首相の所信表明
あの総選挙からもずいぶんたっているし、国会を開いてから半月たってやっとの所信表明。聞いていて、まずおどろいたのは、その短さ。まあ、国民に、語りたいこと、語らなければならないと彼が考えていることが、あまりにもないということかなあ。
中身的にも、ちょっとなあ。基本、総選挙の演説の延長線上で、オレは国民から信任されたんだと言いたげ。実際は、比例では3割台、絶対得票は17%程度というものなのにだ。あいかわらず、北朝鮮問題を「国難」として、恫喝する。そこには対話への冷静さは微塵もない。軍事拡大への挑発的な言葉だけが並ぶ。で、少子高齢化に話がすすむ。
おきまりのAIからはじまるが、気になったのは、ひとつは、「三歳から五歳まで、全ての子どもたちの幼稚園や保育園の費用を無償化します。〇歳から二歳児も、所得の低い世帯では無償化します」という。無償化はいいことではあるが、「待機児童解消を目指す安倍内閣の決意は揺るぎません」とつなげる。ここでこの間すすめているのは、規制緩和ではないのか。加配をなくす、保育士の有資格でなくてもいいようにする、などなど。ほんとうにこれで、保育の質が保ているのか、安全はたもているのか。保育の質が伴わない無償化は、「保育の無償化」にはなっていかないのではないか。
2つめは、「真に必要な子どもたちには、高等教育を無償化します」という表現。「真に必要な子」というのは誰が判断するのだろう?何という上から目線か。結局、「ニーズに応え、『人づくり革命』」というのだから、目的や実態はすけてみえるというものではないのか?
「消費税の使い道を見直し」というが、そもそも「税と社会保障の一体改革」のときは何と言っていたのと言いたくなる。なんなんだよ、この議論は?(以下略)
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