『特別支援学校寄宿舎のまどから』
今日は、いろいろたまった実務スタート! 結構、たまっている(苦笑)。しかし、ぼやっとしていると、あっという間に時間がたってしまうのもこまったもの。なかなか仕事がすすまない。こまったもの。会議もあったし。昨日は心配事もあって、よく眠れなかったので、今日は一日体がだるい。
さて、今日は相方の本の感想。
自らの実践をふり返りながら、「1章 子ども編 子どもの育ちをまるごと支える生活・居場所と仲間づくり」「2章 家族編 親の願い・家族の努力、葛藤・孤立からつながりを紡ぐ」「3章 指導員編 子どもの発達と生活を支える寄宿舎指導員の仕事・専門性とは?」と筆を進める。紹介されているエピソードは折りにふれ、聞いていたり読んだりしていたけれど、仲間とともに、生活する居場所の力は、子どもの力を引き出す、その姿は、感動的。一方で、親の思いは切ない。「障害児を生んだのは私の責任」と、献身的にケアを担うお母さんたちの姿と孤立には、ほんとうに、痛みを感じる。そこにはどこまでの家族に依存する日本の福祉の問題があり、同時に、編集者も言うように、現在のジェンダー問題にも通じる日本社会全体が問われる問題もある。だからこそ、模索し、支え手となろうとする指導員の姿がある。そうした、社会の状況を、現場から大学へと、場所を変えての研究によって裏打ちしている。あまり知られておらず、いろいろ説明も必要な障害児の、そして寄宿舎の世界を、キーワードだとかをおりまぜて、ていねいに編集している。本文は、余計なものをそぎ落として、まとめあげているので、筆者の言いたいことが、ストレートに伝わってくる。そこにある、子どもの力と、親の思いに寄り添い、ともに歩もうとする思いであり、そして、だからこそ、社会的な支援をなんとしてもという強い使命感でもある。特別支援教育ということが叫ばれて久しい。しかし、どれだけ、障害児教育は、前進したのだろうか? 親に依存した構造はかわらず、現場の働き手の善意によって支えられている構造もかわらない。それどころか、子どもの成長と生活の場として機能してきた寄宿舎がつぶされている。その現実に、あがない、向き合おうとする筆者の強い思いが伝わる。ぜひぜひ、たくさんの人に読んでほしいと、身内としても強く願う。
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