関東大震災「検見川事件」 デマで県出身者犠牲 識者「今につながる差別」
この問題を、地方紙が、自らの地域の問題として、重ねて論じるのは、とっても大事な視点だよなあ。沖縄への差別と重なるこういう事件があったと。
関東大震災「検見川事件」 デマで県出身者犠牲 識者「今につながる差別」(琉球新報)1923年9月1日に発生した関東大震災の直後、「朝鮮人が井戸に毒薬を入れた」などのデマを信じた自警団らによって、朝鮮人らが殺害された。当時の新聞記事によると、その中には沖縄県出身者も含まれていた。千葉県内で3人が犠牲になった「検見(けみ)川事件」だ。この事件に詳しいジャーナリストらは、デマや殺害の背景に「差別」を読み取り、現在、沖縄が置かれている状況とも重ね合わせる。
検見川事件は大震災発生から4日後の23年9月5日、現在の千葉市内で発生した。同年10月17日付「報知新聞」によると、犠牲者は「沖縄県中頭郡潰太村 儀間次郎(21)」ら3人となっている。東京から避難の途中、地元の青年でつくる自警団員30人余りに囲まれ、こん棒や日本刀で「めちゃめちゃに惨殺」されたという。
伊江島出身の島袋和幸さん(69)=東京都=は30年ほど前から検見川事件を調べてきた。犠牲になった3人は沖縄、秋田、三重の出身だった。自警団に捕らえられた際、言葉のなまりから朝鮮人と決めつけられたと分析する。
島袋さんは新聞記事にあった「潰太村」を「北谷町桑江」と推測し、周辺で聞き取り調査を行った。しかし、手掛かりはつかめなかった。大震災から94年がたち、事件の存在そのものが忘れられていく中、島袋さんは「事件から学ぶことがあるのではないか」と学習会を企画した。
3日、那覇市のなは市民活動支援センターで開かれた学習会では、ジャーナリストの安田浩一さん(53)=千葉県=が講演した。検見川事件について最近、雑誌に執筆した安田さんは「事件は『昔の話』では片付けられない」と指摘する。「デマを支えたのは差別だ。今も在日コリアンや沖縄に対する差別があり、つながっている。社会を壊さないために差別を否定し、声を上げる必要がある」と強調した。
決して、過去の問題ではないわけで。これだけ、差別的言説が広がっていて、しかも、かつてと同じように、それをうえから政治(当時は軍や警察)が、それを推進する。そして、その差別は、朝鮮人に対するものにとどまらず、思想弾圧や、他の人々への差別と重なっている。そういうことを今の問題として、考えなければいけないよなあ。
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