをあけすけに語ってしまったので、その反発は、今後、かなり強まるのではないかと思う。そこをどう生かすか。
 この無償化問題だって、9条のセットということで語ってしまったので、何というか、あくまでも、まぶしというのが見えてきてしまう。しかも、みんな高学費で苦しみ、そのことに政治は何もしてこなかった(むしろ容認・推進していた)のを知っているから、だれも、正面からこれをうけとめない。そもそも、改憲しなくても、すぐにやれってね。

2017/05/14

転換点に立つ世界と日本 選択肢を求めて

18449577_1417630464964361_740431494 さて、今日は、福祉国家構想研。昨日、早朝仕事スタートだったので、とにかく、睡眠時間を確保しなければいけないと、朝は、5時ごろから必死に眠るために格闘。おかげで、かなり、疲れがとれた感があるなあ。起きて、1時間は、お掃除タイム。トイレ掃除もしっかりやるよ!
 さて、午後からが本番。まずは、進藤さんが、「アメリカ・欧州・日本の右派ポピュリズムと『21世紀型左翼』を概観する」。なるほどなあ、20世紀後半から21世紀、世界は大きく変わっているよなあ。新自由主義、緊縮財政に抗する動きは、周辺からはじまって、準周辺の動きが活発化し(ポルトガルで弊誌を紹介ありがとうございます)、そして、中心へと。アメリカやフランス、イギリスなどの動きはそうだな。まだ多数はとれないでいるけど、新しい主体が、従来型の福祉国家を手掛かりに、変革を展望する。そういう大きな流れのつかみ方は、大事かもしれないし、そこででている課題の共通性と個別性への理解は、大事かもね。新自由主義の対抗という問題を、日本でどう受けとめるのかという治さんの提起もそうだなあ。
 二宮さんの「ポスト安倍政権へのプレリュード」は、まず、野党と市民の共同の方向のなかで、それを励ますのが知識人の役割と明言することからはじまる。治さんもまとめで言っていたが、変革の方向も担い手も、いまはそこにしかない。その難しさも含めて、すべて引き受けるということ。そのうえで、なぜ安倍内閣の支持率が高いのか、いっぽうで、有権者の意識動向のどこに健全さがあるのかなどにこだわりながら、分析、そのうえで、安倍内閣の根本的弱点を喝破するという話。うーん、辛辣な言葉も含め二宮節!!
 特別に、渡辺報告があった。これもまたエンジン全開。5・3安倍発言を分析、①2020に期日を区切ったこと、②9条改憲を明言したこと、③2項を残す加憲を提起したこと、④9条と、教育や緊急事態をセットで提起したことの4つい特徴があると分析し、2項削除の改憲の困難さへの自覚と焦り、5・3世論調査の国民の9条への支持、野党共闘の存在を前に、それたいする切り札として、最初からこれを提起してきた、それだけに並々ならぬ決意であることなどを提起した。
 討論も含め、刺激的で、ずっと頭を使いっぱなしで、今日は充実したなあ。ほんとに充実!!!

2017/05/12

(耕論)忙しすぎる先生 山口照美さん、内田良さん、小川正人さん

 うーん。これだけ、社会問題になっても、なぜ改善にふみだせないのか?

(耕論)忙しすぎる先生 山口照美さん、内田良さん、小川正人さん(朝日新聞)

 日本の教師は忙しすぎる。文部科学省の調査では、公立中学校で6割が「過労死ライン」に達していた。過酷な働き方は子どもの教育面にも悪影響を及ぼす。何を改めればいいのか。

■「助けて」外に言っていい 山口照美さん(元民間人小学校長)
 大阪市教育委員会の民間人校長の公募に応じて、3年間、小学校長をログイン前の続き務めました。児童数100人ほど、教職員数は17人の小さな学校です。
 行って、まず感じたのは、公立学校はセーフティーネットなのだなということです。朝起きてこない子を先生が迎えに行くことがあります。その時、この子はご飯を食べていないようだなとか、体操服を買ってもらえていないなという具合に、いろいろ心配して対処します。家庭や福祉の役割を学校が担っている。目の前の子はどうしても気になるという教師のマインドが子どもたちを支えています。
 また、私のいた学校は、日本語のわからない外国人の子が何人も転入してきました。彼らは教室で笑いが起きている時、自分が笑われているのではないかと心配になる。そんな不安な気持ちにどうよりそうか、これからの学校が向き合う課題の一つです。
 校内の仕事も多い。小さな学校でも運動会や入学式、卒業式は同じようにやらないといけません。教科ごとに主任が必要だし、生活指導や人権教育担当、給食担当もいる。校内の畑を耕す仕事までやっていました。これからは英語にも力を入れなければいけないし、情報通信機器の活用やプログラミング的思考の教育も入ってくる。次から次へと新しいことが付け足され、何も引かれない。どれも大切ですが、すべてをしょいこんだら時間が足りません。……

■民間の風で、聖職から解放 内田良さん(教育社会学者)
 私の知り合いの教員はみなさん「忙しい」とおっしゃいます。その原因は学校の内部だけではなくその外部、保護者や地域住民にもあります。
 教員は、強烈なプレッシャーを感じながら仕事をしています。小学校では「うちの子が熱を出した」とか「泣いて帰ってきた」とかで、夜9時でも10時でも保護者から電話がかかってくる。学校は24時間営業ではありませんが、お構いなしです。ミスを厳しく指摘されると、ますますつらい。こころない言葉に傷つき、次第に心を病んでいく教員も少なくないのです。
 中学校では部活動です。顧問に就くと土日も指導に出ていかなければいけません。休もうとすると保護者が文句を言ってくることもよくあります。教員自身も、部活動は教育の一環であり、必要だと思ってしまう面がある。ある教員は「土日も休めない部活はおかしい」とツイートするのは怖いと、私に打ち明けました。しかし、まったく休めず、疲弊しきった状態で子どもに接することの方が問題です。……

■残業代払わぬ法律、廃止を 小川正人さん(教育行政学者)
 教員の時間外労働が一向に減りません。文科省が4月末に発表した教員勤務実態調査では、10年前より勤務時間が長くなり、過労死ラインとされる1カ月の時間外労働が80時間を超える教員が、小学校で約3割、中学校で約6割になっています。
 原因の一つは、日本の教員の働き方です。米英では教員の労働時間は授業時数をベースに決められます。生活指導などは専門スタッフが担っており、教員は授業中心の仕事です。日本は、学級活動や学校行事などを通じて社会性を身につけさせる取り組みも担っています。そのため非常に広範囲で多くの業務を抱え込んでいるのです。
 経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本の教員が授業に費やす時間の割合は少なく、小学校で全勤務時間の37%、中学校で32%。米英では50%を超えています。
 もう一つは、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)という法律です。教員の仕事の「特殊性」を理由に時間外勤務手当は支払わず、代わりに月給の4%にあたる教職調整額を一律支給すると定めていますが、実態とかけ離れています。……

 だれもが、いまの先生の状態はたいへんという点で一致しているはずなのに。出てくる政策は、どんどん教員を追い立てて、追い詰めるものばかり。これをどうするのか?
 もちろん、社会一般の働き方そのものが議論されず、その深刻さが広がっているだけに、困難さはある。教育特有の、教育のいまが抱える問題もある。そういうことも含めて、きちんとした議論を提示しないといけないのだけどなあ。なかなか、できてないなあ。

2017/05/02

午後8時の訪問者

 ダルデンヌの映画は、もう何本も見てきたけど、この映画もやっぱりダルデンヌ!、そう思わせる。

640_5 若き女医ジェニー。まもなく、大きな病院に好待遇で迎えられる予定だ。今は知人の老医者の代わりに小さな診療所を診ている。今度、勤める病院から歓迎パーティーの連絡電話を受けているときに鳴ったドアベル。しかし、時間は午後8時過ぎ、診療時間はとっくに過ぎていた。応じようとする研修医をジェニーは止める。  翌日、警察がやってきて、診療所の近くで身元不明の少女の遺体が見つかったと聞く。午後8時過ぎにドアホンを押している姿が監視カメラに収められた少女こそ、遺体となって発見された少女だった。ジェニーは罪悪感から少女の顔写真を携帯のカメラに残し、時間を見つけては少女の名前を聞いてまわる。彼女の名前は何? 何のためにドアホンを押したのか? なぜ死んでしまったのか?……あふれかえる疑問の中、少女のかけらを拾い集めるジェニー。ある日、患者のひとりを診察中に少女の写真を見せると、脈が急激に早まったことに気づく。そこから少女の目撃情報を得ていくジェニー。少しずつ少女に迫っていけるように思えたその時、ジェニーは襲われ「この件に近づくな」と脅される。そして、警察からは名前がわかった、という連絡が入る。  すべては解決し、これから元の生活に戻るかに思われたその時、意外な真実が発覚する――。

 カメラは、主人公をアップで追う。お得意のカットだなあ。ちょっとした過ちからはじまる。小さなものから、許せないものまで、さまざまな思いが、少しずつ重なっていく。そこにある葛藤が、主人公の葛藤や悩み、それを乗り越える選択と重なっていく。そういうなかで謎が解き明かされていく。その葛藤の背景にはさまざな思いがある。出世と正義、誇り、親子のこと、虐待、それでも人とともにいきたいというヒューマニズム、それが移民だかの問題とかさなりながら。静かに、重なりながらすすんでいく。事件の真相のつらさと、そして、だからこそ主人公の行動が生み出した、救いと再出発。あいかわらず効果音楽もなく、静かに淡々と、その思いをていねいに描く。ダルデンヌ。

2017/05/01

子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

51pbmpliphl_sx344_bo1204203200_ まさに、ダニエル・ブレイクの世界である。現在に続く、緊縮財政のもとで、切り詰められていく経済困窮者対策。その姿を、保育所の子どもたちを通して描く。いや、これはまいった。映画の背景が手に取るようにわかる。なぜ、あそこで、フードバンクなのかも含めて。そして、そのとこがわかる文章の部分まで読み進めると、不覚にも、号泣に近く泣けてきてしまった。そして、それを日本に被せて考えたとき、ボクらはこの姿をどのように位置づければいいのか。まともな、社会政策が存在せず、自己責任がかの地より蔓延する日本で…。
 ブレイディさんの来し方、日本的な自己責任論から出発して、無料託児所のなかで、どのような葛藤をへながら、個人主義の根っこを残しながらも、連帯をどのように見つめているのか、などの変化を考えながら読むものまた、いろいろ考え、教えられたりするのだけど。

内容紹介から

 「わたしの政治への関心は、ぜんぶ託児所からはじまった。」
 英国の「地べた」を肌感覚で知り、貧困問題や欧州の政治情勢へのユニークな鑑識眼をもつライターとして注目を集めた著者が、保育の現場から、格差と分断の情景をミクロスコピックに描き出す。
 2008年に著者が保育士として飛び込んだのは、英国の「平均収入、失業率、疾病率が全国最悪の水準1パーセントに該当する地区」にある無料の託児所。「底辺託児所」とあだ名されたそこは、貧しいが混沌としたエネルギーに溢れ、社会のアナキーな底辺層を体現していた。この託児所に集まる子どもたちや大人たちの生が輝く瞬間、
そして彼らの生活が陰鬱に軋む瞬間を、著者の目は鋭敏に捉える。それをときにカラリとしたユーモアで包み、ときに深く問いかける筆に心を揺さぶられる。
 著者が二度目に同じ託児所に勤めた2015-2016年のスケッチは、経済主義一色の政策が子どもの暮らしを侵食している光景であり、グローバルに進む「上と下」「自己と他者」の分断の様相の顕微描写である。移民問題をはじめ、英国とEU圏が抱える重層的な課題も背景に浮かぶ。
 「政治は議論するものでも、思考するものでもない。それは生きることであり、暮らすことだ。」英国移民で一児の母でもある保育士ライターが放つ、渾身の一冊。

2017/04/30

特別支援学校、3400教室不足 在籍者が急増

 こちらもいろいろ考えさせられてしまう。

特別支援学校、3400教室不足 在籍者が急増(朝日新聞)

特別支援教育を受ける子は増えている
 障害が比較的重い子どもが通う「特別支援学校」で深刻な教室不足が続き、2016年10月現在、3430教室が足りないことが文部科学省の調べでわかった。特別支援学校の在籍者が近年急増し、教室数が追いついていない。同省は教育に支障が出るおそれがあるとして、教育委員会に補助金の活用などによる教室不足の解消を求めている。
 特別支援学校小、中学部の1学級は6人が上限で、重複障害の場合は3人。幼稚部から高等部までの在籍者は15年に13万8千人で、10年で1・36倍になった。特に知的障害のある子が増え、全体の9割を占める。比較的障害が軽い子が通う小中学校の特別支援学級の在籍者も15年に20万1千人で、10年で約2倍になった。
 背景には、障害の診断が普及したことがある。障害があると診断されると、支援が得やすい教育を望む保護者が増えたとみられ、「特別支援教育への理解が深まった」(文科省担当者)との見方がある。
 一方、支援が必要な子に対応できていない小中学校の課題を指摘する声もある。「障害児を普通学校へ・全国連絡会」(東京)によると、通常の学級を希望した知的障害児や発達障害児の保護者が、教育委員会や学校から「(通常学級では)いじめられるかもしれない」「高学年になると勉強が難しくなる」などとして特別支援教育を提案されるケースがあるという。…

 ボクは、特別支援学校の意義を積極的に評価する立場ではあるが、こうまでの調査結果ができるとなあ。
 支援学校の在籍者の急増は、特別支援学校の意義を認める人が増えたという側面はもちろんあるだろうけど、ここまでの数の変化は、やはり、通常学級ではやっていけないと感じる生徒た親が増えたということだろうと思う。それは、学テを軸にした競争もあるだろうし、先生の多忙化でとてもとてもということもあるだろうし、親の負担の問題もあるだろうし、子どものあいだの問題もあるだろうし、条件整備の遅れの問題もあるだろうし、さまざまに複合的な要因によるものとは思うけど、通常学級の子どもたちの生きづらさというものも垣間見てしまう結果でもあるのだけどなあ。通所学級をよとりある、教育的なものにしていく議論を取り戻さないと、たいへんかもしれない。
 だけど、一方で、特別支援学校の教室不足問題は、ほんとうに深刻。解決は猶予もならないし、国の責任を明確にする設置基準作りは、まったなしだなあ。

ETV特集「日本の文化財を守れ~アトキンソン社長の大改革~」

 これはちょっと驚いた。メディアでも結構とりあげられているそうだけど、あまり詳しくしらなかったので。

161fb1ccf6b949099f346e4ccbbaec4f 外資系金融会社の幹部だったイギリス人が老朽化の危機にひんする日本の文化財を救おうとしている。職人たちとの対立を越え、日光東照宮や春日大社をよみがえらせた改革とは
 今、日本各地の歴史的建造物が、老朽化しながらも予算や職人の不足により修繕が進まない事態が進んでいる。その中で救世主として期待されているのが、デービッド・アトキンソン氏。外資系金融会社の幹部だったが、7年前、老舗の文化財修復会社の社長に就任。職人たちと衝突しながらも、斬新な発想と実行力で、日光東照宮や春日大社など名だたる文化財の修復を進めてきた。日本の文化財の可能性を信じるアトキンソン氏の改革とは。

 アナリストの改革だから、もっと経済原理重視かとおもったら、実は、伝統のそいながら、オーソドックスなバランス。
 地方再生大臣の二条城の学芸員発言にある、二条城の再建にもかかわっている。大臣は、こうしたとりくみの一端をつまみ食い的に仕入れていて、勝手に解釈して、ああいう発言をしたのだろうか。保全と活用を模索するこうした努力はまったく眼中にないのか?
 しかしまあ、日本というのは、ほんとうにこうした文化の保全という問題についても、貧弱なのか。社会全体を豊かにしていくビジョンがないというか、思想がないというか。そういうことをつきつけられると悲しくなるなあ。
 その模索と葛藤は、いろいろな立場の人の意見もていねいに聞いてみたいものだなあ。


2017/04/28

教員勤務実態調査 中学教諭、6割近くが「過労死ライン」

 うーん。深刻さはいっそうというか、変わらないというか。


教員勤務実態調査 中学教諭、6割近くが「過労死ライン」(毎日新聞)

校長や教頭など全ての職種で「教員の多忙化」改めて浮き彫り
 2016年度の中学校教諭の1週間あたりの平均勤務時間は63時間18分で、10年前より5時間12分増えたことが、文部科学省の調査(速報値)で分かった。「過労死ライン」に達する週20時間以上の残業をした教諭が6割近くを占めた。土日の部活動の指導時間が10年前の2倍になったことなどが主な要因。小学校も含め、校長や教頭など全ての職種で勤務時間が増えており、「教員の多忙化」が進んでいることが改めて浮き彫りになった。
 教員勤務実態調査は06年度以来。16年10~11月、全国の公立小中学校各400校の教員を対象に連続7日間の勤務状況などを尋ね、小学校397校の8951人、中学校399校の1万687人から回答を得た。
 中学校教諭の1日の平均勤務時間は平日で11時間32分(06年度比32分増)、土日で3時間22分(同1時間49分増)。業務別でみると、土日の「部活動・クラブ活動」が2時間10分(同1時間4分増)と倍増した。過労死ライン(残業月80時間)に達する計算になる週60時間以上勤務した教諭は57.7%。うち過労死ラインの2倍に相当する週80時間以上は8.5%いた。
 小学校教諭は平日で11時間15分(06年度比43分増)、土日で1時間7分(同49分増)。1週間では57時間25分(同4時間9分増)で、過労死ラインに達する60時間以上働いた教員は全体の33.5%だった。旧学習指導要領に基づく教育課程(カリキュラム)だった06年度に比べ小学1~2年で授業時間(1単位時間45分)が2時間、小学3~6年で1時間増えたのに伴い、授業の準備時間も増えた。……

 これがその結果。

 概要を見ると、

(1)教員の1日当たりの学内勤務時間
前回調査(平成 18 年度)と比較して、平日・土日ともに、いずれの職種でも勤務時間が増加。(教諭(主幹教諭・指導教諭を含む。)については、1日当たり、小学校平日 43 分・土日 49 分、中学校平日 32 分・土日 1 時間 49 分)

(3)1週間当たりの学内総勤務時間数の分布(教諭と副校長・教頭)
1週間当たりの学内総勤務時間について、教諭(主幹教諭・指導教諭を含む。)のうち、小学校は 55~60 時間未満、中学校は 60~65 時間未満、副校長・教頭のうち、小学校は60~65 時間未満、中学校は 55~60 時間未満の者が占める割合が最も高い。

(4)学内勤務時間と持ち帰り業務時間の比較(1日当たり)
前回調査と比較して、学内勤務時間は増加している一方、持ち帰り業務時間は若干減少している。

(5)業務内容別の学内勤務時間(1日当たり)
平日については、小学校では、授業(27 分)、学年・学級経営(10 分)が、中学校では、授業(15 分)、授業準備(15 分)、成績処理(13 分)、学年・学級経営(11 分)が増加している。土日については、中学校で部活動(1 時間 4 分)、成績処理(10 分)が増加している。

 松野博一文科相は記者会見で「看過できない深刻な事態が客観的な数字として裏付けられた。早急に対処したい」と述べているけど、人員増や、負担軽減ではなく、実際に出てくる政策はまったく逆だよなあ。

2017/04/26

少女を非行から救え ―福岡・更生保護の現場から―

 昨日のハートネットTV。なるほどと思いながら見た。

2000643909_403_v 去年2月、福岡県田川市に少女を専門にした日本で唯一の更生保護施設が誕生しました。入寮しているのは17歳~19歳の5人の少女。少年院を出たり、非行の末に保護されたりして、この施設にやってきました。
 施設を運営するのは、“元暴走族の総長”という異色の経歴を持つ工藤良さん(40)。自分も非行の経験があるからこそ、自身が親代わりとなって向き合い、自立を促したいと取り組んでいます。これまで数多くの少年たちの更生で実績を積んできた工藤さんのモットーは、「決して諦めない」。しかし、少女ゆえの自立の難しさにも直面しているといいます。
 番組では、少女たちと向き合う工藤さんの日々に密着し、どうすれば再犯を防ぎ、更生させることができるのか、そのヒントを探っていきます。

 騙されても、それでも立ち直りを支援する。そんな世界だと思う。そこで、実際に、立ち直りへの思いを、ていねいに引き出して、そして支えていく。同じ痛みをもってきた人だから理解できるのだろうなあ。その人が、さらに、深い理解を深めている姿には、驚いた。メディアでもよく取り上げられている人だけど、すごくていねいで、かつ深い理解をされている方だと感じた。

2017/04/23

目撃!にっぽん「高校生ワーキングプア 旅立ちの春」

 今日、朝の番組。いろいろ考えさせられた。

 6人に1人の子どもが相対的貧困とされる日本。今、家計を支えるために働かざるを得ない「高校生ワーキングプア」が増えている。幼い妹や弟のためにアルバイトで働き詰めの日々を送る女子高生は、家族のために大学をあきらめて専門学校へ進学することを決断した。一方、アルバイトをしながら兄弟2人で生きてきた男子高生は、春、そろって就職。助け合って生きてきた日々から卒業する。高校生ワーキングプアの旅立ちの春を描く。

 もっと、くわしい内容の紹介はここ。
 板垣プロデューサーのていねいな番組。ほんとうに、引き込まれる。
 兄弟で支え合う。姉妹が支える。
 でもなあ、なぜにここまで、けなげにがんばらなくてはならないのか? なぜ、家族がここまで、支え合わなければならないのか? そして、何よりも、社会保障の制度が出てこない。それはどういうことなのだろうか。

 しかし、これが日本の現実である。そのこともよく考えないといけない。
 無力感にさいなまれた。自分は何ができているのか。この現実を変えることはできないのかと。

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