アイヌを題材としたドキュメンタリー二題
今日は、ひたすらゲラ読み作業からスタート。結構な分量だからね。
昨日から今日にかけて、アイヌの番組が続く。
まずはETV特集「帰郷の日は遠く〜アイヌ遺骨返還の行方〜」
去年、北海道にオープンしたウポポイ。その慰霊施設に、1300体を超えるアイヌの遺骨が納められている。明治以降、東京大学や北海道大学の研究者らが各地の墓地などから持ち去り保管していた。「先祖の遺骨を返してほしい」。アイヌの人たちは40年前から声を上げ、今、故郷への返還が実現しつつある。しかし、後継者不足などから、遺骨の“帰郷”に戸惑う地域も少なくない。背景には、アイヌ民族が背負う苦難の歴史があった。
現状はよくわかる。アイヌの苦難もわかる。大学は、ほんとうに謝罪しない。でも、なぜ謝罪しないのか? 注文の1つは、国家の意思として、アイヌから暴力的に土地をとりあげ、同化をすすめ、文化を抑圧した、そのことが深められていないこと。そこが、明らかにされないと、アイヌの現状、遺骨の”帰郷”に戸惑う現状やサイレントアイヌが増えている理由が見えてこないのではないのかなあ。
その一端が垣間見えるのが、朝のテレメンタリーでやっていた「ポネオハウーアイヌの私ー」。帯広でアイヌ料理の店を出す女性の話。
北海道帯広市にアイヌ料理を出す小さな屋台がある。名物は豚骨が入ったスープ「ポネオハウ」。店主の家庭に受け継がれてきた「母の味」だ。しかし彼女はこの料理に後ろめたさを感じていた。「アイヌ であることはなかったことにして生きようと思っていた」彼女が、なぜ店を始めたのか。アイヌの自分を否定してきた女性が自分らしく生きるようになった理由とは。日常に息づくアイヌへの差別意識のなかで懸命に生きる人々を追った。
番組をとおして、差別の大きさを知ることができた。それがなぜ生まれたのか。そのことを見つめることぬきに、アイヌの問題は決して解決しないのだとは思うのだけど。
国民的な合意というのが解決方法ではあるのだろうけど、では、どうその道筋をつけるのか。差別と民族、いろいろ難しい課題が多い。問題な、なかなか大変だとも痛感した次第。
ちょっと、血圧もよくないし、運動不足はやばい、と思って、今日は歩いたよ! 一万歩。隣町まで言ったぞ。
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