「砂漠の英雄と百年の悲劇」
今日もいい天気。
今日は、朝からインタビュー①の起こし・原稿づくり作業。とにかくもうスピードでやらないと。今月のいろいろ原稿の着地の段取りをつけ、〆切をのばすものはのばしたり。会議と実務もあり、あわただしく時間がすぎていく。
いろいろ、うまくこなせていない。悩んだりするのも、傷ついたりするのも結局、どんどんこぼれていくのだろうと。それでも、できること、やるべきことをよく考えて、やっていくしかないのだろうけど……。
今朝の新聞を読みながら、清末さんの訴えに心をかきむしられる。「軍事封鎖の中で逃げ場がない。無差別攻撃を受けている」「ガザ地区の人口の40%が子ども。子どもがどんどん殺されている」……。想像を超えるような、深刻な事態がすすんでいる。もっと、人道を基礎に置いた議論がすすめられるべきだ。
昨日は、映像の世紀 バタフライエフェクトを見た。「砂漠の英雄と百年の悲劇」
古来パレスチナは、アラブ人とユダヤ人が共存して暮らす場所だった。そこに対立の火種を持ち込んだのは、イギリスだった。両民族に独立国家建設を約束したのだ。イギリスの情報将校ロレンスは、第一次世界大戦中にオスマン帝国に潜入、アラブ民族独立をあおり、オスマン帝国打倒をもちかけた。しかし一方でイギリスはユダヤ人にも同じ約束をしていた。百年前のひとりの英雄の裏切りから始まる、憎しみの連鎖の物語である。
この問題の根源には、ヨーロッパにおけるユダヤ人排撃と、そして中東でのヨーロッパによる植民地支配があることははっきりしている。つまり中東の問題というより、ヨーロッパ・アメリカの問題であり、日本の問題でもある。それらの国はまずその責任をはたすべきだ。番組は、その歴史についてはよくわかる内容になっていて、よくできた映像資料だけれど、それでも、ユダヤ人の直面した困難に比して、パレスチナのそれは深め方がよわいように思える。イスラエルによる暴力よりも、パレスチナのテロによる抵抗が印象に残り、やはり、フェアではないようにも思える。それは番組というよりも、社会での認識がいまだにそういうことなのだろうと思う。全体としては、大事なことを言っている。ロレンスの後悔と苦悩は、胸に迫る。バンクシーをはじめとした美術家たちのとりくみは希望か? ならば政治はどうなのだろうか……。
歴史もうそうだけど、同時に、イスラエル/パレスチナの議論の流れと到達点、そして、いまの入り組んだこの地域をめぐる政治の状況をどう考えるのか、だな。
事態は、ほんとうに深刻な方向に向かっている。今まで直面したことのない危険かもしれない。何とか企画をとは思うが、なかなか難しい。いろいろなものを読んでいる最中。なにができるだろうか?
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