「戦場体験」を受け継ぐということ
3年ほど前の本だけど、ふたたびじっくり読んでみた。著者の経歴がおもしろい。日航の元客室乗務員。その職場でのかかわりから、ビルマでの戦争の体験者と知り合い、過酷な戦場体験をもつ人たちによりそっていくことになる。こういう人たちから信頼を得て、きちんと聞き取るという仕事はとても大事だと思う。
中国・ビルマ国境の戦争は、ほんとうに過酷だったと聞く。ボクはかつて、西野さんの「慰安婦」の本で知ったのが最初かな。その過酷さは、まず、補給のない日本軍のありようからくる、加害の行為として、住民の体験ということからうきぼりになるのだと思う。そのうえで、孤立する中で、ほんとうに過酷な全滅戦をたたかった人々。そして生き残った人々の人生からもいろいろ考えさせられる。たんに「靖国」にまいる人といっても、そこにある葛藤や思いと言うのは一様ではないし、いろいろ向き合わなければならないことがあると考えさせられるのだ。それが兵士の体験であり、日本の平和意識の一断面なのだから。襟をただして、考えなければならない、歴史がそこにはある。
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