教育

2020/03/19

〈ヨコへの発達〉とは何か?: 障害の重い子どもの発達保障

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 びわこ学園に行ったときのことを思い出しながら、読む。やまゆり園の事件の判決があっただけに、重い障害のある人のことをどう考えるか、いろいろ考えながら読んだ。

 では、ヨコへの発達とは何か。糸賀や岡崎、田中たちが、重い障害と向き合いながら、その認識をどう深めていったのかということがテーマ。ボクは、あらためて「共感的発達」や「関係性」ということに目を引かれた。発達というものの理論的展開のなかで、「共感」や「関係性」がどのような飛躍をつくりだしているのか、いろいろ知りたいと思った次第。

 糸賀と、「優性思想」の問題は、近江学園でのいわゆる「手術」問題もあり、いろいろ言われている。おそらく、大事なのは、糸賀自身の葛藤と認識の深まりということなのだと思う。糸賀は人生を通して変化していった。ならば、糸賀の変化と、そしてどこまで到達したのか、限界や、未来にどう開かれていて、それがいま、私たちがどこまで来ているのか、そういうなかで位置づけたいとも思ったり。ヨコへの発達観自身が、今後どのように変わっていくべきなのか、いろいろな課題についても考えさせられたりする。

 

2020/03/03

コロナ 一斉休校を前に ちょっと考えたこと

 いろいろニュースなどを見ていても、今回の事態は、社会全体の国民・市民の生活を支える政策の脆弱さを露呈しているという感じがしている。教育の分野でも、子ども・若者政策の脆弱さが、休校をめぐって浮上しているのではないか。学童保育は、低予算で、かなり条件の悪い中、必死で放課後を支えてきたけれど、とうていこうした事態に、子どもを支える条件はない。ボクらが学童の運営をやっていたとき、インフルエンザの学級閉鎖のとき、朝から子どもたちをあずかっていたけど、今度の事態で果たして学童をあける決断ができるのかは考えさせられる。

 学校が最後のセフティーネットとかいう人がいるけれど、こういう役割をはたせないように、学校は傷つけられ、歪められ、いまにいたっているのが現実ではないか。

 それは、学校に限らず、いたるところに同じ問題がある。非正規や、雇用によらない雇用などのもとで…。

 だから、そういう現実をふまえて、今子どもたちのために何が必要なのか、何ができるのかを考える必要があるように思う。たくさんの人の共同が必要なように思う。

2020/02/23

ファーストラヴ

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 公認心理師の主人公・由紀(真木よう子)は、出版社から話題の「女子大生の父親刺殺事件」のルポの執筆依頼を受ける。容疑者・環菜(上白石萌歌)が取り調べで「動機は見つけてください」と警察に言ったことで、波紋を呼んだ事件だ。
 環菜の国選弁護人で、由紀の義弟でもある迦葉(平岡祐太)からも協力を請われて、由紀は環菜と面会し、カウンセリングのような形で、環菜の家族に何があったのかを突き止めようとする。しかし、環菜は正直に話しているかと思えば、嘘を言い、時には感情を露わにして、由紀を翻弄する。環菜の心に触れることは、由紀自身の辛い過去と向き合う作業でもあった。
 真相を探る中、明らかになる環菜と殺された父親、さらには母親・昭菜(黒木瞳)とのゆがんだ親子関係。隠され続けた家族の秘密。そして、環菜はついに「初恋」について語り始める。果たして環菜は、本当に父親を殺したのか。由紀がたどり着いた真実とは―。

 この手のドラマは、たぶんに心理主義的。人間関係が親子関係に矮小化されていく。社会的な人間の造形がなくうすっぺらい。

 だけど、ある面では、自分を見ているようでつらかった。つらかった。

2020/02/06

プロフェッショナル 仕事の流儀「虐待・貧困支援 高橋亜美」

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 高橋さんのお話しは、何度か聞いたことがある。相方が、パネラーとして同席したこともあるし、学生さんたちをつれてお世話になったこともある。ボクも本も読んでいる。しかし、知らないことも多かった。「寄り添う」ということがテーマ。児童虐待をうけ、大人になってなお、かつて受けた虐待の傷に苦しむ人を支援する。養護施設を出る18歳を超えると、社会的支援の仕組みがない。そうしたなかで、つくられてきた自立援助ホームであり、長期わたった支援をすすめるためにつくられたのがアフターケア事業である。彼女が受ける相談の内容は重い。

 支援のあり方も大きなテーマ。彼女の支援は、ある意味で踏み込む。ただし、押し付けではなく。それは、彼女自身の体験ということからもきているのだろうと思う。子どもの頃に受けた傷や、友人の「死」。ここは、自分の問題としてもいろいろ考えさせられる。その自分語りは、いろいろ迫ってくるなあ。

 若者の生きる世界が変容しているなかで、支援のあり方も考えさせられる。それも、少し、考えた。

 まだまだ、知らなければいけないことも多いなあ。

2020/02/03

子どもの貧困対策法・大綱の見直しを受けて-市区町村の子どもの貧困調査を考える

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 久しぶりになくそう!子どもの貧困ネットワークの取り組みに参加してきた。子どもの貧困基本法が改正され、大綱ができ、この分野の取り組みは大きく前進している。素人目にも、子どもの権利に言及され、意見表明などに触れられているだけでも画期的だ。ただ、法律そのものは、政府をしばらないもの。そこから大きな課題が生まれるのだけど、地方自治体、市町村で、「計画」策定が「努力義務化」されたことで、地方の取り組みが注目される。調査をおこなって、計画へ。昨日の集会では、鹿児島市、越前市、世田谷区が取り上げられていた。その取り組みはなるほどなあと思わせる。とりわけ、越前市は、規模がいちばん小さいこともあり、要対協などとタイアップして、相対的には手が届くという感じはする。

 ただ、課題は、やはり多いなあと感じる。親世代の貧困の様相が大きく変わってきているはず。そこに追いつくような議論になっていくのはかなり大変な感じがする。子どもの実態も深刻、子どもを痛めつける要素も複雑になっていることにどう向き合っていくのか。とりわけ、教育などの問題は、いっそう複雑。どうしても、旧来的と言えばいいのか、わりあいとこれまで取り組まれてきたモデル的な事業から、まだ、出ていってない感じもする。そういう意味で、まだまだ、始まったばかりの取り組みであるということが大事なのだろうし、さまざまな探求が必要なんだろうな。そういう視点で、探求していくことが大事なのかなあなどとも思ったりした。

2018/04/11

連鎖する貧困

19 いちおう買ってきましたよ。ボクも、いわゆる貧困ジャーナリストにはいるのでしょうかね。それそうと、実際に、いま貧困を議論するのは相当難しい。正直、それで売れるものではないし。自己責任論は実は強まっている。そのなかで、どう議論するのか。
目次は、こう。
深刻化する子どもの貧困購読者限定
 アルマーニ騒動で浮き彫りに  広がる子どもの格差
塾にも通える! 支援に動き出した自治体
 貧困家庭をピンポイント支援
 自宅に食品を届ける「こども宅食」
前川喜平×湯浅誠が直言 やれることはたくさんある! 子どもを救う処方箋を示そう
 幼児教育の無償化より待機児童の解消が優先だ
新しい奨学金制度始まる
 給付型奨学金の拡充で未婚・少子化へ歯止めを
 探せばこんなに見つかる購読者限定給付型奨学金の活用術
会社規模が明暗分ける購読者限定
 高卒就職という選択肢
I nterview|慶応義塾大学准教授・中室牧子 「意欲の格差解消へ供給サイドに投資せよ」
富裕層は都心名門が好き
 首都圏|浮かび上がる公立小格差

階級社会化が進む日本  階級社会ニッポンの実像
 搾取され続ける絶望 ルポ アンダークラスの現実
 Interview 橋本健二・早稲田大学人間科学学術院教授購読者限定
 「最低賃金の引き上げがアンダークラスを救う」
 非正規は救われるのか始まった無期転換ルール
 アンダークラスに大打撃 切り下げられる生活保護費

 この特集もそう。よまなくっちゃいけないけど、なかなか難しい。ここで、湯浅さんか? 前川さんか? 彼らが語らないのは何なのか? なぜ中牧と親和するのか??? うーん。


2018/04/09

特別支援学校 減る寄宿舎

27657156_1746245292102875_511341137 1週間前の毎日新聞。相方さんが登場。せっかくだから記念に。大事な記事。全国新聞に取材記事としてとりあげられるのは、しんぶん赤旗以外でははじめて。以前、NHKではとりあげられたけど。記者が最初に接触したのは去年の夏、取材をうけたのが秋だから、相当時間がかかっている。掲載に向けた記者の努力には頭が下がる。同時に、なかなか障害児の問題はメディアでは取り上げられないなあと、やっぱり思ってしまうなあ。残念だけど。


2018/04/08

#失踪 若者行方不明3万人

 ブログを再開しようと思ったけど、なかなか書くことができないでいる。読んだものや、聞いたこと、見たことについて、どう考えたのかを、きちんと文章にしておくことが大事だと思っているけど、なかなか余裕がなく。しかし、そうなると、どうしても漫然とすごすことになる。うーん。
 さて、昨日のNHKスペシャル。

Thum_01 「ある日、突然、我が子がいなくなった」。今、突然“失踪”する若者が相次いでいる。警察庁によると、1年間に全国で行方不明となる人は約8万人、4割を『10代、20代の若年層』が占め、年間3万人を超えている。取材班は、失踪した我が子を探す家族を取材。さらに、若者にSNSで相談にのるNPOの協力も得ながら失踪した若者たちへの接触を試み、その過程を記録する。取材からは、SNS上に「裏アカウント(裏アカ)」をいくつも持ち、親や友達さえも知らない“匿名”で「本当の自分」をさらけ出し、見ず知らずの人間と簡単に接点をもっていく、新たな“失踪空間”の実態が見えてきている。さらに番組では、若者を対象にした大規模アンケートを実施、親が知らない若者たちの実像にも迫る。9人の若者の命が奪われた座間の遺体遺棄事件を受け、今年3月、国はSNSで若者の相談にのる団体の支援に乗り出した。いつ何時、犯罪に巻き込まれるか分からない若者たち。これまでの“家出”とは異なり、若者が次々と姿を消していく新たな“失踪社会”の実態を追跡する。

 若者の背景には迫らなかったから、どうもすっきりこないのだろう。まずは、おこっていることを伝えている。その起こっていることは、鈴木大介さんの『家のない少女たち』から大きくは変わってないのかなあとも思う。この本は10年前、ちょうど青少年への取り締まりが厳しくなり、少年少女たちの行き場がなくなり地下に入っていく時代。その闇はいまなお、いやいっそうを深くなっているのか。。たしかにSNSでスピードがあがったり、闇は広がったが。
 番組で登場する橘ジュンさんの話を聞いてからも10年ぐらいたつのかなあ。『漂流少女』が8年前だからそのころだったか? 彼女たちの待つ取り組み、それはある意味で”本人の選択を受けとめる”ということなわけで。支援のあり方についてある議論の1つで、bondとコラボの違いだとか、それはボクの知っている人の間にもある違いで、いろいろ考えさせられた点でもある。
 なかなか、救いも解決も見いだせない課題。背景にもなかなか突っ込みにくい。だからこそ、考えることは多いのだけど。

2018/03/15

文科省が授業内容などの提出要求 前川前次官の中学校での授業で

 そうはないNHKのスクープ。だけど、相当重大で、深刻な問題。よくやったNHK。

文科省が授業内容などの提出要求 前川前次官の中学校での授業で(NHKニュース)

 国が学校に授業の内容を問いただす異例の事態です。愛知県の公立中学校が文部科学省の前川前事務次官を先月、授業の講師に呼んだところ、文部科学省から教育委員会を通じて授業の内容や録音の提出を求められたことがわかりました。いじめなどの問題を除き、国が学校の個別の授業内容を調査することは原則、認められておらず、今後、議論を呼びそうです。
 愛知県内の公立中学校で、先月、文部科学省の前川前事務次官が総合学習の時間の講師に招かれ、不登校や夜間中学校などをテーマに授業を行い、全校生徒のほか地元の住民らも出席しました。
 この授業について今月1日、文部科学省の課長補佐からこの学校を所管する教育委員会宛てに内容を問いただすメールが届いていたことがわかりました。
 メールでは、前川氏が天下り問題で辞任したことや、出会い系バーの店を利用していたと指摘したうえで、「道徳教育が行われる学校にこうした背景のある氏をどのような判断で授業を依頼したのか」と具体的に答えるよう記しています。さらに、録音があれば提供することなど15項目について文書で回答するよう求めています。
 関係者によりますと、中学校には教育委員会からこれらの内容が伝えられ、録音の提出については拒んだということです。教育委員会も授業内容は事前に了承していたということです。
 今の法律では、いじめによる自殺を防ぐなど、緊急の必要がある場合は文部科学大臣が教育委員会に是正の指示を出すことが認められていますが、今回のように個別の学校の授業内容を調査することは原則、認められていません。
教育行政上の国の役割とは
 戦前の愛国主義的な教育の反省に立ち、国による学校教育への関与は法律で制限されています。教育基本法16条にも「教育は不当な支配に服することなく」と記されています。
 地方教育行政について定めた法律では、学校教育に対して、指導や助言などができるのは原則として教育委員会です。国は学習指導要領の作成など全国的な基準の設定や、教員給与の一部負担など教育条件の整備が主な役割です。
 一方、いじめ自殺など子どもたちの命に関わる問題が相次ぐ中で、国による関与が必要だとする声も強まり、平成19年に文部科学大臣が教育委員会の対応が不適切だった場合、是正の指示ができるようになりました。 
 しかし、これも法令違反や子どもの命や身体の保護のため、緊急の必要がある場合に限定されていて、今回のように個別の授業内容を調査できる権限は原則、認められていません。
話聞いた主婦「とても勉強になりました」
 講演で、前川氏が語ったのは中学時代の不登校体験や今、みずからも関わっている夜間中学校の必要性などについてでした。終了後は教員や生徒、さらに住民と一緒に記念撮影するなど、好評だったということです。
 話を聞いた50代の主婦は「夜間中学校について、熱く語られたのが印象残っています。とても勉強になりました」と話していました。また、別の男性は「政治的な話は全くなく、和やかな雰囲気でした」と話していました。
日本教育学会会長「国の行き過ぎた行為」
 日本教育学会の会長で教育行政に詳しい日本大学の広田照幸教授は、「国の地方の教育行政への関わりは、基本的に抑制的であまり口を出さないのが基本だ。学校の教育内容は教育委員会の管轄であり、何より個々の学校が責任を持って行うものだ。それに対し、明確な法律違反の疑いもないまま授業内容にここまで質問するのは明らかに行き過ぎだ」と指摘しています。
 そのうえで、「行政が必要以上に学校をコントロールすることになりかねず、現場は国からの指摘をおそれて萎縮し、窮屈になってしまうのではないか。国があら探しするような調査をかけることは教育の不当な支配にあたると解釈されてもおかしくない」と話しています。
文部科学省「問題ない」
 文部科学省は「前川氏が文部科学省の事務方トップだったことや、天下り問題で辞任したことを踏まえ、講師として公教育の場で発言した内容や経緯を確認する必要があると判断した。正確性を期すために文書での確認を行った。問題があるとは思っていない」と話しています。

 ボクもいちおう、教育行政、教育法が大学の専攻だったし(苦笑)。憲法に二六条の教育を受ける権利が入ったのはなぜか。戦前は教育は全然権利でも何でもなかったわkで、義務教育はまさしくよき臣民になるための義務であった。それが、個人主義を前提にして、一人ひとりの成長・発達を確保するための権利として個々人に認められている権利でとして、国は個々人が成長・発達することを具体的に保障するための条件をつくらなければいけないというのが憲法二六条となったわけだ。だから国は一定介入することが認められるけれども、その成長・発達という教育の営みからくる限界が一定あるということがあって、それが旭川学テ事件の最高裁判決なはず。いまでもその考えは生きているはずであるのに。その原則から逸脱した教育内容への介入が、つみかさなっていって、最後は政治的な判断で露骨に介入しても問題なしというところまでくるということ。それはまさしく、自由との対局ではないのか。いやあ、これは絶対に容認できない。

2018/03/10

公開「教育課程」研究委員会 新学習指導要領の総合的検討 梅原利夫先生 和光大学ご定年記念/新学習指導要領でどうする? 子どもと教育 高校の新しい学習指導要領とは?

29062697_1720509281343143_60834660628872285_1720509324676472_509040138 今日は午前中は、梅原さんの新著の合評会?のような集まり。最終講義には行けなかったから。梅原さんともほんとに長いつきあい。学習指導要領改訂は、3回ほどお仕事をさせてもらったし、この分野への関心をひらいてもらった人でもある。ボク自身、こんどの学習指導要領の歴史性と、その複雑さにいろいろ手を焼いていて、多面的な接近の必要性を感じるけど、梅原教育課程論は、その議論の一つの側面をたしかに照らし出してくれるしなあ。
 議論は刺激的。金馬さんの問題提起もなかなか、おもしろかったよ。金馬さんらしいし(苦笑)。梅原先生の問題意識をいろいろきけたのはよかった。矛盾を主体的につかむことだとか、しばりの構造と構図だとあ、2つの矛盾した面を文章に即してつかむとか、背景の社会構造としての知識基盤社会だとかソサイエティ5・0だとか。
 午後からは、高校の学習指導要領の学習会。梅原さんが全体の特徴、河合さんが歴史総合、桑山さんが公共。なぜ、高校か? とりわけ教科・科目の再編が高校でなぜこうもおこなわれるのか。ボクは、教科はまるっきし知らないから、話を聞きながら、いろいろ確認したり、立ち止まったり。そのなかで、ボクのあたまをよぎるのは、学習指導要領の矛盾と行き詰まりを、どのように変えようとしているのか? そこからどう論点を詰めていくのか。教科を知らないのは弱点だなあ。なかなか議論についていっていない感じで焦る。


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