市民政治の育て方 新潟が吹かせたデモクラシーの風
新潟での市民と野党の共闘の立役者の一人であった佐々木さんによる本。なかなかおもしろい。政治学者によるものであるから、政治学の本としてもとても関心をもつ。市民運動のよりそいながらの政治学は、ちがやさんの本などとも重なるところもあるが、こちらは、議会制民主主義、代表制民主主義にそくしての議論。リアリティもある。実践的民主主義論と言えばいいのか、臨床的民主主義論と言えばいいのか。市民が、悩み悩み、模索をし、積み上げている様子が手に取るようにわかるし、そういう意味で「臨床的」。政治というものはそういうものなのだと考えさせられる。
視点がずっと運動の側にあるので、政党として、ふりかえったものとくらべての違いも興味深い。しかし、そうだからこそ、この1年あまりのドラスティックな展開の底流にあるものが、よくわかるというもの。市民が観客から参加へ、そのための模索の底流にあるのは、やはり、いまの政治というものが、ここままでは持続することができないものであることをしめしていて、その転換の方向を、この取り組みからくみとることができるということなのだと思う。もちろん、それは模索の過程でもあるが、それは、市民がともに歩む模索でもあるのだと思うなあ。
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