衆議院憲法審査会での「とりまとめ」(3月3日)に関する憲法研究者有志声明
今日は、年に一度の、恒例の靖国へ。
開花宣言もまもなくです。さえさて、今日は若い人からエネルギーをもらう日。でも、その分、自分の年齢を感じますねえ。どうしたらいいんでしょう(どうにもならないですね)。
原稿が3本届いています。うち1本と、インタビュー①の修正が帰ってきたのでその提稿作業もすすめる。いよいよ佳境に入ってきますねえ。
今日は憲法学者の声明が出されている。
1つは、これ。
衆議院憲法審査会での「とりまとめ」(3月3日)に関する憲法研究者有志声明
1.今回のオンライン出席に関する憲法論議は極めて拙速で不十分なものである
2022年3月3日、衆議院憲法審査会では「憲法第56条第1項の『出席』の概念について(案)」(以下、「とりまとめ」と言う。)が多数決で採択された。だが、憲法審査会での議論は極めて拙速で不十分なものであった。
今回の憲法審査会の進め方をめぐっては、異例な対応が続いて、野党から問題視する声も上がった。①新年度当初予算案を予算委員会で審議中は憲法審査会を開催しないのが近年の慣例だったが、審議中の2月10日から今回の審査会は開催された。しかも、②そのなかで、わずか1カ月足らずの間に、自由討議の中からオンライン国会の憲法上の論点を抽出し、集中討議-参考人陳述・質疑-総括的討議とたたみかけ、議論を深めることもなく、会長から報告案として提示された「とりまとめ案」を多数決で採択するという今回の手順は、拙速かつ強引であり、これまでの審議のあり方からは大きく逸脱するものであった。
私たち憲法研究者は、これほど手順無視で拙速・不十分な議論で憲法解釈の「とりまとめ」が出されること自体、「国の最高法規」である「憲法」が軽く扱われていることを示すものと憂慮する。憲法56条1項の「出席」に係る憲法解釈についても、「国権の最高機関」(憲法41条)、「国民代表」(憲法43条)、「立憲主義」の視点からも丁寧かつ慎重な議論を重ねていくべきであった。すでにオンライン議会(委員会も含む)が実施されている自治体や国も存在することから、こうした自治体や国の実際の運用はどうか、その長所・短所等を踏まえた上での綿密な議論も必要であった。私たち憲法研究者はこうした不十分な議論のとりまとめに強く抗議するとともに、今回の憲法審査会が「悪しき先例」として決して繰り返されることのないように強く要望する。……
芦部憲法をついだ東大(名誉教授)の高橋さんが、厳しく批判した解釈を多数で報告として強行したというもの。やりかたも内容も異様なもの。
どうも憲法審査会の動きが怪しいきょうこのごろ。もともと、維新が審査会で突出していたが、その動きに国民が合流する。うーん、ちょっと重いなあ。それでも、国民は9条改憲には行かないからねえ。
今日は、夜には、憲法ネット103の「野党の改憲案公開勉強会第1回」があって、その国民民主の改憲案についての検討があった。その国民民主の論点整理がこれ。
維新や与党の改憲動向に呼応して、無理やり改憲のテーマを探しているという感じのものと、緊急事態条項とか、憲法裁判所とか危険だなあと思えるものも同居している感じで、これからもちょっと注目が必要。とくに国民は予算にも賛成したから、ちょっと難しい位置にあるけど、同時に、自民党の最大の狙いである9条改憲に阻止のためには、いまの議席のもとでは、国民もがんばってところもあるしなあ。いろいろなことを考えながら、憲法審査会の動きだとか、政党の憲法についての議論を注視していかないとなあ。
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