九条の会、自衛隊明記は「9条の理念と真っ向から矛盾」
改憲も大きな争点だから。これは大事。紙の新聞ではベタ記事なのが残念だけど。
九条の会、自衛隊明記は「9条の理念と真っ向から矛盾」(朝日新聞)護憲派の文化人らでつくる「九条の会」が5日、東京・永田町で記者会見し、「戦後日本の歴史と憲法の岐路に立って」と題したアピール文を発表した。安倍晋三首相が憲法への自衛隊明記を打ち出し、自民党も衆院選の公約に盛り込んだことについて「9条の『武力によらない平和』の理念と真っ向から矛盾する『武力による平和』が明示され、根本的改変が起こる」として改憲阻止を訴えた。
アピール文は「9条への自衛隊明示は、戦後日本が築いてきた『戦争しない国』の転換をもたらす」と指摘。公約で9条を含めた憲法改正論議を進めるとする希望の党も念頭に、「総選挙は改憲諸党の前進を許し安倍9条改憲に道を開くのか、阻むのかを決める重要な機会だ」と強調した。
会の世話人で翻訳家の池田香代子さんは、安倍政権が安全保障法制を成立させたことにふれ、「憲法を軽んじる政権が憲法を変えるという話には乗れない。信用できない」と話した。8日には全国の九条の会関係者が都内に集まり、改憲阻止に向けた集会を開く。
「九条の会」が5日に発表した声明「戦後日本の歴史と憲法の岐路に立って」の全文は次の通り。安倍首相は、臨時国会冒頭に解散し総選挙に打って出ました。野党による憲法に基づく再三にわたる臨時国会開催要求を無視しながら森友・加計問題をはじめとする疑惑隠しをはかる憲法破壊の暴挙です。重大なことは、首相が、この総選挙を、政権延命をはかるにとどまらず、安倍政権への批判の高まりのなかで強行のメドが危うくなった憲法「改正」実行のお墨付きを得る好機と位置づけたことです。
自民党は、選挙の重点公約のひとつに、憲法9条に自衛隊を明記することを中心とする改憲を掲げました。過去に改憲の野望を抱いた首相は少なくありませんが、国民の批判を怖(おそ)れ選挙戦ではそれを正面から争点にした例はありませんでした。自民党が改憲を旗印に選挙を戦うのは結党以来はじめてのことであり、容易ならぬ事態です。しかも解散直前になって、安倍政治を変えることを標榜(ひょうぼう)して希望の党が旗揚げし、改憲勢力の一翼として登場しました。この結果、たとえ国民の批判を浴びて自公勢力が後退しても、希望の党や日本維新の会などと合わせ改憲勢力が3分の2を占める危険性が高まりました。そうした事態を許すならば、改憲派が2018年通常国会での改憲発議をねらってくることは間違いありません。
9条への自衛隊明示は、安倍首相の「何も変わらない」という言明に反して、戦後日本が築いてきた「戦争しない国」の転換をもたらすことは明らかです。
もし9条に自衛隊が明記されることになれば、9条の「武力によらない平和」の理念と真っ向から矛盾する「武力による平和」が明示され、9条の根本的改変が起こることは明らかです。
また、自衛隊が憲法上認められることで、これまで「自衛隊は9条2項が保持を禁止している『戦力』ではない」というために政府が積み上げてきた自衛隊の活動を制約する解釈の撤回、さらなる空文化が起こります。しかも、この改憲で合憲とされる自衛隊は、違憲な戦争法によって海外での武力行使を認められた自衛隊なのです。
安倍首相は、北朝鮮問題での国民の不安を煽(あお)って改憲へと誘導していますが、軍事的圧力や9条改憲では北朝鮮問題を解決することはできません。それどころか、逆にアメリカの軍事行動への加担により、朝鮮半島での軍事衝突の危険を増大させることになります。朝鮮半島とアジアの平和は、憲法9条の原則に基づく外交によってこそ、実現できるのです。
総選挙は、改憲諸党の前進を許し安倍9条改憲に道を開くのか、それとも阻むのかを決める重要な機会です。すべての市民が、戦後日本の「戦争しない国」をつくってきた憲法の役割に改めて思いを致し、安倍改憲を許さないという声を挙(あ)げましょう。
草の根からの対話と宣伝を広げ、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の提起する3000万署名の運動を大きく成功させましょう。
9条への加憲の意味するところはいろいろな議論と解決がなされている。大事な共通点は、9条が大きく変質し、葬り去られるということだ。そこを問うていかなければならないのだと思う。
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