教育

2018/01/28

私学助成金 経営悪化や教育の質が低評価で減額へ 文科省

 実は、今日のシンポでも考えたのだけど、やっぱり日本で、高等教育、後期中等教育、そして幼児教育を私学に依存している構造の問題を真剣に考えないと、ぜったいに無償化の問題はクリアできあによなあ。オランダでも、ビジネススクール以外の、宗教系などの私学には、公立と同じ公費が出ているし、そもそも大学のほとんどが公立である。

私学助成金 経営悪化や教育の質が低評価で減額へ 文科省(NHKニュース)

 文部科学省は、私立大学などを運営する学校法人への私学助成金について、5年程度連続して赤字経営になった場合などには減額する仕組みを新年度(平成30年度)から導入する方針を固めました。
 私立大学をめぐっては、少子化で入学者数が減少する中、今年度(平成29年度)はおよそ4割の大学で定員割れとなるなど、厳しい経営状況が続いています。
 こうした中、文部科学省は私立大学などを運営する学校法人に毎年3000億円余りの私学助成金を支出していますが、財務省から「大学の延命措置になりかねない」などとして助成の在り方の見直しを求められていることから検討を進めてきました。
 その結果、文部科学省は新年度から、私学助成金を減額する対象に、従来の「定員割れ」に加え、5年程度連続して赤字経営になった場合や、カリキュラムを柔軟に見直さないなど教育の質が低いと評価された場合も新たに加える方針を固めました。
 一方で、文部科学省は、赤字が続いていても学生による評価を導入して授業の改善に取り組むなど教育の質が高いと評価できる場合は助成金を減額しない方向で調整を進める方針で、今後、具体的な減額の幅や教育の質の評価基準などの検討を急ぐことにしています。

 私学の整理統合に向かおうとしているけど、そうなると困難になるのは地方の中小私学でしょう。競争的な環境に置いているかぎり、どんどん追い込まれる。それは、学生にとっても、地方の住民にとってもたいへんなこと。私学をどう位置付けて、支えていくのか、長期的な議論をかんがえなくっちゃいけないんだろうなあ。

国際人権A規約第13条「教育の権利」―今日的意義及び現状と課題―

27539972_1674368332623905_898484182 今日は、朝、一通り掃除をして、それから資料探しに行って、午後から表題のシンポジウムに。ほんとは疲れていたから休みたかったけど、行ってみたらものすごく刺激をうけた。
 シンポでは、まず三輪先生と弁護士の西川さんが報告。奨学金の会の経緯とか2018年問題とか、滞納の現状だとか。
 それからメーンの、オランダのクーマンズ教授(ユネスコ人権平和議長)の報告。くわしくは、そのうち大学評価学会のHPなどで報告が掲載されるのだろうから、とりあえずの感想。なんというかね、その後の討論では、日本の院生や学生、困難をかかえた若者の実態が出された。ヨーロッパの議論との落差を最初から感じるわけだけど、あらためて、だからこそ、ヨーロッパの議論を支えているものが何かということを考えさせられる。人権をめぐる議論の深さと広さというか。ではそこをどう埋めていくのか、と同時に、ヨーロッパでもいろいろな後ろ向きの動きもあって、条約は万能ではない。ではどうするのか。市民の側の動きとして、いわゆる日本でいうカウンターレポートの問題がだされたが、日本ではもっといろいろ必要だろうな。ボクはクーマンズ先生が、条約の理念からこういうことは許されないだろう、こういうことはしんくっちゃいけないだろうというような問いかけをされていたのが印象的で、日本でもそういう議論の積み重ねがものすごく大事なんではないかなどとも思ったりしたのだ。


2018/01/27

子どもと生きるという仕事

Image_d34b3c5 今日は、超久しぶりに学びをつくる会に。大江未知さんの講演を聞きに。笑いあり、涙ありの「大江ワールド」を堪能。今日の話は、自己紹介的に、自分語りをとおして、ある種の教師のありようと、そして、宮沢賢治の「注文の多い料理店」で、子どもとつくる授業実践を、最後に、『教育』1月号でかかれていた、「いじめ」事件をとおして、子どもの関係づくりをとおして子どもと生きるということを考えるというもの。子どもを信じることと、粘り強く取り組むことと、何より、エネルギッシュに前向きに。だけど、きっと、その裏側にはたくさんの葛藤がある。なえそうになる時、もういいだろうと思うとき、それを乗り越えて、あきらめないなあ。今回は、いろいろ話すこともできたけど、いろいろヒントをもらったかなあ。まだまだ、まだまだだと自覚しよう。


2018/01/22

本社世論調査 自民党総裁「続投を」37%

 うむ。毎日の世論調査。

本社世論調査 自民党総裁「続投を」37%(毎日新聞)

 毎日新聞が20、21両日に実施した全国世論調査で、9月に予定される自民党総裁選について聞いたところ、安倍晋三首相が3期目も「総裁を続けた方がよい」との回答は37%で、「代わった方がよい」の47%を下回った。ただ、自民支持層に限ると「続けた方がよい」は69%に上る。首相は通常国会後の夏ごろに態度表明する意向だが、今のところ優位は揺らいでいないようだ。
 「続けた方がよい」は昨年11月の前回調査から2ポイント増、「代わった方がよい」は同6ポイント減だった。「支持政党はない」と答えた無党派層では「代わった方がよい」が55%と過半数を占めたほか、野党支持層でも「代わった方がよい」との回答が目立った。
 安倍政権の経済政策「アベノミクス」を「評価しない」は47%、「評価する」は36%。携帯電話導入など調査方法を変えたため単純には比較できないが、昨年1月の調査では「評価しない」46%、「評価する」43%だった。
 首相の総裁続投を望む層では、アベノミクスを「評価する」が71%に上った。交代を望む層では逆に「評価しない」が76%と高かった。
 昨年の特別国会の衆院予算委員会で、自民党はそれまで「与党2対野党8」だった質問時間を「与党36%、野党64%」に見直した。通常国会でも野党の質問時間を減らすことを検討している。今回の調査では「議席数に応じて配分する」が42%、「野党に多く配分する」が40%で拮抗(きっこう)した。質問がやや異なるものの、昨年11月の調査では「野党に多く」54%、「議席数に応じて」32%と、野党に好意的な見方の方が多かった。
 主な政党支持率は、自民党30%▽立憲民主党14%▽共産党4%▽公明党3%▽▽日本維新の会2%▽希望の党2%--など。無党派層は37%だった。民進党は前回に続いて0%と低迷している。

 問題の憲法についての調査では、「自衛隊の存在を明記する憲法改正について『憲法9条の1項と2項はそのままにして自衛隊を明記する』との回答が31%、『9条の2項を削除して自衛隊を戦力と位置付ける』が12%で計43%に上った。『自衛隊を憲法に明記する必要はない」は21%と、明記派の半分程度だった」の一方で、「国会が改憲案を『年内に発議する必要はない』は46%で、『年内に発議した方がよい』の36%より多かった」という。「自衛隊明記に関しては『わからない』も27%あり」というわけなのだから。
 ちなみに、安倍内閣の支持率は44%で、昨年11月の前回調査から2ポイント減。不支持率は38%で同2ポイント増。

子どもの貧困対策情報交換会 『子どもの貧困指標を考える』

27164093_1666015506792521_415416754 土曜日は、表題の学習会に。最近は仕事に追いまくられていて、すっかりフットワークが悪くなっているだけに、もう少し、自覚的にいろんなところに行って、いろいろな人と話をしないとなあと、反省。さて、会場はいっぱい。これに驚いた。
 なによりもお目当ては、阿部さんの、貧困指標についての講演。子どもの貧困率は、2015年の結果は、13.9%で少し下がったわけだけど、その貧困率ではつかめない実態を、剥奪指標という形でみていくということで、とりくまれてきたわけだけど、その問題意識、つかみ方などの話が聞けて、よかった。阿部さんは、データの人。すごく冷厳に、データがしめしていることを読み取る。すごく冷厳であっさりしている。そこがなるほどなのだけど。限界を自覚されていて、その外にあることはきちんと切る(苦笑)。それだけに、討論でいろいろな質問も出されて、それで、この指標をどう位置づけるのか、そして、どう発展させていくのかなどの問題意識ももてたりした。終了後、久しぶりにご挨拶。ボクのことを覚えていてくれた。
 貧困率の評価については、OさんやNさんなどから異論が出されていたけど、それはそれで正論で……。
 愛知の沢田さんは、学習支援の現場から、どう自分たちの取り組みを評価を伝えていくのかということで、つくりだした指標についての報告。理念的な問題と、実践(現場)の話がクロスする話だけに、時間が短く、少し残念だった。
 桜井さんは、一度会っておきたかったので、シャープな話が聞けてよかった。高等教育への進学率のトリックなど、なるほどなるほどという話。
 やっぱり、いろいろなところに行って、いろいろな話を聞かないとダメだなあと。


2018/01/19

これからの日本、これからの教育

416bsovzkl_sx304_bo1204203200_ 話題の本。話題の前川さん。政治が文部行政に介入し、そこに抵抗する官僚がいて、そこには一致して、抵抗するという基盤がつくられているということなのだろうけど。
 読んだ感じ、寺脇さんは、かつて文科の改革派と呼ばれていた時期を思い出す。この本でも、やたら「生涯学習」ということを強調し、学習する権利を強調する。それが、どうも薄っぺらい感じがするのだけどね。どうも、ボクらが言う憲法や教育基本法にもとづく、教育権論、学習権論や子どもの権利論とは、ちょっと違う感じがする。彼のやった限定的と言いたいのだろうけどもその規制緩和の議論の浅さや、そこがもたらしたものということが気になるところ。そもそも、「自由」というのがキーワードで、やっぱりそれは、中曽根・臨教審だったりするのだろうなあ。
 前川さんは、まさに保守リベラルという感じだな。だから、国というものや、安定的な経済というものも前提としながら、そのなかでリベラルな教育をめざすという感じ。一致点も多いのだろうけど、とても現実的な世界で生きていて、そういう前提があるから、実際の力関係のなかで、選択するということになる。とりわけ教員配置の問題や、高校の教育課程の規制緩和は、そういう見方でいいのだろうかと思ってしまう。
 だけど、やはりトップ官僚。ボクらがなかなか深め切れているな問題にまで、目をくばり、問題意識をもっているのは、すごいなあと思う。「適格者主義」へのこういう批判をするとは、などなど。だけど、彼らの討論で出てこないんは、教員自体の運動であり、そして国民の教育運動なのだ。そこは、やっぱり考えてしまうなあ。
 ある意味保守リベラルという点で言えば、歴代の内閣法制局長官などとも通じるところがあり、だからこそ、安倍さんの官邸主導のなかでいろいろな問題が起きていることかあ。そう考えると、こういう官僚の意味や、いまそれがどんどん排除されている現状など、90年代以降の政治改革の帰結ということも考えさせられることもであるのだけど。
 いろいろ刺激をうける1冊でもある。


2018/01/15

進む軍産学共同 防衛省の委託研究 分担機関に6大学 藤野議員への回答で明らかに

生々しいなあ。

進む軍産学共同 防衛省の委託研究 分担機関に6大学 藤野議員への回答で明らかに(しんぶん赤旗)

 防衛省が2015年度から実施し“研究者版の経済的徴兵制”と批判されている「安全保障技術研究推進制度」に、制度開始以降6大学(研究課題7件)、5国立研究開発法人(6件)が分担研究機関として参加していることが分かりました。日本共産党の藤野保史衆院議員に同省が明らかにしました。
 同制度は、防衛省が大学や企業、研究機関に資金を提供して研究を委託し、同省職員が研究の進捗(しんちょく)状況を管理するもの。分担研究機関は、防衛省の研究を受託した代表研究機関とともに研究を進めるパートナーです。日本学術会議は昨年3月、同制度について「政府による研究への介入が著(いちじる)しく、問題が多い」と批判する声明を発表しました。それにもかかわらず、安倍政権は18年度予算案でも17年度並みの101億円を計上しています。
 同省はこれまで、代表研究機関と17年度の分担研究機関は公表したものの、15、16両年度の分担研究機関は明らかにしてきませんでした。
 明らかにされた資料からは、同制度を通じて軍産学共同が本格的に始まっていることが読み取れます。
 これまでに採択された研究課題33件のうち、分担研究機関を伴っているのは18件でした。そのうち7件で企業と大学、国立研究開発法人が共同して研究を実施。うち4件は企業が代表研究者として主導権を握っています。特に、1件当たりの予算が5年間で最大20億円という大規模研究課題(17年度開始)でその傾向が強くなっています。
 学術会議の声明や軍学共同に反対する市民の運動が広がるもとで、防衛省関係者からは、企業が前面に立つことで批判を恐れる大学を参加しやすくするとの発言がでています。企業を通じて軍事研究資金が大学や研究所に流れる動きがこのまま進めば、日本に軍産学複合体が形成される恐れが強まります。

 リアルにもうすでにはじまっているということ。東京農工……。狙われるんだろうなあ。

2018/01/11

誰も置き去りにしない社会へ―貧困・格差の現場から

41tjdrbgwyl_sx342_bo1204203200__1 さて、いよいよあす発売です。雑誌で連載したものを1冊の本に。10本のうち、8本がボクのインタビュー。結局、子どもと女性の貧困がテーマとなったわけなのだけれど。一昨年から、さまざまな本が出て、鋭い議論だなあと思た人に、声をかけてというのが、この本。女性が多いのも特徴から。それなり、思い入れもある。だから、売れるといいのだけどなあ。買ってよんでほしいなあ。ちなみに本になっても、売れても、ボクには何の恩恵もないのですけどね。


2018/01/05

18、19歳 憲法無関心4割超 静岡新聞社県民意識調査

 静岡新聞の改憲についての県民意識調査が話題に。新聞には、ほかに「18、19歳 改憲容認72%」という見出しが泳ぐ。まあ、ていねいに読むと、「議論した結果、改正することがあってもよい」60.8%を含むものであったりと、見出しと中身はちょっと乖離している感じなのだけど。
 さらに9条に限ってみると、9条改正容認3割で、改正消極派が54%にのぼっているのだ。

 ネットでは次の記事があった。

18、19歳 憲法無関心4割超 静岡新聞社県民意識調査(静岡新聞)

 日本国憲法について静岡新聞社が3月末時点で18、19歳になる県内の265人を対象に2017年12月に行った意識調査で、憲法についての関心を聞いたところ、関心を示さなかった人が4割を超えた。安倍晋三首相が東京五輪のある20年までの改正憲法施行に意欲を示す一方、10代の有権者にとって憲法が身近とは言えない実態が浮かび上がった。
 今回の調査で「関心がない」「あまり関心がない」と答えた人は合計43・1%と、16年12月の前回調査の36・5%に比べて6・6ポイント上昇した。13~15年の3年間、本社が20歳以上の全世代を対象に実施した同様の調査では25%前後で推移していた結果と比べると、若者の憲法への無関心は顕著になっている。
 一方、「関心がある」「ある程度関心がある」と答えた人は合計53・2%で、同じ年齢層を対象にした前回調査の57・7%に比べ4・5ポイント下落した。
 今回新たに追加した国民投票についての質問では、「できるだけ早く国民投票を行うべき」が16・2%にとどまった。「具体的にどの項を改正するか詳細が不明のため、どちらともいえない」(30・6%)など慎重な意見が大半を占めた。
 調査に合わせて回答者からは「(政府などは)『今の憲法はここを変えるべき。なぜならこうだから』と具体的に伝え、その後にきちんと国民の意見を集めるべき」(専門学生18歳女性)といった意見も寄せられた。

 これとて、若者が政治に関心あるかどうかとは別な話。若い人と接している人に聞くと、ブラックバイトやブラック企業、奨学金などのほうが関心が高いというわけだし。憲法の問題はたしかにわかりづらさがある。身近な関心とむすびつけながら、どう語っていくのかも大きな課題ということなんだろうとは思うのだけど。

2018/01/01

児童虐待から考える 社会は家族に何を強いてきたか

17 昨年、最後に読み終えたのは、敬愛する杉山春さんのこの本。うーん、重かった。「子どもを育てられなくなった親たち。誰が『家族』を壊しているのか? 年間10万件を突破し、今なお児童虐待は増え続けている。困窮の中で孤立した家族が営む、救いのない生活。そこで失われていく幼い命を、なぜ私たちの社会は救うことができないのか? 『愛知県武豊町3歳児餓死事件』『大阪2児置き去り死事件』、そして『厚木男児遺体放置事件』と、数々の児童虐待事件を取材した著者が、
私たちの社会において、家族の『あるべき形』がいかに変わってきたかを追いながら、悲劇を防ぐ手だてを模索する」。なぜ、問題は、家族のなかに封じ込められるのか。もともとある、不利が契機に、このように置き去りにされる人たちがなぜ、生じるのか。そこで子どもたちは何に直面しているのか…。胸が張り裂けそうな思いで、読み通した。
 自分の直面してきたことと重なりながら、でも、やっぱり自分は、どこまでつめて考えてきたのか、いろいろ重たい思いをもっちながら、自分が問いかけてきた問題とも重ねながら、考えるのだけど。それはとっても苦しいことではあるのだけど。
 日本の社会の生きづらさってものの正体を、もっともっと、つきつめて言葉にしなければならないなあ。それが一つの自分の大きな課題だなあ。今年は、この点では、すきのない仕事をしたいなあ。そう思うんだけどなあ。


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