「済州島四・三事件 ハラン」
今日もゲラを動かしたり、ゲラを読んだり、出張校正直前の作業をすすめる。なかなか、面倒な作業が続きます。メールのやり取りも年を取ると、結構、しんどいところがあります。気持ちをしっかりもたないといけないんですよねえ。
「済州島四・三事件 ハラン」を見た。ボクは大阪出身だから、チェジュのこの事件は、とても関心を持ってきたし、金時鐘や金石範の著作も読んできた。10年以上前には「チスル」という映画を見た。タルオルムの「風の声」も見た。そして、この地を一度だけ訪れた。この地には友人もいる。
圧倒的な国家の暴力は、すさまじく、すべてのものをおしつぶしていく。その苦しみや悲しみ、行き場のない思いにほんとうに押しつぶされそうになるような物語。そしてそれは、過去、現在、未来と、ボクらとは決して無関係というわけではないのだ。
映画の評価、とりわけ、方法については議論はあるかもしれない。監督は共感ということをモチーフに、親子の逃避行の話として仕上げている。大きな事件をあくまでの、親子の視点から描く。親子っていっても、当時は、家父長制の影響を色濃く残していただろうし、そうとういろいろな親子があったはず。そういう意味では、親子の描き方はあくまでの一つの親子。大きな事件は、もう少し俯瞰的に描くほうがという意見もなりたつだろうし。ただ、個人的には、子が、うちの孫②と、姿形がよく似ていて、この親子に感情移入しっぱなし。
4・3事件とは、1948年、アメリカ軍が南朝鮮での単独選挙を決定すると、南北統一を願う左派の済州島民が反発し、4月3日に武装蜂起。国防警備隊や警察、極右集団により長期間にわたり島民が弾圧され、1954年9月までに30,000人近くが犠牲になったとされる。政府の反共路線の中で長らく真相が伏せられていたが、2000年、真相究明と犠牲者の名誉回復がなされることとなった。しかし、いまだに事件の中核をになった(英雄にはなれなかった)共産主義者たちの名誉回復はなされていない。
戦争の時代、国家による暴力が荒れ狂ういまの時代だから、自身の過去、現在、未来につながるものとしてしっかり考えたい。
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