「子どもの貧困」を問いなおす: 家族・ジェンダーの視点から
やっと、読み終えました。津富先生は、「この本は切れてる 特に第二部までは目の覚めるよう」と書いていたけど、ほんとうにそう。ものすごく刺激をうけた。湯沢さんの、貧困対策と教育、家庭の位置づけの議論からはじまって、なぜ「子どもの貧困」を問うのか、新自由主義をとうフェミニズムの役割をしてきする藤原さん、どこに貧困があるのかを実証的にあらためて押さえないしおししながら、その対策を提起する阿部さん……。後藤さんたちの議論を踏まえながら、アンデルセンの議論とむすびつけて、家族主義を問いかける蓑輪さんの議論も教えられたし、実際の家族の実相をどう把握するのかという点で、丸山さんや鳥山さんの議論はたくさん教えられた。三部だって、おもしろく、刺激的。DVと貧困の関係をどう考えるかの吉中さんの議論はなるほど。それにつづくジェンダーの議論は、実際にはどんな選択(の困難)があるのかを考える論考や、ケヤに封じ込められるその実態との隣接の問題なども、考えさせられる。そして、この本を送ってくれた杉田さんが、ずっと対象の女性たちと自分との間にあるものにこだわりながら、性的サービス労働へのまさざしを問い、彼女たちの自立を考える姿勢にあらためて頭なさがったのです。ものすごく勉強もしたくなる本だと思います。
« 2017年11月08日の新聞社説 | トップページ | 46台が基地内に資材搬入 30代男性1人が拘束 »
「教育」カテゴリの記事
- 『児童福祉の戦後史 孤児院から児童養護施設へ』(2023.03.23)
- 長時間過密労働解消のたしかな道すじPart3-今こそ、給特法の改正と教職員の大幅増員を(2023.03.21)
- 全教「教職員勤務実態調査2022」最終報告の記者発表を文科省記者クラブで実施(2023.03.15)
- 児童生徒の自殺、過去最多の514人 学業不振や進路に悩み(2023.03.14)
- 「リエゾン」と「大河ドラマが生まれた日」(2023.03.12)
「読書」カテゴリの記事
- 『児童福祉の戦後史 孤児院から児童養護施設へ』(2023.03.23)
- 大江さん逝く(2023.03.13)
- 『学びのきほん フェミニズムがひらいた道 』(2023.03.10)
- 『もうひとつの戦場』 見つからない(2023.03.02)
- 「デニー知事と考える 沖縄と日本の安全保障」(2023.02.08)
「政治」カテゴリの記事
- 生活保護支給額引き下げを取り消す判決 和歌山地裁(2023.03.24)
- 『児童福祉の戦後史 孤児院から児童養護施設へ』(2023.03.23)
- 長時間過密労働解消のたしかな道すじPart3-今こそ、給特法の改正と教職員の大幅増員を(2023.03.21)
- 「フェンス」(2023.03.20)
- 自衛隊と米軍 日本海上空や海上で共同訓練実施と発表(2023.03.19)
「経済」カテゴリの記事
- 生活保護支給額引き下げを取り消す判決 和歌山地裁(2023.03.24)
- 長時間過密労働解消のたしかな道すじPart3-今こそ、給特法の改正と教職員の大幅増員を(2023.03.21)
- 『学びのきほん フェミニズムがひらいた道 』(2023.03.10)
- PFASそして西南の地に(2023.03.08)
- 「春子と節子 “女流”画家を超えて」(2023.03.07)
「若者」カテゴリの記事
- 全教「教職員勤務実態調査2022」最終報告の記者発表を文科省記者クラブで実施(2023.03.15)
- 児童生徒の自殺、過去最多の514人 学業不振や進路に悩み(2023.03.14)
- いろいろ教えられることが多い(2023.02.16)
- 若い人たちのあいだに広がる戦争への不安について(2023.02.01)
- 都立大学の授業料 無償化の対象 拡充方針固める 東京都(2023.01.27)
コメント