核禁止条約を採択
日本政府の態度は、あまりにも悲しいけれども、画期的な出来事。
核禁止条約を採択(東京新聞)米ニューヨークの国連本部で制定交渉が続いていた「核兵器禁止条約」は七日、賛成多数で採択され、核兵器が持つ非人道性に焦点を当てた条約が誕生した。核兵器の開発や使用を国際的に違法とし、被爆者について「核兵器使用の被害者(ヒバクシャ)の受け入れ難い苦しみと損害に留意する」と明記されている。
一方、米国やロシアなど核保有国、米国の「核の傘」に頼る日本や北大西洋条約機構(NATO)諸国の大半は条約に反対して交渉に参加しておらず、核廃絶という最終目的に向けた課題が積み残されたままだ。
制定交渉は七日に最終日の会合があり、投票の結果、賛成が百二十二、反対が一、棄権が一だった。
条約前文の被爆者に関する言及は、当初案では「ヒバクシャの苦しみに留意する」という短い言葉だったが、参加国の要請も踏まえ、より強い表現で体験に配慮する文言に修正。被爆者らに対する医療などの支援義務も盛り込まれた。
条約では、核兵器の開発や使用、保有、移転、実験、これらを支援する行為のほか、「使用するとの威嚇」も禁じる。多くの交渉参加国の要請を反映した半面、日本などが安全保障の要とする「核抑止力」を否定する内容で、日本などが条約に加盟する道はさらに狭められた形だ。
条約の署名は国連本部で九月二十日に始まり、五十カ国が批准してから九十日後に発効する。
国際法や国際政治の世界では、大国が、提示されてきた理念をふみにじるという現実を前提に、その現実の中で法や関係をどう機能させるのかという議論が主流である。ともすれば、積み上げられてきた理念を見失ないがちになるのだけど。実際には、多数の国家の手によって、それをさらに前にすすめようという営みがすすめられていて、それが一部の大国とガチンコの状況をつくっている。多数はどちらにあるのかが大事。そのことを示しているのが、今回の条約の採択であるし、予想を超えるスピードですすんでいるのだと思う。
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