『自由光州 —1980年 5月—』『はじけ鳳仙花 —わが筑豊 わが朝鮮—』と「太陽の運命」
朝は少し早く起きて、シンポジウム①の原稿整理。だけど、午前中から中野へ。
画家富山妙子と2本のドキュメンタリー映画『自由光州 —1980年 5月—』『はじけ鳳仙花 —わが筑豊 わが朝鮮—』を見る。
富山妙子さんを意識するようになったのは、やっぱりFB友だちの真鍋さんの影響だろうなあ。前者は、光州抗争そのもので、昨日の映画がそのままニュース映像と、富山さんの作品で削減される。後者は富山さんが、朝鮮時強制動員、徴用工などの問題にどう向き合ってきたのかをつづる。鳳仙花は文字通り、独立への民族の思いを表現したもの。富山さんの生々しい表現は、ものすごい迫力での問いかけになっている。原点というか、根源から原則的に問いかけることの大事さ……。
すぐに、渋谷の移動。渋谷は、ほんとに大きく変貌し、しかも、すごい人。
「太陽の運命」を見る。
沖縄本土復帰後の第4代知事・大田昌秀(任期1990~98年)と第7代知事・翁長雄志(任期2014~18年)は、政治的立場は正反対でありながらも、ともに県民から幅広い支持を集め、保革にとらわれず県政を運営した。大田は1995年に軍用地強制使用の代理署名拒否、翁長は2015年に辺野古埋め立て承認の取り消しを巡って国と法廷で争い、民主主義や地方自治のあり方、そして国の矛盾を浮き彫りにした。
彼らの人生に関わった多くの人々の証言を交えながら、その人間的な魅力にも光を当て、それぞれの信念に生きた2人の不屈の闘いを描きだす。タイトルの「ティダ」は沖縄の方言で太陽の意味で、古くは首長=リーダーを表した言葉。
最初に不満を言っておけば、太田さんと翁長さんとの違いにある、日米同盟の変貌は、さらっとしかふえられていないこと。太田のモヤモヤと、翁長のきっぱりした姿勢との差の大きな背景は明らかにそこになるのだけど。あと、佐古さん、島田知事の映画は、ちょっとありえないけど、歴史系編集者としては。
だけど、太田の葛藤から、翁長の変貌へ、彼らが何を考えてきたのかは痛いほどよくわかる。ボクも同時代的に、とりわけ翁長とは同時代的に、生き、沖縄の問題にかかわってきただけに、彼の強い思い、覚悟ともいえるものに至る経過はいたいほどわかる。それはいろいろいわれるが、デニーに受け継がれている。その思いについて、土着のわきがあるものという表現を、映画で琉球大学名誉教授は使っていたけれども、赤嶺政賢流に言えば、オール沖縄は地下水脈でつながっている。
なんだかんだ言っても、ボクらの世代の仕事は、次の世代に何をつないでいくのかということ。そのときには覚悟をもって、やらなければいけないことがあるのだということも、確かなのだと思う。
映画のあとは、ずっと耐えたかった、サムギョプサルとマッコリを堪能。
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