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2020/05/24

プリズン・サークル

 朝から洗濯機を2度回す。メールのやりとりをして、提稿作業、それからゲラ校正。と、追い込んでいく。結局、日曜なのに仕事……。ただ、今日は、映画を見た。

640-1

 封切りされてから、ずっと見に行きたかったけど、なかなかその機会がなく、そうこう言っているうちに、コロナで行けなくなった。いま、仮設の映画館というものがある。1800円の料金を払えば、いつもいくミニシアターの映画館にもお金が落ちる仕組み。それでやっと見た。相方と時間をあわせて、離れ離れだけど、1月以来のいっしょに映画気分。いろいろトラブルがあって、ちょっと大変になったけど……。

 映画は、取材許可に6年をかけ、2年にわたり日本国内の刑務所に初めてカメラを入れて完成となったドキュメンタリー。官民協働による新しい刑務所であり、受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC(Therapeutic Community=回復共同体)」というプログラムを導入している日本で唯一の刑務所でもある「島根あさひ社会復帰促進センター」。受刑者たちはプログラムを通じて、窃盗や詐欺、強盗傷人、傷害致死など、自身が犯してしまった罪はもちろんのこと、貧困、いじめ、虐待、差別といった幼い頃に経験した苦い記憶とも向き合わなければならない。カメラは服役中の4人の若者を追い、彼らがTCを通じて新たな価値観や生き方を身につけていく姿が描かれる。監督は「Lifers ライファーズ 終身刑を超えて」「トークバック 沈黙を破る女たち」などアメリカの受刑者をテーマにした作品を手がけてきた坂上香。
 TCそのものが絶対だとは思わないけれども、とくに、子ども時代のトラウマに焦点をあわせるところは、たぶんの心理主義的な感じはするけれども、それでも、自分の悲しみや、自分の否定的な姿に向き合うことのしんどさ、そこに向き合えてこそ、人間の回復ができるということはそうだと思う。なかなか、自分も、悲しみや恐怖や絶望的なことがらには目を背けてしまう。その過程がなかなか、すごいのだ。人としての信頼の回復は、よく話を聞いてもらえるということと、そして、同じ立場の人間の、お互いへの想像力を働かせ、相互に語り合えるような関係性なのだろうなあ。こうして、人間としての感情が回復していくのかと、いろいろ考えさせられた。

 もちろん、すべてがうまくいっているわけではないだろうし、さまざまな課題も見え隠れするのだけど。それでも……、という希望が見える。こういう関係性の問題というのは、いまだからこそものすごく考えたいテーマでもあるしなあ。そこから、どう認識が、深まったり、広がったりして、生きる力を培っていくのか。さらに、知りたいことは多い。その点では、すべてが描かれているわけでもないだろうしなあ。久ぶりに映画を見て、刺激をうけた。

 午後からは、ある教育関係のWEB学習会にも参加。最初の対談は、おふたりが、まったくボクと同世代で、話の内容は、そのとおりだなあと思った。ただ、いま、現場にいる人ではないので、そのあたりは、もっといろいろ現場の話を聞きたい感じがする。参加者は予想に反して、学生が多い。たぶん、現役の先生たちはなかなか、余裕がないのだろうなあ。いよいよ学校もはじまるしなあ。などと考えた。

 夕食は、鯖、ほうれん草のソテー、マカロニサラダ、きゅうりの糠漬け、みそ汁。

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