資本主義の終わりか、人間の終焉か? 未来への大分岐
今日は、相談してすすめた原稿の仕上げをして、提稿。ゲラのやりとりも引き続き。あとは、資料と本を読みこむ。うーん、天気が悪いので、ぜんぜん、歩けないし、なかなか閉じこもったままで、鬱々とする。
最近、読んだ本の感想を少し。
たとえば『資本主義の終わりか、人間の終焉か? 未来への大分岐』。ご存じ、マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート 、ポール・メイソンへのインタビュー本。この点の本ではめずらしいベストセラーだ。決して、わかりやすい本でもないし、しかも、リベラルであったり、ラディカルであったりする議論でもあるわけだけど、どうしてこれだけ売れるのかは興味がある。世界的な新自由主義の破綻、緊縮主義への反発を背景にしているのだろうけど、そして、少なくともそれが、いまの資本主義と根本的にあいいれないという問題意識がひろがっているのだろう。だけど、日本ではなかなかそうならないもの複雑でもあるのだけど。
しかし、なぜマルクス・ガブリエルが筆頭なのかは、よくわからないところ。きちんと、彼の本は読まないといけないのか? なんとなく、それほど、シャープなのかと読み進めると、なんとなく、自分が、解答が簡単にだせないもとでバランスをうまくとると言っていることと、新実在論というのは似ている感じもしてくる(笑い)。ハートの〈コモン〉なども、自分の考えている問題意識と、実は重なっているなどとも思えてくる。ポール・メイソンの議論も、AIなどの味方はなかなか刺激的ではある。というか、なかなかAIについては、機械的に反発するところがあって、実はきちんと議論ができていないなあとも思ったり。知らないことで面白いという部分と、ボクにとっては思ったほどでもないなあという部分と(たぶんよくわかっていないのだろうけど)。そんな感じ。
とくに、なぜ、こうも楽観的なのかということは、気になるところ。多分、楽観的なのではなく、人間の「主体性」を重視するところあたりが、彼らに共通しているのかもしれないなあとも。その強調は、楽観のように見えるということかなあ。それと、社会・世界への認識の絡め方が、なかなか、整理できなかったりするところなのかもしれない。もう一度、資本主義のとらえ方と、そして、いまの社会の変容のとらえ方をきちんとしないとなあ。
リアリストという点では、編者の斎藤幸平なんだろうけど。ボクより、30歳も下。いろいろ評価はわかれるのだろうけど、そこは、言及しないでおく。ただ、彼の3人への質問はなかなか見事。
なかなか、こういうテーマは、自分が日ごろ追いかけていることとは違うのだけど、ちょっと、幅広く勉強してみようと思った次第。
さて、夕食は、鮭のバター焼き、野菜のバター炒め、カニクリームコロッケ、ツナサラダ、豆腐のみそ汁。
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