学術会議への首相による介入の衝撃
今日は、インタビュー①を仕上げて、発信。ただちに、次の企画発注の準備にかかる。
だけど、昨日、松宮さんがFacebookで書かれていた、学術会議の推薦の、首相による任命拒否が、昨日はこれは大きな問題になるなと、漠然と話題にしていたレベルだけど、全容がわかってきて、あまりにも大きな問題であることが明らかになっていく。かなりの衝撃度。
任命されなかった6人とは、小沢隆一東京慈恵会医科大学(憲法学)、岡田正則早稲田大学(行政法学)、松宮孝明立命館大学(刑事法学)、加藤陽子東京大学(歴史学)、芦名定道京都大学(キリスト教学)、宇野重規東京大学(政治学)。小沢さんは、安保法制反対をはじめ、平和と憲法を守り生かすために活躍する憲法学者。9条の会の事務局もつとめる。岡田さんは、辺野古の新基地をめぐる翁長県政の埋め立て承認の見直しや撤回を、法律の側面から支えてきた方、松宮先生は共謀罪反対の論陣がいまでもくっきり思い出す。そうした主張を政府が嫌ったのだろうけど、研究者としての実績はみごとで、それぞれ学会で中心的な役割を果たしている。だからこそ推薦されている。つまり、その学会を含めた学界の判断を敵に回す。政治が学問の判断よりも上なのだということをくっきりしめすということか。だからこそ、例えば加藤さんも学者としての実績は抜群だけど、学問的な立場も考えも、少しボクたちとは違う人でもあるわけで、宇野さんなどはより、まろやかというか、だんだんいわゆるリベラルという印象になる。芦名さんは行動する宗教学者っていうイメージだけど、そういう立場から、ラディアルに発言する方なのだと思う。そういう人を含めて、かなり見せしめ的な要素も含んでいるという印象でもある。いずれにしても、学問の自由への侵害のみならず、政治の手で学問を否定し従属させるという野蛮なおこないという感じがする。
学術会議法が改正され、選挙から推薦に変わったとき、任命は形式的なものだ、そういう解釈をすると、国会では何度も答えている。ならば、いつその解釈を変えたのか、どういう根拠で変えたのか? この決定はいつ、どのようにされたのか。加藤さんの言うようにそもそも今回の決定は、文書で残されているのか(加藤さんは公文書の専門家でもある!)。
前会長の山極さん、は任命拒否の理由を示すよう菅首相あてに文書を提出したものの、現時点まで説明はないと報告している。「日本学術会議は内閣府と密接な関係を持つが、命令を聞く組織ではない。科学者が業績を精査して推薦したのだから、説明もなく任命しないことは重大な問題だ」と強調。新会長の梶田隆章東京大学教授は、「重要な問題なので、しっかり対処していきたい。学問の自由、学術会議の中立性にもかかわることだと思っている」と。もう目が離せない。
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