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2020/10/24

『性暴力被害を聴く』とはどういうことか

 今日は、午後からzoomで以下のシンポジウムに参加。

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 「『性暴力被害を聴く』とはどういうことか」。女性戦犯国際法廷に向けて、『証言4集』において、大きくその方法を発展させた、日本軍「慰安婦」被害者への聞き取り。日本軍「慰安婦」問題解決運動は、運動にとって都合のいい話しかサバイバーから聞いてこなかったなどという見方が日本社会には存在する。韓国でも強まりを見せ、正義連批判へ向かっているもとで、あらためて、日韓で「慰安婦」サバイバーの語りを聴いてきた人たちから、どう「聴いてきたのか」を明らかにしたのが『性暴力被害を聴く』
 『証言4集』を編集した梁鉉娥さん、正義連の新理事長であり米軍基地村女性の語りを聴いてきた李娜榮さんが報告。日本で「慰安婦」サバイバーを支援してきた梁澄子さん、AV被害のサバイバーを支援している宮本節子さん、『証言4集』の編集者の1人である金秀珍さん、済州島4・3事件の聴き取りに携わってこられた金成禮さんがコメント。大門正克さん、山本めゆさんが発言。

 被害者中心主義 で「聴く」という行為とはどういうことなのか、その体験の振り返りをまるごと「聴く」ということ、その努力や難しさ、なぜ、そのように至ったのかという経緯も含め、いろいろ考えさせられる。そのことをとおしてみてきたこと、そこから、歴史認識をつくっていく通路や架け橋とはどういうものなのか? 日本の「慰安婦」バッシングに比してどれほどの努力や試行錯誤が繰り返されてきたのか、正義連をめぐる問題も、どれほど誠実に向き合おうとしているのか。しかし、同時に、課題も大きいなあ、考えなければいけないことも大きいなあと改めて思う。とりわけ日本社会のような、女性に対する暴力に社会として十分向き合ってこなかった社会ではなおさらと。とても、刺激にみちた時間だった。ただ、やっぱり、国際シンポで、通訳を介してというのは、なかなかつらいものはある。

 この聴くをめぐる問題は、性暴力サバイバーだけに限らない問題でもあるとも思った。

 その後、夜は、教員たちと、いろいろおしゃべりの時間。「学力」「資質・能力」「学習者」、ICTなどなど、コロナ禍で問われている教育の本質的なあり方の問題をめぐって、刺激をいっぱいもらった素敵な時間だった。

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