(論壇時評)中立・公平とは 怒り・悲しみ、集めて共有を 東大大学院教授・林香里
今日、朝、新聞をくると、おお!
(論壇時評)中立・公平とは 怒り・悲しみ、集めて共有を 東大大学院教授・林香里(朝日新聞)
朝日新聞の論壇時評六十余年の歴史で、私は初の女性筆者だという。どのような文脈上の出来事か、私なりに考えてみた。日本の総新聞発行部数は、1997年に約5376万部のピークを迎えた。その後、部数は下がり続け、いまではその6割の3500万部ほど。新聞が王様メディアの座から転落しつつある時代、新聞や雑誌が担ってきた論壇ももはや、以前ほどの高座でもなければ、中心でもない。こうした状況下で私に筆者の役目が回ってきたことに、妙に納得する自分がいる。
しかし、たとえ論壇の「壇」の底がすり減り、歪(ゆが)んで穴ぼこがあいていても、まだまだここでできることはあるはずだ。新しい論壇委員6人とともに、ネットも含めてたくさんの媒体が届ける聞き取りにくい声、見えにくい風景をもっとたくさんの人と共有したい。この壇は、だれもが生きやすく、取り残されない社会を目指す、一段めのステップ(壇)として機能したらいいなと、私なりに胸をふくらませている。……
「論壇ももはや、以前ほどの高座でもなければ、中心でもない」「まだまだここでできることはあるはずだ」「だれもが生きやすく、取り残されない社会を目指す」――うーん、そうだなあ! 林さんが論壇時評をやる意義は大きいなあ。とても厳しい人だという印象。しかし、その発言は鋭いなあ。あえて、女性の視点からのジャーナリズム論の設定に挑んだことはとても大きな意味をもってきたのだから。
さて、今日は朝からインタビュー①原稿整理をはじめる。よしよし、いいぞ!
昼からは、ちょっとしたきっかけでお誘いをうけ、牟田和恵さんの講演を聞く機会があった。題して「ジェンダーは なぜ攻撃されるのか」。さすがだなあ、おもしろい!! なぜ、発言しずらいのか。発言した女性たちが、この間うけた攻撃。どうして、そうした攻撃がくり返されるのか。ご自身のフェミ科研裁判の経験もふくめ、わかりやすく、かつ、あつく語る。あらためて、この国の女性の発言を封じる構造の根深さ、女性たちが直面していること、そして、それはこの社会の人権が直面していることを考えさせられた。映画「未来を花束にして」の予告編のイギリスと日本での違いは衝撃的。女性たちの声やたたかいをなぜこうも封じるのか……。ほんとうにいい機会をいただきました。
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