世界

2012/04/26

OECD提言の2つの面

 OECDが日本再生への提言というものを出している。それがこれ。
 なんというか、OECDってやぱり資本主義の国の経済官僚の集まりって感じだな(ちょっと不正確?)、だけど、基本は、財界、資本主義よりの提言を出してくる。消費税やTPPについてはしっかり、批判しなければいけないなあ。

 だけど、教育などは以外に真面目。

・創造的な能力を育むため、カリキュラムを改善する。
・研修制度、給与体系及び困難を抱える教員のパフォーマンスの改善等の見直しを含め、最も高い能力を有する学生にとって教職をより尊敬に値し、魅力的な職 業とすることによって、教員の質を高める。
・教育の公平性を改善するため、教員、学校および地域のコミュニティが新しい役割を積極的に担うこと、また最も高い能力を有する教員を深刻な問題を抱える学級に配属することによって、教育の意思決定に関する分権化の恩恵を十分に享受する。
・家計の教育費負担を軽減する。
・すべての子どもにできるだけ最良の人生のスタートを切る機会を与えるために、保育所と幼稚園を一体化し、保育所に通う子どもに対する教育機会を促すことなどによって、首尾一貫した幼児教育および保育の枠組みを構築する。
・成人の資質や能力を高めるとともに、学歴を重視した教育から、需要即応型生涯学習に移行する。
・教育関係支出の費用対効果をさらに高める。

 教育の自主性、教員の地位、教育費、幼児教育、学歴重視の是正などなどはその通りだと思う。つまり、標準的な新自由主義教育改革モデルから言っても、日本の新自由主義教育改革というのは異常だってことかなあ。
 医療や介護の改善、格差の是正、男女平等の問題、環境問題など結構おもしろい記述も多い。それが日本の異常を際立たせるのだろうなあ。

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2012/03/01

北朝鮮、ウラン濃縮停止 米と合意「協議継続の間」

 もちろん、これで一直線で事態が好転するとは到底思えないのだけれども、それはそれで注目すべきニュース。

北朝鮮、ウラン濃縮停止 米と合意「協議継続の間」(東京新聞)

 米国務省は二十九日、北朝鮮が寧辺(ニョンビョン)でのウラン濃縮活動のほか、長距離ミサイル発射、核実験の一時停止で合意したと発表した。国務省はまた、北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)査察官の受け入れにも合意したことを明らかにした。 
 米政府は北朝鮮の行動について「依然として深刻な懸念がある」とする一方で、今回の合意は限定的ながら重要で問題解決に向けた進展を示すものであると評価。栄養食品二十四万トンに加え、追加の食糧支援提供に向けて近く北朝鮮側と協議に入る方針を示した。
 北朝鮮の外務省報道官も朝鮮中央通信を通じて合意内容を発表し、核活動停止期間について「米国との協議が行われている間」としている。一時的とはいえ、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議再開の前提条件として日米韓が求めていたウラン濃縮停止が実施されることで、年内にも同協議が開かれる可能性が出てきた。同協議は二〇〇八年十二月以来開かれていない。
 米国と北朝鮮は二月二十三、二十四の両日、北京市内の北朝鮮大使館で高官協議を開催。協議終了直後、米国のデービース北朝鮮担当特別代表は協議内容の詳細を明らかにしなかった。協議内容を本国に持ち帰り、検討を重ねていたとみられる。
 協議の状況について国務省のヌーランド報道官は「北朝鮮は対話の雰囲気を改善し、非核化への意思を示した」と指摘した。
 朝鮮中央通信によると、北朝鮮側は六カ国協議が再開されれば、北朝鮮に対する制裁解除と軽水炉提供問題などが協議されることになるとしている。

 もちろん、北朝鮮の新指導部の動きは注目される。ただ、いずれにしても、北朝鮮の軍事的影響力はすでにかなり小さなものであるからして、だいじなのはアメリカの動き。アメリカの対アジア・太平洋戦略ついていろいろな議論はあるが、もちろん対中国でアメリカは強硬路線をとるつもりはない。あくまでもパートナーとして意識しつつ、軍事的な逸脱があればいつでも牽制できるというスタンスだろうな。むしろ東アジアへは、対話が外交をとおしてのコミットを強めようというのがいまのアメリカの姿勢でだろうと推測できる。すでに、アメリカが自身の軍事で、他国を従わせる力は弱まっているし、そのことが自覚されつつある。だけど、問題があればいつでも力でねじ伏せるという姿勢は失ってはいないのも事実。そういうアメリカの位置をしっかり見ていかないと。ただ、軍事的な対応を優先し、アメリカにもそれを求める=抑止力という名で、日本政府は、このままではアジアのなかでも孤立をしなけない状況にもあるのかもしれない。

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2012/01/31

かすむ「資本主義改革」=欧州危機が影-ダボス会議閉幕

 社会観が変わってきているということでいえば、その典型はこれだろうなあ。

かすむ「資本主義改革」=欧州危機が影-ダボス会議閉幕(時事通信)

 政府首脳や大企業トップらが集いスイス・ダボスで開かれていた世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)が29日、5日間の日程を終え閉幕した。金融危機の後遺症が癒えない中、資本主義の改革が問われたが、欧州債務危機が影を落とし、新たな方向性を描く論議はかすんだ。
 世界経済フォーラム創始者のシュワブ会長は、金融危機が繰り返され、失業や貧富格差が解消しないのは、「時代遅れの資本主義」が背景にあると指摘。雇用や食料、気候変動など幅広い問題に対処する「新たなモデル」構築を呼び掛けた。

 資本主義そのものへの懐疑。それが広がっているのは事実。世界は、その先の社会像を見いだせずにいる。少なくとも今の資本主義に対しては。そういう注目でいろんな議論を、少し調べたいね。いろいろな議論がありそう。日本では、中谷厳さんの新著『資本主義以後の世界~日本は「文明の転換」を主導できるか』は、どうなのかな。ちょっと読む暇ないなあ。だれか教えて。

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2012/01/23

ショック・ドクトリン ―― 惨事便乗型資本主義の正体を暴く ――上・下

Books 長い、長い上下二巻本。何度も中断しながら、読んだ本。これはたしかに現代の古典になりそうな本。この著者、まだまだ若いのにすごいなあ。
 もちろんね、新自由主義が、自由を目指すものでは決してなく、国家権力を最大限活用するなどの議論は、十分されてきたわけで、この本の着想は必ずしも新しいものではない。そして、ショックを活用して、飽くなき資本の利潤追求の姿も、くり返されてきたもの。その手法も、ほんとうに歴史的に練り上げられたもの。しかし、それが、資本主義が、さまざまな行き詰まりを見せてきた70年前後から、露骨に展開される。南米、アジア、東欧、イラク、スリランカ、アメリカ、イスラエル。この本は、そういう現代の歴史を記録したことに意味がある。その生々しさはおどろくほど。それでも、その姿は、考えれば、ほんとうにそうなんだもの!
 だけどね、それは日本でもたぶんくり返されてきたことなのだと思う。それでも、これをくり返そうという資本の姿は眼前にある。くり返される誤魔化し資本主義の姿は、その一側面なんだ!そして、たぶん震災もその契機にしようとする資本がある。
 それとどう対抗するのか。南米の変化、国際機関への異議、何よりも地域の住民が参加した復興こそがその基本だと。もちろん、それだけでは足りないかもしれない。もっと知恵も必要かも。だけど、それはやっぱり基本的な視点だよなあ。

 この資本の姿を議論するって、これまで結構難しかった。だけどね、震災と原発事故を契機に、正面からそのありようを問いかけていくことは大事なのかもしれない。この本を使って、そんな議論をするって、大事かもしれないなあ。

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2011/12/23

エジプトなどアラブの激動を現地で考える -世界の構造変化と歴史的視点-

 今日は、日高教の高校教育研究会。なぜか、アラブ問題の学習会。この委員会の、委員長の浦野先生の高校時代の自主活動の友人が、清水先生。いやあ、おもしろかった。
 アラブの春をどう見るかはいろいろな議論がある。だけど、このアラブの社会と文化に精通した清水さんの話は圧倒的におもしろい。イデオロギー先行でもなく、実態と政治関係の冷静な分析。
 飲み会で、シオニズムの政治論、国家論の話がすごくストンと落ちたなあ。ほんとにとてもおもしろかった。充実した時間。

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2011/12/08

大企業・富裕層への負担はタブー視? 「格差是正 富裕層増税で」‎

 このOECDの提言の報道は、一般紙では、見かけなかった。ネットで検索すると、韓国紙がさかんに報道しているのだけれども。ほんとうに、日本は、大企業や富裕層への増税がいわばタブー視されているのはなぜなんだろうと思う。

格差是正 富裕層増税で 過去30年で差最高 OECDが提言 フランス・イタリア・スペイン 各国で課税強化(しんぶん赤旗)

 経済協力開発機構(OECD)は5日、加盟国での貧富の格差が過去30年間で最高に達したとして、これを是正するために富裕層への増税をすべきだと各国政府に提言しました。
 報告書によると、加盟国全体で上位10%の平均所得は、下位10%の9倍に達しており、伝統的に貧富の格差が小さかったドイツやデンマーク、スウェーデンでも1980年代の5倍から、現在は6倍に広がりました。日本の上位10%の平均所得は下位10%の10倍で、90年代の8倍より広がりました。
 また、OECD加盟国での富裕層が所得全体に占める割合は、80年代から2010年の30年間で上昇。米国では上位1%の富裕層の占める割合が、79年の8%から10年には17%に増大しました。
 報告書は「所得に占める最富裕層の割合の増加は、この集団が、より大きな租税能力を持っていることを示している」と指摘。「富裕層に公正な比率の税を負担させるために、所得再配分における租税の役割を再検討すべきだ」と提言しています。
 OECDのアンヘラ・グリア事務総長は声明で、「格差拡大はけっして必然ではない」と語り、富裕層への増税で格差是正は可能になるとの認識を示しました。

 OECDの東京事務所がだしたレポートはこれ。

 実は財務省財務省までも、諸外国の富裕層に対する課税強化措置に関する資料をまとめている。
 そこにも、欧米の富豪らが「我々に課税を」と主張していることを紹介している。
 たとえばアメリカの著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏は、手記で「超高所得者層への甘やかしの停止」(米紙ニューヨーク・タイムズ8月14日付)を主張。フランスのリリアン・ベタンクール氏(化粧品会社、ロレアル創業者の娘)ら16人の富豪は、週刊誌『ヌーベル・オプセルバトゥール』で、「我々に課税せよ」と嘆願しています。イタリアのルカ・ディ・モンテツェモロ氏(自動車メーカー、フェラーリ社長)は、「高所得者層に要請を行うべきだ」(英紙ガーディアン8月29日付)と述べている。

 グローバル化のなかで、その圧力をどうするのかはいろいろ検討は必要だろうけれども、それでも、国の経済政策が、まず国民の生活の安定、それをてこに経済を活性化するということに向かわない、この日本の議論の狭さはよく考えるべきだと思う。メディアが報道しない以上、ここを正面から運動が粘り強く問いかけていくしかないのだろうけれどもね。

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2011/11/27

ギリシャ 財政破綻への処方箋 ~監査に立ち上がる市民たち~

 11月に放映したNHKのBS世界のドキュメンタリーの、今度のギリシャ経済危機についての特集の1つ。いまでも、HPで、無料で見られるようになっている。

 ギリシャの経済危機の責任をほんとうにギリシャ国民が福祉や国民生活の切り捨てや増税で追わなければならないのか。ボクらは、ずっと貸し手責任という言い方をしてきたけれども、金融資本を先頭にみずからの儲けのために、融資をすすめる。結局、ギリシャの問題も、強い資本主義が、ギリシャを標的に儲けをかすめとるためにしかけたことでもある。そう考えると、なかなかEUとう問題も難しい。いろいろな顔を見せてくれる。だけど、資本の飽くなき利潤追求の顔は同じだ。

 不正融資と徹底的にたたかった南米。新自由主義とのたたかいの姿がそこにある。思えばこれは70年代からのたたかいの歴史である。

 ならば、日本も弱い環であるのか。対外債務がすくないといっても、この不安定は、国民生活を標的にすることにならないとも限らない。というか、そもそも、たたかいの力が弱い日本は、きわめて国民生活を不安手にしてきた。この先にあるものは。言い換えれば、たたかう決意を広げることに、腹をくくらないとということなんだろうなあ。

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2011/11/17

アジア太平洋は「最優先事項」 豪議会でオバマ氏

 これは大事なニュースのようです。

アジア太平洋は「最優先事項」 豪議会でオバマ氏(共同通信)

 オバマ米大統領は17日、オーストラリアの首都キャンベラの同国議会で演説、アジア太平洋地域における米国のプレゼンス(存在感)と任務の拡大を「トッププライオリティー(最優先事項)とするよう国家安全保障チームに指示した」と宣言した。大統領が演説で、ここまで明確な表現でアジア重視の方針を打ち出したのは初めて。
 大統領は、台頭する中国などをにらんで米軍を展開させる一方、環太平洋連携協定(TPP)交渉を推進し、安全保障と経済の両面で「米国はより大きく長期的な役割を担う」と表明。

 アジア太平洋が戦略的重点となる。ニュースからはこれだけしかわかりません。この演説の全文がこれです。3ページ目からありますね。ああ英語。
 実は、「フォーリン・ポリシー」というアメリカの雑誌に、クリントン国務長官が最近、「米国の太平洋の世紀」という論文をよせています。アジア・太平洋戦略がアメリカ政府のなかで、新たな段階?として、位置づけられているようです。ここあたりの文献をどうにかして、読み解かなければいけませんね。

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2011/11/08

米国の貧困者数4900万人に、医療費負担が高齢者追い込む

 これって日本の行く末? いやもうかなり近づいているのか?

米国の貧困者数4900万人に、医療費負担が高齢者追い込む(ロイター)

 米国勢調査局が中心となってまとめた新たな統計で、2010年の国内貧困者数が4900万人に達したことが分かった。貧困率は16%となっている。
 9月発表の公式統計では、貧困者数は4620万人(貧困率15.1%)だったが、より完全な形で貧困の実態を把握するため、広範かつ新たな手法で計算し直したとしている。
 9月の統計に比べて貧困率が最も上昇したのは65歳以上。医療費の自己負担が高齢者を貧困に追い込んでいるとされ、貧困率は公式統計の9%から15.9%になった。
 また今回発表された数字では、白人やアジア系、労働年齢層の貧困率は上昇したが、黒人や子どもの貧困率は低下。黒人の貧困率は25.4%となり、初めてヒスパニック系(28.2%)を下回った。……

 ご承知のようにアメリカは公的保険が制度として完備されていない。高齢者や貧困層には、用意されているとはいえ、それで十分な治療を受けれるわけではない。人の命がここまで、カネで左右されることはないという姿を、かつて、マイケル・ムーアが「シッコ」で明らかにしてくれたわけだけど。それは、高齢化がすすむなかで、いっそう進んでいるようだ。結果、医療負担に耐えられなくなって貧困化するのは、堤美果さんが『貧困大国アメリカⅡ』で描いた、姿か。
 TPPは公的医療をも巻き込む。混合診療がすすめば、いっそう市場化された医療が幅を利かす。医師会をはじめ、医療関係者は断固反対しているが当然だ。こういうことはもっと知られていいのだけど。ちょっと、恐ろしい姿なのだと思うけれども。

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2011/10/14

反格差デモに54%が好意的 米誌調査、「茶会」は27%

 いまのデモについてのとても興味深い調査。

反格差デモに54%が好意的 米誌調査、「茶会」は27%(共同通信)

 米誌タイムは13日、ニューヨークのウォール街周辺で繰り広げられる反格差社会デモ「ウォール街を占拠せよ」に関する世論調査の結果として、米国民の54%がデモを好意的に受け止めていると発表した。
 一方、オバマ大統領の医療保険改革などに反対する保守派運動「ティーパーティー(茶会)」を好意的に見ているとの回答は27%にとどまった。
 デモ参加者が唱える「米国では貧富の格差が拡大し過ぎた」との見方には79%が賛成。しかし、デモが米政治にプラスの影響を与えると考える国民は30%にとどまった。
 調査は成人千人余を対象に9、10の両日に実施された。

 オバマ政権の評価はさておいても、オバマ政権をつくった世論というのは、アメリカの歴史においても1つの画期をなすようなものだという感じがしていた。オバマ政権の実際に対しての失望から、さまざまな流れが生まれ、その反動的なものが「茶会」であったわけだけど、ここにきて、オバマに寄せた期待を、より前進的な方向で主張していこうという流れとして、こういう世論調査にあらわれるような世論の流れになっているのかなあ。

 さて、明日は、東京を占拠せよと、いろいろな取り組みがおこなわれる。
 ちょっと、注目ですね。

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