NHKの31歳女性記者が過労死 残業、月159時間
うーん。あまりにも悲しい事件。それがくり返され続けているということ。
NHKの31歳女性記者が過労死 残業、月159時間(朝日新聞)日本放送協会(NHK)の記者だった女性(当時31)が2013年7月に心不全で死亡したのは過重労働が原因だったとして、14年に渋谷労働基準監督署(東京)が労災を認定していたことが分かった。NHKが4日、発表した。ピーク時の時間外労働は月150時間を超えていた。
新入社員が過労自殺した広告大手・電通に続いて、公共放送の職員の過労死も発覚したことで、メディア関連企業の長時間労働の是正を求める声がさらに強まりそうだ。
遺族は今夏以降、女性の過労死を局内全体に周知して再発防止に生かすようNHKに強く求めてきた。女性が労災認定を受けてから3年余り。NHKはこの間、電通の過労自殺事件をはじめ、過労死問題を手厚く報道してきたが、局内で起きた過労死については、遺族から強い要望を受けるまで職員に広く周知していなかった。
NHKや遺族の説明によると、亡くなったのは、入局9年目だった佐戸未和(さど・みわ)さん。05年3月に一橋大法学部を卒業後、同年4月に記者職としてNHKに入局。鹿児島放送局で5年間勤めた後、10年7月から東京・渋谷の首都圏放送センターで勤務していた。同センターでは、主に東京都政の取材を担当。都庁の記者クラブに所属していた。亡くなる直前は、13年6月の都議選、同7月の参院選の報道にかかわった。参院選の投開票から3日後の7月24日ごろ、都内の自宅でうっ血性心不全を起こして急死した。
渋谷労基署によると、亡くなる直前の13年6月下旬から7月下旬まで1カ月間の時間外労働(残業)は159時間37分。5月下旬からの1カ月間も146時間57分にのぼった。労基署は都議選と参院選の取材で「深夜に及ぶ業務や十分な休日の確保もできない状況にあった」と認定。「相当の疲労の蓄積、恒常的な睡眠不足の状態であったことが推測される」とした。
遺族は13年10月に労災を申請し、翌年4月に認められた。遺族が業務用のパソコンや携帯電話の使用履歴などを調べたところ、労基署が認定した残業(6月下旬からの1カ月で約159時間)を上回る長時間労働が判明したという。
佐戸さんの父は「適切な労務管理が行われず、長時間労働が放置されていた。NHKは未和の死を忘れず、全職員で未和の死を受けとめ、再発防止に力を尽くしてほしい」と話している。
NHK広報は朝日新聞の取材に対し、「当初は遺族側から公表を望まないとの意向を示されていたので、公表を控えていた。佐戸さんの死をきっかけにした働き方改革を進める上で、外部への公表が必要だと判断した」としている。
適用されていた事業場外みなし労働時間制というのは、1988年につくられたもの。労働の規制緩和の走りだとも言える。運用するとき、いかに長時間労働を抑えるかという立場には、NHKはたたなかった。むしろ、この抜け穴的法律を悪用することを「是」としたとも言える。それだけに、きちんとした、検証をしてほしい。そうしてこそ、「働き方改革」についての報道ができるのではないのだろうか。
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