「老いてなお花となる」
工場籠城終了。今月もまた疲れました。加齢によって、疲労度は、ますます強くなります。もっと、軽やかに動ければいいのになあ。
今月のゲラを読みながら、ボクは、西欧の歴史をよく知らないが、アジアの歴史もほんとうに知らないなあと痛感。そこには、よく学ぶべきもの、汲み尽くすべきものが、どろどろとしたよどみの中にも存在するわけで、やっぱり、学ばないといけないなあお痛感。
いまの時代は、生活が孤化して、切実なものが多様となる。とりわけ、社会保障だとか、医療とか、介護とか、保育とか、教育とか。新自由主義が席巻するこの時代。なおさらその削減の様相は、個々のあらわれがちがうわけで、そこをしっかり具体的につかむ作業も重要だなと、そこから、普遍的なものも見えてくるということも言えるかなあ。
籠城をあけて、家に帰って食事をして、テレビを見ると、NHKで、「老いてなお花となる最終章 俳優・織本順吉 父と娘 最後の記録」をやっていた。どうも、この「老いてなお花となる」の三作品を一挙、再放送していたようだ。その最終章だけを見た。
俳優・織本順吉の晩年を娘・結美の視点で描き、反響を呼んだ「老いてなお花となる」第一章、ニ章。しかしそれは序章に過ぎなかった。その後も結美は撮影を続け、織本が亡くなるまでを記録した。「なぜ父は、惨めな姿をさらしてまでカメラを回させたのか?」5年の記録から浮かび上がってきたのは、家庭を顧みず生きてきた父と、尊敬しながらも許せない思いを抱えてきた娘の格闘劇だった。病床で娘に語った最後の言葉が、胸を打つ。
老いというものを考える。はたして、ここまで赤裸々に生きれるものなのかなあ。苦しみながら、俳優として、生きる姿をさらし続ける、織本さんの生きざまは、胸をうつというか、迫力も伝わる。それをとり続ける娘もまた、すごい人だなあ。老いをどう生きるのか。自信ないなあ、だけど、しっかりしかくっちゃと。
いろいろある。Aという問題がある、そのときにBという問題がおこる。多くの人はBという問題をAにむすびつけて考えているときに、Bという問題についてだけ説明しても共感はえられないし、かみ合わない。むしろ、Bという問題は、Cという問題にかかわりがある。Cという問題がどんどんすすんでいく。語るべきことはいっぱいある。
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