戦争と弾圧 三・一五事件と特高課長・纐纈弥三の軌跡
今日も、実務。編集部の年賀状を完成させて、名簿の整備をして、裏表、一気に印刷。フロアでは一等賞か(笑)。
今年は、ボクの師匠のような方が何人もなくなった。憲法の先生、歴史学の先生、経済学の先生。本当にお世話になった方々。そして、今朝、編集のイロハから教わった方が……。自分の足でしっかり歩けと言われてると思った次第。一人ででもがんばらなくてはいけない。
コロナ禍のいろいろな生活は、結構、ボクにとっても過酷であるなあ。なかなか人にはわかってもらえないけどなあ。
さて、纐纈厚さんの『戦争と弾圧 三・一五事件と特高課長・纐纈弥三の軌跡』をパラパラと読む。
戦争の時代、天皇中心の国体思想に迎合しない人々を徹底的に弾圧し、その人権や生命すら奪った戦前期の権力者たち。そのなかでも、官僚について論じられることは少ない。本書がとりあげる弥三は、特高課長として三・一五事件で敏腕をふるう。特高のイメージとは全く違うどこにでもいる普通の個人だった弥三。彼がなぜ弾圧の執行者となったのか、「日記」をとおしてその実像に迫る。このあたりは、日本ではあまり論じられることなかった角度でもあるだろう。
弥三は時を経て生き残り、再び戦後日本で国会議員として、新たな国体思想を普及すべく、紀元節復活を目的とする「建国記念の日」をめざす。彼の、弾圧・共産党敵視の行動と紀元節の復活の主張はまさに表裏一体のものであることを本書は明らかにする。そして、大事なことは、それが、日本の保守政治の姿でもあるということだ。。
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