若者

2017/11/23

漫画 君たちはどう生きるか

61nvqjku6fl_sx351_bo1204203200_ ある意味では、少し不思議な現象でもあろうか。いまから80年も前に書かれた本の漫画版が、大ヒットである。それはなぜなのか?
 ボクがこの本を読んだのは、中学のときか高校のときか? 高校時代には、吉野源三郎の書いたものについて、友人と議論していたのだから、それより前のことだと思う。岩波の編集者の神様みたいな存在としての吉野源三郎は、高校時代にはすでに大きな存在だったのだということ。
 20代に高校生向けの新聞をつくっていたころ、推薦図書にこの本が入っていて、その感想文が出されていたから、そのときにも読んでいる。もっとも、当時の岩波版には、丸山真男の一文も載っていて、それがいろいろ物議をかもしたり。めんどくさい。
 というわけで、何度も読んだ本。とりわけ、「生産関係」のくだりのところは、強烈に覚えているわけでもある。社会的存在としての人間が、人間らしく生きることを探求する。思春期のまぶしいような模索の姿、葛藤したり、失敗したり、等身大の若者としてのコペルくんは、ほんとうにだれにも身近ということなのだろうと思うけど。
 もちろん、時代は変わった。社会的存在といっても、社会は得体のしれないほど複雑化している。個人として、生きることができ、個人であることが強く求められる時代に、社会をどう認識するのかも難しさもある。そのなかで、社会的存在としてのつながり、あり方はどうあるべきなのかの答えも難しい。そんな時代に、この本をどう具体的にうけとめるのか。
 単なるノスタルジーというわけでもないのだろうとは思う。ならば、そこにある普遍性のようなものに、人として、人とともに生きる生き方にやっぱり人はひかれるのだろうか? どんな人が、どのように読んでいるのか、とても知りたいと思うなあ。


2017/11/22

「慰安婦問題」を子どもにどう教えるか

513uy6v5jzl_sx348_bo1204203200_ 読んでいて、背筋がピンとなります。平井先生が、教師として、どのように子どもたちと向き合ってきたのか、その実践の記録。とにかく、熱く、真っ直ぐな、直球勝負の平井先生である。
 「慰安婦問題」をどう教えるかというテーマ設定だけで、足がすくむ。そのくらい現場の教師たちに、右翼勢力が直接的な攻撃をかけ、学校現場がゆれたこの20年だ。だけど、平井さんの情熱で、まわりの先生や、学校もよくがんばったと思うなあ。この20年は、とくかに90年代後半、元「慰安婦」が名乗り出たことによって、「慰安婦」問題が7社の中学校の歴史教科書に載ったことから、右派による激しい教科書攻撃、教育現場への圧力がつよまり、ついに現在では「慰安婦」問題の記述がある教科書は1社、授業で取り組む教師もほとんどいなくなったという20年だ。だけど、平井さんは、韓国で元「慰安婦」に出会い、沖縄で元ひめゆり学徒に教えを請い、自ら歴史の現場に足を運んで獲得した「戦争」の実相と「平和」への思いを教室の子どもたちとともに学びあったのだ。学んだ子どもたちの姿も、さまざまな困難に直面した時に、平井さんの思いも、読んでいて涙が出てくる。悔しさと感動と。そんな20年にわたる実践記録。
 へなちょこのボクの、さまざまな悩みや葛藤を直球でしかってくれ、いろいろなことにチャレンジするときに、背中を押してくれる。行動力あふれ、学びにみちた、平井さんに負けないよう、ボクもがんばらなきゃねえ。


2017/11/09

「子どもの貧困」を問いなおす: 家族・ジェンダーの視点から

51sv1qofpjl_sx350_bo1204203200_ やっと、読み終えました。津富先生は、「この本は切れてる 特に第二部までは目の覚めるよう」と書いていたけど、ほんとうにそう。ものすごく刺激をうけた。湯沢さんの、貧困対策と教育、家庭の位置づけの議論からはじまって、なぜ「子どもの貧困」を問うのか、新自由主義をとうフェミニズムの役割をしてきする藤原さん、どこに貧困があるのかを実証的にあらためて押さえないしおししながら、その対策を提起する阿部さん……。後藤さんたちの議論を踏まえながら、アンデルセンの議論とむすびつけて、家族主義を問いかける蓑輪さんの議論も教えられたし、実際の家族の実相をどう把握するのかという点で、丸山さんや鳥山さんの議論はたくさん教えられた。三部だって、おもしろく、刺激的。DVと貧困の関係をどう考えるかの吉中さんの議論はなるほど。それにつづくジェンダーの議論は、実際にはどんな選択(の困難)があるのかを考える論考や、ケヤに封じ込められるその実態との隣接の問題なども、考えさせられる。そして、この本を送ってくれた杉田さんが、ずっと対象の女性たちと自分との間にあるものにこだわりながら、性的サービス労働へのまさざしを問い、彼女たちの自立を考える姿勢にあらためて頭なさがったのです。ものすごく勉強もしたくなる本だと思います。

2017/10/23

18・19歳、自民に4割傾く 立憲民主は高齢層支持多く

 選挙の結果については、いろいろ考えることも多いし、いろいろ言いたいこともあるけれど、それはひとまず。出口調査の結果で、興味深いことも多い。

18・19歳、自民に4割傾く 立憲民主は高齢層支持多く(日経新聞)

 今回の選挙は2016年施行の改正公職選挙法で選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に下げてから初の衆院選だった。出口調査で18~19歳の有権者にどの政党を支持するか聞くと、39.9%が自民党と答えた。希望の党が10.7%で続いた。若年層の多くが自民を支持する傾向が浮き彫りになった。
 全年代を合わせた政党支持は自民が36.0%と最も高かった。立憲民主党が14.0%、希望が11.8%と続いた。
 男性の39.6%が自民を支持すると答え、女性は32.3%だった。立憲民主は男性の支持率が14.2%、女性は13.7%。希望は女性が12.6%で、10.9%の男性を上回った。公明党と共産党、社民党も女性の支持率のほうが男性より高かった。
 年代別に自民の支持率をみると、20代が40.6%と最高だった。次に70歳以上が40.2%と高く、18~19歳が続いた。40~60代はいずれも30%台前半だった。
 立憲民主は60代の17.8%が支持するなど高齢層の支持率が高かった。最も高かったのは60代。70歳以上が16.7%とそれに次いで高かった。10~30代ではいずれも10%を下回り、高齢層ほど支持を集める傾向が強かった。共産も高齢層のほうが若年層より支持率が高かった。
 希望は60代で支持率が12.8%と最も高かった。ほかの年代でも10~12%と年代による支持率のばらつきが小さい。

 ほかの出口調査でも、だいたい同じ傾向なようだ。さらに言えば、より多数の若者が選挙そのものに行っていないということもあるから、自民党が多数ということでは決してないのだと思うが。
 たしかに、3・11以降、大きく変化した若者も多い。だけど、多いと言っても全体からはまだ少数派なんだろうと思う。多くの若者は、情報弱者に置かれていたり、なかなか政治社会認識を育てきれていないのが実態なのだということも事実なんだろうなあ。もちろんそれは、大人社会全体の反映でもあろうし。いろいろな側面からしっかりみていかなければいけない問題であると思う。

 ほかにもあ改憲をめぐって。

9条自衛隊明記、賛成36%=消費増税は反対多数-出口調査【17衆院選】(時事通信)

 時事通信が22日に行った衆院選出口調査で、憲法9条に自衛隊の存在を明記する改正について賛否を尋ねたところ、賛成が36.2%で反対の30.3%を上回った。ただ、「どちらとも言えない、分からない」も33.3%に上っており、9条改正が世論を二分するテーマであることが改めて浮き彫りとなった。
 9条への自衛隊明記は安倍晋三首相が提案している。支持政党別にみると、自民党支持層は6割弱が賛成した。公明党支持層も賛成(33.0%)が反対(20.5%)を上回ったものの、「どちらとも言えない、分からない」(46.3%)が最も多かった。
 野党支持層では、日本維新の会を除きいずれも反対が賛成を上回った。最も反対が多かったのは共産党の73.4%。次いで立憲民主党(67.7%)、社民党(67.5%)、希望の党(40.1%)の順となった。
 2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げについては、反対が43.3%で、賛成33.9%を上回った。「どちらとも言えない、分からない」は22.6%だった。都道府県別にみると、42都道府県で反対が賛成を上回った。

2017/10/19

私立高生「学費が切実」 全国1万4000人アンケート

 高校生もがんばっている。

私立高生「学費が切実」 全国1万4000人アンケート(東京新聞)

 身近な社会問題について考えようと、高校生のグループが今年六月、全国の私立高校生約一万四千人を対象に、高校・大学の学費などに関するアンケートを実施した。十八歳選挙権の導入後、初めての衆院選を前に、アンケート実行委員会の中心メンバーの一人、大東学園高校(東京都世田谷区)三年の濱中美樹さん(17)は「学費の心配が少しでも減るよう、私たちの声が政治の場に届けばうれしい」と話す。
 グループは毎年五月に「全国高校生サミット」を開いている東京都、愛知県などの私立高校生のメンバー。質問内容を考え、二十八都道府県の私立高百二十六校の協力を得て調査した。
 アンケートでは「切実だと感じる社会問題」(複数回答可)について、36・4%が「大学進学と奨学金」、33・3%が「高校の学費」を選んだ。続いて「少子高齢化」「非正規雇用・長時間労働」「震災・災害復興」「平和と人権」「憲法」「原発」の順に多かった。
 私立高の学費について(同)は、45・4%が「公立・私立間の格差はおかしい」、38・7%が「住んでいる県による負担の差をなくしてほしい」、25・7%が「施設・設備費など含め学費全体を無償にしてほしい」を選んだ。大学の奨学金について(同)は、59・8%が「返済義務のない給付型奨学金を増やしてほしい」、27・1%が「無利子貸与の枠を増やしてほしい」と回答した。
 実行委の高校生は八月、自民、民進、共産、自由、社民各党の国会議員計五人の事務所を訪ねて集計結果を手渡し、私立高通学や大学進学の負担軽減を訴えた。その後衆院が解散し、十八歳が初めて一票を投じる衆院選が実施されることになった。
 「生徒たちの約七割が、親の学費負担を後ろめたく感じていることもアンケートで分かった。私たちの気持ちが表れていると思う」と話す濱中さん。候補者に対しては「高校生の切実な声にもちゃんと耳を傾けてほしい」と注文を付け「選挙権を持ったら、政党や候補者をよく知り、しっかりと投票したい」と意気込んでいる。 
<回答の一部>
私立高校に通うようになり、家庭でどんな影響があったか(抜粋)
・親がアルバイトを始めた
・一家全員で節約し、必要最低限のものしか買わなくなった
・「あんた1人にお金がどれだけかかっていると思っているの」とよく言われる
・親がストレスでイライラしやすくなり、体調を崩しやすくなった
・家族がよくけんかするようになった
・兄弟が進学をあきらめた
・親が妹に「絶対公立に行け!」って言っている
・弟たちに習い事をさせてあげられない
・ローンが払えなくなり、家を売ってアパートに移ることになった
・親が深夜まで働いて、見ているだけで大変そう
・祖父も働き始めた

 午前中、駅で公明党の街頭宣伝に遭遇した。そこでは学費の問題をとりあげ、給付制奨学金を、自分たちの実績として宣伝していた。もちろん、給付制奨学金ができたのは大きな前進だけど、それは大きな運動のひろがりがあったからこそ。しかし、できあがったものの実際は厳しい。なにしろ、今年4月から私立の自宅生約2800人分(月4万円)を対象に先行実施が始まり、来年度から月2万~4万円を約2万人に支給するという計画。これは1学年の学生の人数でみるとわずか「55人に1人」という、極めて“狭き門”にしかならないし、これでとても学費を網羅できるものでもないからだ。残りは大きな借金だと。2人に1人が奨学金を借りなければならないのが現実があり、貸与型を借りた場合、卒業後の返済額は1人平均約300万円に上る。不安定な雇用のもとでは、返済できない人が増える。2万人規模ではとても「本格実施」の名に値しないのだ。本気度がとわれている。
 ちなみに、日本共産党は、(1)大学の授業料を国立も私立も公立も段階的に引き下げ10年間で半減する(2)月額3万円(年間36万円)の給付型奨学金を70万人(学生総数の4人に1人)に支給する制度をまず創設し、規模を拡大する―などの抜本的な改革を提案。税金の集め方と使い方を変え、高等教育予算を経済協力開発機構(OECD)平均並みに引き上げること。憲法が掲げる教育の機会均等にもとづく政治の実現こそ!

2017/10/08

ポピュリズムと「民意」の政治学 : 3・11以後の民主主義

14 はい。感想書きましょうね。少し前に、読んだんだけど。ほんとうに、この数年は、政治が大きく変わる時代だった。その時代に、路上にあった人々とともにあった政治学者の本だもの。新しい事態にどう向き合うのか。それはボクたちの大きな課題だもの。
 ボクは彼を当たりはずれの激しい人と評していた。そもそも、この本だって、題からして論争的。いまの時代の起こっていることをちがやくんは、ポピュリズムという言葉であえて分析する。あえてね。それはそれで、半分は共感する。だけど、ポピュリズムという言葉で分析できるのかは、ボクにはよくわからない。新しいアナキズムとまであえて言ってしまう。そもそものアナキズムとはどういう整合性があるかもよくわからない。いまの政治現象をあえて冒険的に分析するのはかなり冒険的。だから、かなり無理して、やっちゃっているというところも多々ある。だけど、それは、どう分析するのかの過程でもあるのだけど。とにかく現実に向き合うのだ。そういう刺激を与えてくれるのだよなあ。新しい学生の運動の分析は秀逸。


2017/10/05

NHKの31歳女性記者が過労死 残業、月159時間

 うーん。あまりにも悲しい事件。それがくり返され続けているということ。

NHKの31歳女性記者が過労死 残業、月159時間(朝日新聞)

 日本放送協会(NHK)の記者だった女性(当時31)が2013年7月に心不全で死亡したのは過重労働が原因だったとして、14年に渋谷労働基準監督署(東京)が労災を認定していたことが分かった。NHKが4日、発表した。ピーク時の時間外労働は月150時間を超えていた。
 新入社員が過労自殺した広告大手・電通に続いて、公共放送の職員の過労死も発覚したことで、メディア関連企業の長時間労働の是正を求める声がさらに強まりそうだ。
 遺族は今夏以降、女性の過労死を局内全体に周知して再発防止に生かすようNHKに強く求めてきた。女性が労災認定を受けてから3年余り。NHKはこの間、電通の過労自殺事件をはじめ、過労死問題を手厚く報道してきたが、局内で起きた過労死については、遺族から強い要望を受けるまで職員に広く周知していなかった。
 NHKや遺族の説明によると、亡くなったのは、入局9年目だった佐戸未和(さど・みわ)さん。05年3月に一橋大法学部を卒業後、同年4月に記者職としてNHKに入局。鹿児島放送局で5年間勤めた後、10年7月から東京・渋谷の首都圏放送センターで勤務していた。同センターでは、主に東京都政の取材を担当。都庁の記者クラブに所属していた。亡くなる直前は、13年6月の都議選、同7月の参院選の報道にかかわった。参院選の投開票から3日後の7月24日ごろ、都内の自宅でうっ血性心不全を起こして急死した。
 渋谷労基署によると、亡くなる直前の13年6月下旬から7月下旬まで1カ月間の時間外労働(残業)は159時間37分。5月下旬からの1カ月間も146時間57分にのぼった。労基署は都議選と参院選の取材で「深夜に及ぶ業務や十分な休日の確保もできない状況にあった」と認定。「相当の疲労の蓄積、恒常的な睡眠不足の状態であったことが推測される」とした。
 遺族は13年10月に労災を申請し、翌年4月に認められた。遺族が業務用のパソコンや携帯電話の使用履歴などを調べたところ、労基署が認定した残業(6月下旬からの1カ月で約159時間)を上回る長時間労働が判明したという。
 佐戸さんの父は「適切な労務管理が行われず、長時間労働が放置されていた。NHKは未和の死を忘れず、全職員で未和の死を受けとめ、再発防止に力を尽くしてほしい」と話している。
 NHK広報は朝日新聞の取材に対し、「当初は遺族側から公表を望まないとの意向を示されていたので、公表を控えていた。佐戸さんの死をきっかけにした働き方改革を進める上で、外部への公表が必要だと判断した」としている。

 適用されていた事業場外みなし労働時間制というのは、1988年につくられたもの。労働の規制緩和の走りだとも言える。運用するとき、いかに長時間労働を抑えるかという立場には、NHKはたたなかった。むしろ、この抜け穴的法律を悪用することを「是」としたとも言える。それだけに、きちんとした、検証をしてほしい。そうしてこそ、「働き方改革」についての報道ができるのではないのだろうか。

2017/09/02

キャバクラ暴行死 未婚10代母、遠い自立 娘残し無念

 使い捨て……。あまりにも悲しい。

キャバクラ暴行死 未婚10代母、遠い自立 娘残し無念(毎日新聞)

 東京都港区新橋のキャバクラ店で7月、勤務中だった与島稜菜(りょうな)さん(当時19歳)が、店の経営に関与していたとされる伊藤英治郎被告(31)=傷害致死罪で起訴=に顔を踏みつけられるなどの暴行を受け、亡くなった。与島さんは2歳の長女を育てるシングルマザー。自立を模索するさなかだった。
 「ママに会いたい」。骨つぼの前で、まだ死の意味も分からない長女が訴える。両親によると、与島さんは高校1年の時、同級生の子を妊娠して中退。出産後、「自立のために勉強したい」と高卒認定を取り、がんで闘病中の父親(53)と、働く母親(52)に支えられ、長女を保育所に預けて弁当店のパートをしていた。早朝勤務だったため「昼間は子供をみられるのでは」と区役所から指摘された。
 無資格でできる産婦人科の看護助手になったが、「できた命を大切にしたい」と出産を選んだ与島さんには人工妊娠中絶に関連する業務が耐えられず、昨夏退職した。
 中学時代から与島さんの勉強や子育てを支援していたNPOの男性(27)は「根を詰めて働き、親に頼らず自分で何とかしたいという気持ちが強い子だった。子育てを支援していた助産師は、いつも子供最優先で愛情を注ぐ姿を見て看護職を勧めていた」と振り返る。
 昨年10月から「やり直したい」と高校時代の同級生と長女との親子3人で暮らし始めた与島さん。「動物の看護学校に行きたい」と夢を語った。しかし、日々の生活費を巡るけんかが絶えず、生き抜くために見つけた職がキャバクラだった。後から知った両親は長女を引き取り、与島さんにも実家へ帰るよう促したが、次第に連絡が取れなくなった。支援のNPOとも、子育てサロンが閉鎖されてからは疎遠になっていた。
 「これがうちの娘?」。事件後、両親が病院で目にしたのは別人のように何倍にも顔を腫らし、意識不明の重体となった姿だった。顔では判別できず、手の爪を見て「娘の好みのネイルだ」と確認できた。医師の説明では「持って2日」。脳の腫れがひどかった。
 与島さんがいつも身につけていた母親とおそろいの指輪は、ひしゃげていた。目や鼻からの出血が止まらず、母親は「痛かったね。寝たきりでもいいから頑張ってね」と声をかけながら毎日タオルで拭き続けた。願いは届かず、5日後に息を引き取った。
 「これは殺人ではないですか。稜菜は事件前日、『昼間働きたいから辞めたい』と(伊藤被告に)伝えていたそうです。出勤しなければよかったのに。どうしてもっと親を頼らなかったのだろう」。母親の胸にはさまざまな思いが入り乱れる。……

 記事にはこうある。
 「事件後、キャバクラやスナック従業員の労働組合『キャバクラユニオン』が緊急声明を発表。キャバクラの労働環境について『暴力は私たちが常に向き合わされている現実』と訴えた。
 布施えり子共同代表によると、相談してくる女性の大半は、昼間の仕事は非正規で十分稼げないことを理由にキャバクラ勤務を始めるという。すぐに働けて、日払いで給料をもらえる仕事は頼みの綱だ。
 業界に入ってくる女性が増える分、『使い捨て』のリスクは高まっている。給与の未払い、長時間拘束、即日解雇は日常茶飯事だ。店長やオーナーが暴力で支配し、従業員は不当な扱いに抗議できない心理状況に追い込まれやすい。客や経営側の暴力に泣き寝入りするしかないという相談は多い。与島さんも、従業員の男性が暴行される様子を見て出勤できないことがあったという」。

 雇用の流動化と、貧困化のもとで、雇用そのものが崩壊し、この業界そのものも使い捨ての巣窟になる……。そこで、ひっしになって生きている人間にとって、あまりにも悲しい現実の事件。それは、ボクらの生きる世界のすぐ横にあるということも事実なのだと思うのだけど…。

2017/08/10

18・19歳 憲法9条改正「必要」18% 「必要ない」53%

 若者の政治的な健全さと、加憲論の危険性と。これはよくみないといけないなあ。

18・19歳 憲法9条改正「必要」18% 「必要ない」53%(NHKニュース)

 NHKが全国の18歳と19歳を対象に行った世論調査によりますと、戦争放棄などを定めた憲法9条について「改正する必要がある」が18%だったのに対し、「改正する必要はない」が53%でした。
 NHKは、6月21日から先月25日にかけて、全国の18歳と19歳、合わせて1200人を対象に、平和に関する意識を探るための世論調査を郵送で行い、42%にあたる503人から回答を得ました。
 この中で、国会で行われている憲法改正の議論にどの程度関心があるか尋ねたところ、「非常に関心がある」が13%、「ある程度関心がある」が41%、「あまり関心がない」が37%、「まったく関心がない」が8%でした。
 今の憲法を改正するためには、国会が提出した改正案の賛否を、国民投票で決めることになっているのを知っているかどうか聞いたところ、「知っている」が66%、「知らない」が33%でした。
 そして、憲法9条は、1項で戦争を放棄し、2項で戦力を持たないことを決めていますが、9条を改正する必要があると思うか尋ねたところ、「改正する必要がある」が18%、「改正する必要はない」が53%、「どちらともいえない」が28%でした。
 また、安倍総理大臣が提案した、憲法9条の1項と2項を維持したうえで自衛隊の存在を明記するという、憲法改正の具体的な項目について賛否を聞いたところ、「賛成」が34%、「反対」が16%、「どちらともいえない」が50%でした。

 この世代の政治教育や学習の問題について、もう少し突っ込んで考えないといけないなあ。

2017/08/09

自死は、向き合える――遺族を支える、社会で防ぐ

41kuly5srl_sx347_bo1204203200_ 自死を考えたとき、自分の身の置き場は結構難しい。これだけ、生きづらい時代だから、誰もが考えたことがあるように身近だからだろうか。死への恐怖というものも、体は別として、意識のレベルでは、どうなのかというのも難しい。だけど、生きなければいけないという思いは強いよ。
 さて、杉山春さんの新著。世界での連載を加筆したもの。自死した人は、直前まで生きたいと思い、葛藤と揺れのなかにいたというところから。そして、だからこそ、自死とは、追い詰められた、強いられたものであること。しかし、自死には、偏見も差別もあること。いろいろ、考えさせられる。そして、追い詰められ、強いられたものであることから、向き合い方でも大事な点が出てくる。決して、相手を否定せず、ジャッジせず、よく聞き、よりそうということ。そういう一つ一つのまったく別の事態を積み重ねることによって、社会的な課題も見えてくるのだろうなって思うなあ。もっと、そういう意味では、この間のいろいろな知見や研究の成果をしっかり、生かしていかないといけないなあとも、いろいろ考えさせられた。


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