私立高生「学費が切実」 全国1万4000人アンケート
高校生もがんばっている。
私立高生「学費が切実」 全国1万4000人アンケート(東京新聞)身近な社会問題について考えようと、高校生のグループが今年六月、全国の私立高校生約一万四千人を対象に、高校・大学の学費などに関するアンケートを実施した。十八歳選挙権の導入後、初めての衆院選を前に、アンケート実行委員会の中心メンバーの一人、大東学園高校(東京都世田谷区)三年の濱中美樹さん(17)は「学費の心配が少しでも減るよう、私たちの声が政治の場に届けばうれしい」と話す。
グループは毎年五月に「全国高校生サミット」を開いている東京都、愛知県などの私立高校生のメンバー。質問内容を考え、二十八都道府県の私立高百二十六校の協力を得て調査した。
アンケートでは「切実だと感じる社会問題」(複数回答可)について、36・4%が「大学進学と奨学金」、33・3%が「高校の学費」を選んだ。続いて「少子高齢化」「非正規雇用・長時間労働」「震災・災害復興」「平和と人権」「憲法」「原発」の順に多かった。
私立高の学費について(同)は、45・4%が「公立・私立間の格差はおかしい」、38・7%が「住んでいる県による負担の差をなくしてほしい」、25・7%が「施設・設備費など含め学費全体を無償にしてほしい」を選んだ。大学の奨学金について(同)は、59・8%が「返済義務のない給付型奨学金を増やしてほしい」、27・1%が「無利子貸与の枠を増やしてほしい」と回答した。
実行委の高校生は八月、自民、民進、共産、自由、社民各党の国会議員計五人の事務所を訪ねて集計結果を手渡し、私立高通学や大学進学の負担軽減を訴えた。その後衆院が解散し、十八歳が初めて一票を投じる衆院選が実施されることになった。
「生徒たちの約七割が、親の学費負担を後ろめたく感じていることもアンケートで分かった。私たちの気持ちが表れていると思う」と話す濱中さん。候補者に対しては「高校生の切実な声にもちゃんと耳を傾けてほしい」と注文を付け「選挙権を持ったら、政党や候補者をよく知り、しっかりと投票したい」と意気込んでいる。
<回答の一部>
私立高校に通うようになり、家庭でどんな影響があったか(抜粋)
・親がアルバイトを始めた
・一家全員で節約し、必要最低限のものしか買わなくなった
・「あんた1人にお金がどれだけかかっていると思っているの」とよく言われる
・親がストレスでイライラしやすくなり、体調を崩しやすくなった
・家族がよくけんかするようになった
・兄弟が進学をあきらめた
・親が妹に「絶対公立に行け!」って言っている
・弟たちに習い事をさせてあげられない
・ローンが払えなくなり、家を売ってアパートに移ることになった
・親が深夜まで働いて、見ているだけで大変そう
・祖父も働き始めた
午前中、駅で公明党の街頭宣伝に遭遇した。そこでは学費の問題をとりあげ、給付制奨学金を、自分たちの実績として宣伝していた。もちろん、給付制奨学金ができたのは大きな前進だけど、それは大きな運動のひろがりがあったからこそ。しかし、できあがったものの実際は厳しい。なにしろ、今年4月から私立の自宅生約2800人分(月4万円)を対象に先行実施が始まり、来年度から月2万~4万円を約2万人に支給するという計画。これは1学年の学生の人数でみるとわずか「55人に1人」という、極めて“狭き門”にしかならないし、これでとても学費を網羅できるものでもないからだ。残りは大きな借金だと。2人に1人が奨学金を借りなければならないのが現実があり、貸与型を借りた場合、卒業後の返済額は1人平均約300万円に上る。不安定な雇用のもとでは、返済できない人が増える。2万人規模ではとても「本格実施」の名に値しないのだ。本気度がとわれている。
ちなみに、日本共産党は、(1)大学の授業料を国立も私立も公立も段階的に引き下げ10年間で半減する(2)月額3万円(年間36万円)の給付型奨学金を70万人(学生総数の4人に1人)に支給する制度をまず創設し、規模を拡大する―などの抜本的な改革を提案。税金の集め方と使い方を変え、高等教育予算を経済協力開発機構(OECD)平均並みに引き上げること。憲法が掲げる教育の機会均等にもとづく政治の実現こそ!
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