若者

2017/03/17

<防衛大>任官拒否者の卒業式締め出し 詐欺事件が契機

 今後、さらに大きな問題にはなっていくだろうな。こんなことが行われているのか。ちなみに、昨年は47人。かつて最高は91年の94人。さて、今年は?

<防衛大>任官拒否者の卒業式締め出し 詐欺事件が契機(毎日新聞)

 防衛大学校は2014年春から、自衛官にならない任官拒否者の卒業式への参加を認めていない。毎日新聞が情報公開請求で入手した内部資料によると、この「締め出し」のきっかけは、13年に発覚した複数の防大生による詐欺事件だった。19日にある今年の卒業式でも、任官拒否者は排除される。
 防大は第2次安倍政権下の14年春から、首相や防衛相らが出席する卒業式とは別に、任官拒否者を集めて「卒業証書授与式」を開いている。
 防大出身のある幹部自衛官は「任官拒否であろうと同期。なぜ別の卒業式にするのか理解できない。価値観はいろいろ。任官拒否は悪いことではない」と指摘。自衛官OBも「任官拒否し民間で活躍している人は多い。やっかみとしか思えない」と話すなど「締め出し」に首をかしげる。
 卒業式出席の可否を検討した14年2月の内部資料には、「任官拒否者と同等に扱うことにより、任官の意義が薄れる可能性」「任官拒否を是認する雰囲気が残る」とあった。任官拒否の増減は景気動向に左右される傾向があり、将来の幹部自衛官を手放したくない思いがにじむ。
 また、内部資料の中の「想定問答」では、13年に傷害保険金詐取で少なくとも10人の防大生が書類送検された事件があり(全員が起訴猶予処分)、これが卒業式分離の契機だと説明。「防大の根幹を揺るがす大事件で、遠因の一つに防大生としての誇りの欠如がある。これを機に綱紀粛正を図る」とある。
 任官拒否への風当たりは元々強い。防大生の学費は無料で、特別職国家公務員として月10万円ほどの「給与」もある。12年ごろは任官拒否者の学費返納制度の創設が検討されたこともある。……
 内部資料によると、第1次安倍政権当時の07年3月にも任官拒否者の卒業式分離が防大内で検討されていた。この時は「在野で自衛隊の支持者として活躍してもらうためには、彼らの心情にも配慮する必要がある」などとして大学内の全関係部署が反対し、見送られた。だが、第2次安倍政権の14年2月に再検討され、卒業式分離が決まった。安倍政権以外の時期で「締め出し」が検討がされた形跡は内部資料からうかがえない。

 どのような議論がおこなわれているのか。ものすごく気になるところである。

2017/03/13

「奨学金」地獄

11 ここのところ、奨学金に関する新書が相次いで発刊されているが、本書は、とりわけその実態編。何が起こっているかというところから問題を浮き彫りにする。ボクらは、この間、ずっと、奨学金の問題を取り上げ続けてきたけど。だけど、やっぱり、この問題が生み出している歪みの大きさ、規模も質も、がどこれだけのものかということを考えさせられる。ほんとに、それがいまの社会の歪みをもっとも端的に、映し出しているということも言えるわけで。ほんとうに、何とかしなければいけないのだ。

2017/03/11

15歳、故郷への旅 〜福島の子どもたちの一時帰宅〜

 昨日のNスぺ。さすがNHK。

Img_02 原発事故後、福島の若者の間で広まったある行為がある。15歳の誕生日を迎えた記念に、震災以来帰ることのなかった故郷を初めて訪ねるというものだ。安全への配慮から今も避難指示区域への一時帰宅は大人しか認められず、子どもは一切許されていない。許可が下りるボーダーラインとなるのが「15歳」なのだ。その年齢になるのを待ちすでに多くの若者が故郷へと向かってきた。今も時間がとまったままの街。毎日通った学校、馴染みのお菓子屋、友人と遊んだ公園、そして自宅。それぞれの場所に立ち止まって言葉をなくす者もいれば、歩いているうちに自然に涙があふれてきたという者もいる。未曾有の原発事故により尋常ならざる生活を送ることになった彼らにとって、短い故郷への旅は、失われた時間を見つめ、自分が歩んできた道のりを整理しこれからの生き方に思いを馳せる、いわば大人へと成長する旅でもある。
 番組では、故郷を目指す福島の若者たちに密着する。この6年はいったいどんな歳月だったのか。帰郷により、彼らのなかで何が変わり、どう新しい1歩を踏み出してゆくのか。困難を乗り越え懸命に生きてきた福島の10代の姿を通して、人間の普遍的な成長の物語を描く。

 こうした節目があることは、ちょっと冷静に考えれば、わかるのだけど、まったく想像をしていなかった。きちんと、取材を続けているNHKはやはりすごいなあって、そう思う。
 15歳の少女(なぜか、とりあげられていたのは少女のみだった。わからないわけではないが)の大人びた姿。そのくらい、大きな負担を、あの事故・事件は強いたということか。そして、この6年の苦しみや悲しみや葛藤や。そのことをふり返りながら、明日へ向かう旅というわけ。うーん、なんとつらいのだろう。自宅にもどって、ある少女がかつてその道をめざした、ピアノでドビュッシーの「子供の領分」を弾くシーンなんて、もう。
 そういう大きな苦難。だけど、その特別さとともに、そういう生きづらさは、いまの子ども全体と地続きにもあるのかなあなどとも、少し考えたりもした。うむ。

2017/03/08

「親は借金 絶望的」 進学諦める高校生、深刻な実態 沖縄県の調査

 各地で、いろいろ調査がすすんでいる。沖縄は特別な歴史的背景のうえの困難があるからとりわけ重要。

「親は借金 絶望的」 進学諦める高校生、深刻な実態 沖縄県の調査(沖縄タイムス)

 沖縄県内の高校生の約3割が困窮状態にあることが示された県高校生調査。困窮層の高校生の多くが家計のためにアルバイトし、進学も諦めているという深刻な実態が浮き彫りになり、研究チームの識者らは「高校生らしい生活」を守るための対策の必要性を訴えた。
 「貧乏人は大学に行くなとしか受け止められない」「子どもたちが進学するほど、親は借金が増え、絶望的な気持ちになる」-。
 調査の自由記述には、経済的理由で進学を諦める生徒や、子どもの夢を実現させたいと支援を求める保護者らの悲痛な思いがあふれた。研究チームの加藤彰彦沖縄大学名誉教授は「ショックを受けるほど厳しい内容だが、生の声を聞けた」と語り、生徒たちの訴えに積極的に向き合う体制づくりの必要性を強調した。
 自由記述は昨年度の小中学生調査と異なり、公表を前提に実施。これまで表に出てこなかった高校生らの苦しい胸の内が初めて公になった。厳しい経済状況の中で進学を悩む記述の中には「高校卒業と同時に奨学金300万円の借金を背負う。大学なんてとても行けない」などの声もあり、給付型奨学金など具体的な支援を求める訴えもあった。
 保護者からは授業料や医療費の無償化など、支援制度の充実を求める声が多かった。入学金を用意できないため進学させられず「親として情けない」など痛切な叫びが並んだ。
 加藤名誉教授は「高校生にとって調査は受け身ではなく、自身の意見を発表する機会だった」と分析。ただ「先生たちが相談を受け止めてくれない」との悩みや意見も多かったといい、彼らの訴えや要望を聞く機会をつくることも対策の一つとして提言した。
 中には回答内容が学校側にばれないよう念押しした上で内緒にしているバイトの状況を書いた生徒もおり、調査を担った県子ども総合研究所の堀川愛所長は「本音で向き合うことが厳しい状況がある」と掘り起こしの難しさも指摘した。
経済格差が学業に影 研究者ら切々と訴え
 6日、沖縄県庁で3時間にわたった「高校生調査」の記者発表。膨大な調査結果を分析した学識者は、高校生の学生生活や進路に「経済的格差」が影を落としている実態を切々と訴えた。
 大学進学率が全国ワーストの沖縄県。調査結果から「進学か就職かの選択に明確な格差がある」と導き出したのは名寄市立大の山野良一教授。困窮層の高校生が大学などに進学しない理由で「費用の心配」に並びトップだった学力や勉学意欲の低さにも「経済状況が影響している可能性がある」と分析。加えて「きょうだいの進学」「親や家族の面倒を見なければならない」高校生が2~3割いることも「大きな意味を持つ」と訴えた。
 一方、子どもと大人の「境界」に立つ高校生が、困窮層で家計の担い手となっていることも浮き彫りになった。立教大の湯澤直美教授は「高校生としての学生生活をどう保障するかが問題だ」と警鐘を鳴らす。自身が15歳のとき経済的に大変苦しい暮らしをした保護者の約62%が、高校生の子どもがいる現在も苦しい生活をしていると答えており、親から子への“貧困の連鎖”の可能性も「ないとはいえない」とした。
 「子どもの背景には家族がいる。問題の本質は、親も含めて非常に貧困な状況にあるということだ」。沖縄大の加藤彰彦名誉教授はこう強調し、延長線上にある県全体の労働問題にメスを入れる必要性を提言した。

 これが調査の中間報告なんだけど。
 大阪の調査、東京の調査。それぞれかなり貴重なものだったが、これはほんとうにていねいにみなければならない。そうとう重要な問題がうきぼりになっているわけで。問題はそれを政治の側にどう反映させるのかということになるのだろうけれどなあ。

2017/03/06

生きづらさに抗して、ともに生きる社会をつくる

17016976_1348371805223561_82762112420170304_13463020170304_165226 土曜日は、駒沢でおこなわれていた全国若者・ひきこもり協同実践交流会に行ってきた。かつて東京でひらかれたのが、もう10年ほど前。そのときにも行ったかな。たぶん、三鷹のほうでおこなわれたと思うけど。あれから10年、この運動をとりまく状況は多きくかわった。マイナーのなかの本流とでも言えばいいのか。あいかわらずの不安定さと、そのなかで社会的な位置をしっかり固めてきたわけでもあるのだけど。そこで積み重ねられてきた、実践た支える哲学の確かさと、でもやっぱり不安定で。支援者のほうも、若いから、参加者も若い。シンポを聞いてそんなことを感じたあと、分科会。世田谷区長の話は、そうだなあ、若いころこの人の本も読んだよなあなどと思いながら、なるほどという世田谷の取り組みには注目してみたいとは思った。そして、宮本さんがこの10数年をふり返る。ボクもこの分野に注目し、いろいろかかわりたいなあと思ったけど、なかなかそれはできなかったわけで。結局、十分に追い来れていないということも感じながら、ほんとうは2日とも参加したかったのだけど、それもなかなかかなわず、である。


2017/03/02

ある看護専門学校で

 今日は、午前中、ある専門学校の、地域フィールドという、学生たちがフォールドワークをして学んだことの発表の会に行ってきた。ちょっとだけお手伝いをしたこともあって。食料、町工場、アスベスト、雇用と社会保障、原発、平和、教育などのグループにわかれ、それぞれ7人ぐらい。何カ所かに出かけ、話を聞き、いろいろしらべて、討論しながら180ページにおよぶレポートにしあげる。それぞれ学びに行く場所も講師も文献も工夫されている。先生たちがしっかり考えて、そして学生たちも必死でがんばって。報告には圧倒されました! こういう学びが、若いころにちゃんとできるっていうのはすごくいいなあ。現場にでて、さまざまな問題に直面した時に、きっと、支えになる、そのきっかけになる学びなんだと思うなあ。とってもいい経験ができました。

2017/02/25

「生活困難」家庭2割 都調査

「生活困難」家庭2割 都調査(NHKニュース)

 家庭の経済的な困窮が子どもの生活にどのような影響を与えているかを把握する東京都の調査結果がまとまり、親の年収だけでなく、食生活や学習環境などから「生活困難」にあたるとする家庭が、全体のおよそ20%に上ることがわかりました。
 東京都は去年8月から9月にかけて、墨田区、豊島区、調布市、日野市に住む小学5年生、中学2年生、高校2年生の子どもがいる家庭、およそ2万世帯を対象に調査を行い、このうち42%から回答を得ました。
調査では家庭の経済的な困窮について、世帯年収のほか、過去1年で水道や電気など公共料金が支払えなかった経験があったり、子どもを家族旅行や学習塾に行かせることができなかったりした場合は「生活困難層」と定義し、結果をまとめました。
 それによりますと、全体のおよそ20%が「生活困難層」にあたることがわかり、小学5年生がいる家庭では20.5%、中学2年生がいる家庭では21.6%、高校2年生にあたる16歳から17歳がいる家庭では24.0%に上りました。
 また「生活困難層」のうち、特に度合いが高い世帯を「困窮層」と定義し、こどもの食生活や学習環境、それに放課後や休日の過ごし方などに影響がみられるとしています。
 具体的には1日の食事の回数について「2食がほぼ毎日」と回答した高校生は「困窮層」で21.9%で、「一般層」に比べて10ポイント余り高くなっています。
また「欲しいが持っていないもの」を小学生に尋ねたところ、自宅で宿題できる場所と回答したのは「困窮層」で1 1.9%で、「一般層」より9ポイント余り高くなっています。
 このほか、経済的な理由でキャンプや海水浴などを体験させることができないと答えた保護者の割合が、「困窮層」では20%台後半から40%台半ばだったのに対し、「一般層」は1%未満と大きな開きが見られました。
結果について、調査を行った首都大学東京の子ども・若者貧困研究センターの阿部彩センター長は「困窮層の子どもは生活のあらゆる面で不利な状況に置かれていることが浮き彫りになった。貧困の連鎖を防ぐためにも子どもだけでなく保護者も含めた早期の支援が求められる」と話しています。

 調査では、子どもたちが自分自身や将来をどのように感じているか、「自己肯定感」についても尋ねています。年齢別にみますと、小学2年生と中学2年生では「困窮層」と「一般層」で大きな差はありませんでしたが、高校2年生では自分を否定的に捉える割合が「困窮層」で高くなっています。
 例えば、「自分は価値のある人間だと思うか」と尋ねたことろ、「そう思わない」と否定した割合は「一般層」では7.6%だったのに対し、「困窮層」では13.1%でした。
 このほか、保護者の健康や精神状態についても尋ねていて、「困窮層」では肉体的・精神的に負担を感じている割合が高いことがわかりました。
 このうち健康状態を尋ねたところ「あまりよくない」「よくない」と回答した割合は「困窮層」の保護者で20%前後に上り、「一般層」の5%前後を大きく上回っています。
 また、「困窮層」では60%前後の保護者が「心理的なストレスを感じている」と回答し、20%前後の保護者がより深刻な状態にあることがわかりました。……

 子どもの貧困対策法ができて、こうした調査が広がっていることはいいことだけど。
 調査そのものは、ここ。
 しかし、現実には、市民的な取り組みや、自治体による取り組みへの財政支援や、生活サポートにかぎられているわけだし。その取り組みすら一番必要な人にはなかなかとどいていない。より根本的な対策のためには何が必要か。そのためにはどんな議論が必要か、などについてもっとつっこんで考えないとなあ。

「保育園落ちた」3人に1人、JNN調査

 籠城していたからねえ。結構、きつい日々ですけど。

「保育園落ちた」3人に1人、JNN調査(TBSニュース)

 「保育園落ちた日本死ね」から1年、待機児童問題の深刻な状況が続いています。関東の激戦区では今年4月の入園を希望した人のうち3人に1人が「保育園に落ちた」ことが分かりました。
 JNNは、関東1都3県の保育所不足が深刻な自治体を対象に認可保育所への申し込み状況などを独自に集計しました。
 その結果、今年4月の入園へ向けた1次募集の申込者数は、23日までに回答があった28の自治体すべてで去年を上回りました。申込者の合計は10万1259人で、去年から7421人、およそ8%増加しています。自治体別で増加率が特に高かったのは、東京・中央区や目黒区、千葉県・市川市や千葉市などでした。
 一方、募集の結果について回答があった22の自治体では、申込者8万5282人に対して、入園が内定した児童は5万6746人にとどまりました。内定率は66パーセントで、実に3人に1人が「保育園に落ちた」ことになります。
 内定率が最も低かった江戸川区では、申込者2962人に対して内定は1370人と46パーセントで、最も高かった葛飾区でも78パーセントでした。
 各自治体で受け皿の整備が進む一方、申込者の増加に追いつかず、都市部では依然、保育所不足が続いています。

 すごい数字だなあ。昨日は、保護者や保育士ら約200人が参院議員会館に集まり、声を上げた。「保育所ふやして! 保育士ふやして! 安心・安全な保育は国の責任で 国会大行動」(よりよい保育を!実行委員会主催)と「保育園!!!私たち声を上げます!2017」アクションという取り組み。
 何度も言うけど、これは基本的に政治が責任をはたすのかどうかという問題だと思う。一義的に、国や地方行政が責任をはたしすという姿勢にたつように、政治が責任をはたすべき。これだけの数の保育園に入れない人が生じるのはなぜなのか、そのことももっとていねいに明らかにする必要があるのだろうなあ。あまりにもものすごい数。そして、そこには、ほんとうに親や子どもの困難というものがあるのだからなあ。

2017/02/20

孤立する学生を包み込む「大学の保健室」

 yahooニュースに秋山さんの記事が!

孤立する学生を包み込む「大学の保健室」(yahooニュース)

 学校の保健室を訪れることなく大人になった人はまずいないだろう。「保健室の先生」と呼ばれる養護教諭が「どうしたの?」と出迎え、心身両面の不調を受け止めてくれる。子どもたちの「駆け込み寺」となる保健室の設置は、一般的には高校までだ。しかし、「大学の保健室」を開設して10年になる短大がある。見えてくるのは、苦しさを抱えて孤立し、力尽きかねない若者たちの姿だった。……

 大学の保健室の富山先生は、彼女が義務制の現場にいたころから、いろいろ企画の相談にのっていただいた。大学に移ってからも、講演をお聞きしたことがある。学生の貧困や孤立などの困難のもとで、なるほどなあと思う。なかなか重要な実践を貫いている。いまだ、現役としてがんばっておられるのには頭が下がる。

 大学そのものでいえば、いまは多くのところで、学生支援センターとかがつくられている。相方のところは、健康保健センターだ。ここに、看護師さんや、校医だけでなく、カウンセラーや障害児教育、ケースワークなどを担当している教員もかかわる。総合的にやっているところもあれば、かなり分野別に並列してやっているところもある。総合的に支援するのがいちばんいいだそうし、そのための支援会議的なシステムをつくるほうが、機動的に支援できるだろうけれども。大学によっては形式的になっているようなところもあるのだろうけれど。いずれにしろ、現状に即して、いろいろな専門家がかかわれるようなシステムをきちんとつくっていけれればいいのだけどなあ。

2017/02/19

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

511uu24rjjl_sx337_bo1204203200_ 上間さんのはじめての単著。読み通すのが苦しかった。それぐらい当事者によりそった本。レイプやDV、暴力が支配する沖縄の夜の街で生き延びた少女たちの物語だ。もうボクには言葉がない。だけど、この本がすごいのは、その少女たちに寄り添うだけではなく、その少女たちの選択と、少女たちの生きざまへのなんというか、とてつもない信頼なのだ。彼女たちはそうして生きてきて、そうして生きていく。彼女たちは決して保護される対象ではない。支援ということの難しさと、そして研究と支援との距離感の難しさ。そういうものを含めて、突っ込んていった本。ボクも花街の出身だ。だぶん、著者そのものがいろいろな思いをないまぜに生きてきたんだろうなあ。ほかに評価を求め、だけどここに帰るしかないという複雑な思い…。いろいろ難しいことをいろいろ感がえる。いずれにしろ参りました。
 実は、上間さんのこうした仕事をどう見ているのか、高里さんに聞いてみたことがある。『セクシャリティ』でいっしょに登場していたから、上間さんの仕事を全部知らなくても、少しは読んだことがるだろうと思って。高里さんは、「甘いって」、きびしかった。それはそうなんだ。沖縄のこうした貧困、そして暴力の背景には、沖縄戦と戦後の米軍統治がある。花街ができた経過からもそうだ。だから、この本の登場人物も、もっと突っ込めば必ずそういう背景があるにちがいないから。だけど、同時に、その彼女の目線の先に米軍基地があるわけではない。ならば、まずその目線の先にあることからはじめ、聞き取らないといけないのだから。そんなことも考えた。
 沖縄に、上間さんに会いに行きたくなった。

より以前の記事一覧

無料ブログはココログ
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31