(論壇時評)人権感覚と社会 「内向きニッポン」が生む弊害 東京大学大学院教授・林香里
工場籠城明け、気分を変えて次に向かいます。2月は日にちが短いです。そもそも、執筆者の層が薄くなっているので(幅広くなっているにしても、それ以上に)、インタビューにしても、座談会にしても、設定はかつてよりも、段々と難しくなってきています。そのため、早く作業をしなくっちゃと、まわりをせかせて、準備にかかる。まあ、思うようにが順調にはすすみません。思い通りにもなりませんねえ、いろいろと。いろきろ気にしていると、夕方、ほかのことで大ポカをしてしまったり……。修行が足りませんねえ。とにかく座談会①の設定に全力。あとは、実務もしあげる。
今日はお待ちかねの、林さんの論壇時評の日。
(論壇時評)人権感覚と社会 「内向きニッポン」が生む弊害 東京大学大学院教授・林香里(朝日新聞)
オミクロン株拡大で外国籍の人たちに新規入国を認めない日本政府の政策に異論の声が高まっている。今月18日には入国拒否されている留学生らが「非科学的な措置」として世界各国同時の抗議運動を開始。米国研究者たちが「日本の国益を毀損(きそん)している」と岸田文雄首相に嘆願書も提出した。〈1〉は、世界保健機関(WHO)が入国規制措置の緩和を各国に勧告する中、日本の特異な対応を指摘する。国際政治学者の岩間陽子も〈2〉で、長きにわたって人の往来が途絶え、留学生も足止めされたほぼ「鎖国状態」を嘆く。経済も国家も循環してこそ成長し発展するのに、日本政府は社会の「血流を止めているようなもの」と政府と現在の日本社会の停滞を批判する。……
最近も、岡山市の建設会社で働いていたベトナム人技能実習生が、2年間にわたり職場で日本人から暴行を受けていたという事件が報道されていた。こういった事態がなかなか解決しないのは、それを防止する法的な制度がないのと、救済する独立機関がないことが大きいのだと思うが、総じて政治は後ろ向きだ。ほんとうに「内向き」というのはその通りだと思う。真鍋かおりさんが「定期的に実習生がひどい目に遭ったというニュースが出てきますけど、そのたびになかなか私たちもどこか自分事として受け止めてなかったっていう部分はあって、やっぱりそうやって日本人が声を上げないと政治も動いていかない」と発言していたのには、ちょっとホッとする。
今日は「慰安婦」問題をテーマにした映画「主戦場」に、同意なくインタビュー映像を使われ一般公開されたのは不当だと、ギルバート氏らがデザキ監督などに上映禁止などを求めた訴訟の判決が東京地裁であったが、公開は適法として、請求を棄却した勝訴だった。裁判では、勝訴を勝ち取っても、歴史修正主義は、まだ実際には跋扈している。たとえば佐渡銀山問題なども。国会では、高市政調会長がああいう歴史修正主義を政府に迫る質問を平然とし、それにあたかも同意しているような、おどろくような答弁をする政府(表現は結構あいまいではあるのだけど……否定はしない)。世界からはどのように見られるのかはほとんど無関心なのだと思う。
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