新聞の噓を見抜く 「ポスト真実」時代のメディア・リテラシー
この本も、なかなか面白かった。とくに後半になるほど面白い。客観的事実よりも感情に強く訴えるほうが世論形成に影響する「ポスト真実」の時代、しかしながら、政権に近い新聞(読、産、経)とそうでない新聞(朝、毎、東)との間に深い亀裂が走り、2分化している。それを政権が見透かし、利用し、分断をひろげる。そういうなかで世論形成がされることになる。まさに、民主主義の危機でもある。新聞は新聞は部数の落ち込みが激しいだけでなく、内容的にも「終わった」メディアとしての視線も強いのだ。しかし、本当にそうなのか。それでいいのか。一方で安倍さんのメディア支配の強まりがあるが、そのもとで新聞は、構造上の問題をもっている。そこから、新聞報道の作為、不作為の嘘が……。そこをどう乗り越えて、ジャーナリズムとしての新聞を再生するのか? 市民が持つべき力と、その市民といっしょになって、メディアはどうあるべきなのか。ジャーナリズムほんらいの権力の番犬としての役割を手放さないあり方。一方で目の前にある危機(アメリカの「取材空白地帯」などはほんとうに恐怖!)、そしてスローニュースという問題提起。ほんとうにいろいろ考えさせられた1冊だった。
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