「貧困対策の基本とする対応原理」とは
今日も、朝から座談会原稿の今後の打ち合わせ作業を断続的に。あとはメール送り続ける。なかなか返事はこないけど。来月の骨格をつくって、再来月へだなあ。だけど、問題は解散・総選挙がどうなるのか。いったく潮は引くのかなあ。いやあ、まだまだだなあ。組閣だけを見ていると、早期解散があってもおかしくない感じはするけどなあ。厚労大臣とか、文科大臣とか見ていると……。読み切れないなあ。
組閣は気になるけど、つまんないと言えば、つまんない。困ったもの。
そういうなかで、松本伊智朗さんの論文を読んでいて、次の一節が気になった。
明治維新後に出され昭和初期まで続いた、貧困救済の基本法規である恤救規則は「済貧恤窮ハ人民相互ノ情誼ニ因テ其方法ヲ設クベキ」としたうえで「無告ノ窮民(家族や頼る人がいない貧困者)」に救済対象を限定している。貧困救済は家族や人々の相互の助け合いによるべき、つまり公的対応を原則として拒否したうえで、「身寄りのないもの」にのみ恩恵的な措置を認めている。明治憲法成立後、帝国議会において公的義務主義にたつ改正提案が前後3回に提出されるが、日本の「醇風美俗」である家族の助け合いの気風を壊す、依存心を助長し自助の精神を妨げるといった理由で拒否されている。同時期に強調されたのは「感化救済」という観点、すなわり勤勉や自立心を涵養するように貧民を感化(教育)することをもって、貧困対策の基本とするという対応原理である。
菅さんの「自助・共助・公助」論は、個人のものではなく、自民党の決定である。そして、その自民党の考えは、この戦前の貧民対策の原理となにもかわっていない。驚くほど同じ立場に立っている。もちろん、これにたいし、国民のたたかいによって、権利性の拡充にとりくまれてきて、さまざまな前進が切り開かれていた。が、自民党政権は、つねにこの考えに立ち戻ろうとしてきた。そのせめぎあいが今も続いている。うーん。生活保護をめぐるいまの愛知の判決もそうだな。自民党の見解を、国民が支持しているか。ならば、この点でも、国民世論をていねいに変えていくような議論が焦点になるのかなあ。ここも、いまも、考えるべき考え方をめぐる問題でもある。
相方からの写メ。
相方は、いま実習指導の巡回。昨日は函館、1日かけて根室に移動。そもそも支援学校は、街中になかったりするので、車による移動。1週間で1500キロぐらい移動している。結構、たいへんな仕事だなあ。写真は、風蓮湖のサンセット。
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