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2017年5月

2017/05/31

2017年05月31日の新聞社説

《朝日新聞》
加計学園問題 論点をすり替えるな
たばこ規制 自民党よ、都連に続け

《読売新聞》
村議会廃止論議 住民総会で代替は可能なのか
成長戦略 新産業創出の実績が見たい

《毎日新聞》
原子力規制委員長に更田氏 独立性保ち厳格な判断を
「加計」の解明拒む安倍政権 その姿勢が行政ゆがめる

《日本経済新聞》
成長戦略はなぜ成果を出せないのか
人手不足への対策が急務だ

《産経新聞》
個人情報 「実名」の重みを考えたい
「女性宮家」 皇位継承の大原則を守れ

《東京新聞》
独軍内の密謀 警戒すべき右傾の空気
公文書管理 意思決定が見えるよう

 気になるのは、原子力規制委員会の委員長人事。現実には、委員として、安倍政権の原発再稼働路線の「露払い」の役目を果たしてきたわけだからなあ。期待できないなあ。原発事故について、「事故の引き金を引いたのは想定外の事象だが、事故の準備に関しては不十分なところがあった」と答えたり、原子力事業者の根深い隠蔽(いんぺい)体質について「上から目線の体質というのは感じている」とは言っているんだけどね。

東日本大震災 避難者10万人下回る 6年2カ月で復興庁

 真実を隠すという点では、これなどは典型で…。

東日本大震災 避難者10万人下回る 6年2カ月で復興庁(毎日新聞)

 復興庁は30日、今月16日時点の東日本大震災の避難者が、全国で9万6544人になったと発表した。震災直後の推計47万人から6年2カ月で、ようやく10万人を下回った。東京電力福島第1原発事故による避難指示の一部解除に加え、自主避難者の住宅無償提供が3月末で打ち切られ、避難先の民間賃貸住宅を退去した人などが数字上、避難者数に計上されなくなったことが要因だ。
 福島県内の避難指示は、帰還困難区域を中心に7市町村で約2万4000人を対象に継続中で、自宅に戻るめどは立たない。津波被災地でも復興が遅れている地域があり、今も仮設住宅などで避難生活を送る被災者も多い。生活再建に向けた一層の支援が課題となる。
 避難者数は4月13日時点の前回調査と比べ、約1万2000人減った。避難先は47都道府県の1061市区町村。都道府県別では福島の減少が大きく、8653人減の2万3897人。宮城は2307人減の1万8706人、岩手は833人減の1万2694人だった。
 施設別に見ると、仮設住宅や公営住宅などが7万7433人、知人や親族宅1万8825人、病院に286人。
 復興庁は、避難者が現在暮らしている自治体からの報告に基づき、毎月の人数を集計している。原発事故の避難区域以外からの自主避難者を含めるかどうかについては明確な基準を示しておらず、事実上、自治体側の判断に委ねている。
 復興庁の担当者は「避難生活が長期化する中で被災者の体調が悪化しないよう、仮設住宅入居者へのケアを続けていく」と話している。

 避難中の方も「どうやら私、数から消された」と言っている人がいる。弁護士の小口さんが書いているけど、「国が3月末に『避難している人』に対する支援施策を一方的に打ちきった結果、支援施策を受けられている避難者数の人数が10万人を切ったという意味に過ぎ」ないのだ。つまり、「政府が避難者と認めている人の数が10万人を切った」ということ。ポスト・トゥルースの政治のひとつの典型的なあらわれだとしか言いようがないなあ。酷すぎるし、だからこそ、メディアの役割が問われているということだろうけど。

特定秘密保護法の改正 国連特別報告者が政府に勧告

 いや、このケイの調査をめぐる顛末をいろいろ思い出す。そこからして、日本は世界標準からかなり違う地点にある。

特定秘密保護法の改正 国連特別報告者が政府に勧告(東京新聞)

 国連人権高等弁務官事務所は三十日、言論と表現の自由に関するデービッド・ケイ特別報告者がまとめた対日調査報告書を公表した。その中でケイ氏は、日本の報道が特定秘密保護法などで萎縮している可能性に言及、メディアの独立性に懸念を示し、日本政府に対し、特定秘密保護法の改正と、政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法四条の廃止を勧告した。
 言論・表現の自由を巡る特別報告者の日本の調査は初めて。ケイ氏は昨年四月の訪日時に暫定調査結果を発表したが内容に大筋で変化はない。ケイ氏は報告書を国連人権理事会に提出、来月十二日の理事会会合で説明する予定。報告書の勧告に法的拘束力はない。
 報告書に対し、日本政府は「日本の現状について不正確で不十分な内容だ」と反論。放送法についても「憲法に基づき公共の福祉を守るため制定された」とし、批判は当たらないとした。
 メディアの自由について報告書は、放送法が民間放送局とNHKを規制できることを問題視し「メディアの自由と独立に対し制約を課しかねない」と指摘した。特定秘密保護法については、安全保障上問題がなく一般市民の関心のある情報については開示しても処罰されない例外規定を設けるべきだとした。
 また、沖縄での抗議活動への圧力に懸念を表明。抗議活動や取材を行えるよう政府に努力を求めた。
 ケイ氏は米カリフォルニア大アーバイン校の教授。二〇一四年八月、国連人権理事会から「言論および表現の自由の保護に関する特別報告者」に任命された。……

 そして、これに対し、政府は、国内向けには、世界では絶対に通用しないような開き直りを発言でごまかすのだろうなあ。うーん。

2017/05/30

沖縄戦、新たな視点で 県史刊行記念、那覇でシンポ

 なかなか注目される本なのだ。

沖縄戦、新たな視点で 県史刊行記念、那覇でシンポ(琉球新報)

 県教育委員会は28日、3月に発行した「県史各論編6 沖縄戦」の刊行を記念し、「『沖縄戦』を語る」と題したシンポジウムを那覇市の県立博物館・美術館講堂で開いた。約220人が参加した。県史の刊行に携わった研究者らが登壇し、意義や沖縄戦研究の現状について議論を展開した。
 前半の基調講演では沖縄国際大の吉浜忍教授と関東学院大の林博史教授が県史刊行の意義などについて紹介した。吉浜さんは県史の特徴を「沖縄戦だけで完結させず、戦後の継承の問題も議論している点にある」と述べた。林さんは今後の研究課題について「東南アジアや南洋諸島などで、沖縄の人々がどのように戦争に関わったかを明らかにする必要がある」と話した。
 後半のパネル討議では執筆者ら7人が登壇し、沖縄戦の研究成果や課題について議論を展開した。「日本軍慰安所」の項目を担当したひめゆり平和祈念資料館の古賀徳子さんは、辻遊郭の女性も慰安所に動員されたことに触れ「(朝鮮半島など)植民地だけでなく、沖縄の女性も慰安所で性被害を受けたことを明らかにできた」と述べた。
 参加した沖国大2年の山田珠妃さん(19)は「沖縄戦研究でこれまで光の当たらなかった分野に、若い研究者がスポットを当てていることが分かった」と話した。
 県史の沖縄戦編は増刷分もすでに完売し、県教委は再増刷を検討している。県立図書館や各市町村の図書館などでも閲覧できる。

 これがその目次。
Okinawasen_coverOkinawasen_sample まだまだ、明らかにされつくせない、戦争の実相というものがあるということ。
 ボクは、県に注文して、そして振込用紙が来た段階。ところが振り込みは、こちらでは、みずほの窓口でやらないといけない。ところが、そのみずほが近くにない! ということで、その後の手続きができないでいる。そして、お金を振り込んだら、それをまた県に送って、それで発送されてきて、郵送料は、配送の際にという、とってもややこしい手順。うーん。しかも完売というから、どうなるのやら。はやく何とかしないと。


2017年05月30日の新聞社説

《朝日新聞》
「共謀罪」審議 国内外の懸念に応えよ
森友問題 財務省は情報を消すな

《読売新聞》
個人情報保護法 改正への過剰反応を懸念する
北ミサイル発射 国際包囲網への無謀な挑戦だ

《毎日新聞》
ミサイル発射やめぬ北朝鮮 中国への働きかけが鍵だ
天皇退位法案の付帯決議 自民は皇族減少の直視を

《日本経済新聞》
企業は株主に「見えない役員」の説明を
1000億ドルファンドの光と影

《産経新聞》
大飯原発合格 有識者リスクも見逃せぬ
北のミサイル 抑止に資する制裁強化を

《東京新聞》
商工中金の不正 官製組織にメス入れよ
PKO撤収完了 貢献の在り方考えたい

 結構、テーマが分かれたのは以外。あまり、注目していないテーマもあったので。それでも多いのは北のミサイル。安全保障の議論をどうするかだな。

どうなる? 子どもと教育 「特別の教科 道徳」 のねらいは?

20170527_16214418738337_1429325063794901_762290780 先週の土曜日は、午後からここに。場所は東大農学部。久しぶりの本郷だな。でもないか。だけど、こういうところに出たときは、ちゃんと考えたことを書き留めておかないとなあ。なかなかそういうことがきちんとできていない。
なかみは、「安倍『教育再生』で、なぜ道徳の教科化なのか? 森友学園の教育から見えてくるもの」は俵義文さん (子どもと教科書全国ネット 21 事務局長)。「『特別の教科 道徳』の問題点」は渡辺雅之 さん (大東文化大学、民研「道徳教育プロジェクト」委員)。「『道徳』教科書はどんな内容?」は小佐野正樹 さん (東京民研共同研究者、元小学校教員)。現実に、教科書がつくられ、授業のありようが具体的になっていく局面。教科書の展示が6月1日からだから、なかなか、そういう教科書の記述に即して、つっこんでということにならなかったので、そこはもどかしい。
 道徳を考えるとき、2つの面が必ずある。この教科の導入のねらいや、そこにある右翼的な思想というものは明確だし、それを統制的手法ですすめていくこともはっきりしている。そのことをどう議論するのか。教材、教育内容に即しながら、ていねいにやっていかないと。現状の教育の現場はかなり厳しいから、よけいに、困難とそして大事さがあるのだろうが。もう1つは、では、実際にどういう授業をやっていくことで対抗していくのかという面。渡辺さんがパネラーにいた関係で、そういう点でも、議論になったのでよかった。最初はどんなシンポになるのかと思ったけど、議論は建設的で、実践的でもあったのでおもしろかった。結局、民主主義教育とは何か、その太い筋が大事ってことだけど。だけど、総じて、出席者は高齢者で、現役の先生はほんの数人。ここがしんどい。とりわけ、若い教師のなかで、どんな議論がいちばんいいのかということをよく考えないと。後者の議論を、若い先生の悩みや試行錯誤に重なる形ですすめながら、とにも前者を考えていくという感じか。そのためには、相当の決意や覚悟が求められると思うのだけどなあ。

2017/05/29

変貌するPKO 現場からの報告

 昨日のNスぺ。一昨日テレビが壊れて、あわてて、新しいものを注文して、セットして……。少し、いままでより、小ぶりで、性能もダウン。まあ、ほぼ、ボク専用なわけだから、安いやつ、安いやつ。しかし、このNスぺには驚いたなあ。

Img_02 南スーダンで国連のPKO活動に派遣されている陸上自衛隊が、5月末までに撤収することが決まった。治安情勢が悪化する中で、様々な活動を行ってきた自衛隊。その活動を振り返ると、施設部隊としての実績とともに、PKOが直面する「課題」や「任務の変化」がみえてきた。  世界中で展開するPKOは、いま大きな分岐点を迎えている。これまで「停戦監視」や「国づくり支援」が中心だったのに対し、今やテロ組織の脅威にも対応しなくてはならず、任務は長期化。住民や国連職員を守るための「戦闘も辞さない文民保護」が求められるようになった。  そうした中、オランダはPKOから一部の部隊を撤退。アメリカも「アメリカ第一主義」を唱えるトランプ大統領のもと、国連の活動への関与を弱めつつある。しかし一方で、中国は、アフリカPKOに積極的に派遣するなど、存在感を増している。  いったいPKOはこれからどうなっていくのか。日本は、世界は、それにどう向き合おうとしているのか。自衛隊や世界各国の活動を検証しながら、国際貢献のありかたを探っていく。

 南スーダンのPKOの間近での戦闘の様子や、自衛隊がどこまで危険だったのかということがかなりリアルに取材されている。自衛隊が隠してきた事実も。その背景にあるPKOの変質、変化。オランダの話も生々しかったし、中国の話も。
 自衛隊員も、死を覚悟して、家族への思いを手帳に震えながら書いた話だとか。うーん。
 ここまで、迫ったのは驚いた。しかも、それが放映されたのが、完全撤退が完了した直後。これもまた、なんともはやだけど。
 今後の議論の参考にしていくべきなんだろうなあ。まずは。

2017年05月27日から05月29日の新聞社説

2017年05月27日
《朝日新聞》
子どもの安全 見守る目の多いまちを
債権法改正 国民への周知を丁寧に
《読売新聞》
加計学園問題 「特区指定」の説明を丁寧に
日米首脳会談 対「北」圧力に中国を取り込め
《毎日新聞》
日本スポーツ界の女性役員 「1割」程度では情けない
自民党の「9条加憲」論議 空文化を狙っていないか
《日本経済新聞》
戦後3位「長きをもって貴しとせず」
人口減が問う地方議会の姿
《産経新聞》
加計学園問題 不毛な泥仕合は見苦しい
日米とG7 北朝鮮対処で議論主導を
《東京新聞》
名古屋議定書 命の恵み未来へつなげ
加計学園問題 国民に真実を知らせよ

2017年05月28日
《朝日新聞》
憲法70年 学問の自由は誰のために
《読売新聞》
NATO会議 米欧の対露認識の溝は残った
南スーダン撤収 陸自PKO経験を次に生かせ
《毎日新聞》
安倍首相の在任 戦後3位に 「1強」のひずみは深刻だ
G7が対テロ・ネット規制 ISを封じ込めるために
《日本経済新聞》
サミット宣言をテコに北朝鮮に圧力を
危うさ残る産油国の減産延長
《産経新聞》
いじめ隠し 教師が救わずにどうする
G7とテロ 進化した脅威への備えを
《東京新聞》
週のはじめに考える 「知多前」に愛を込めて

2017年05月29日
《朝日新聞》
G7サミット 価値を守る責務今なお
日印原発協定 やはり懸念がぬぐえぬ
《読売新聞》
23区の大学規制 一極集中是正の効果は疑問だ
G7サミット 「米国第一」回避へ結束強めよ
《毎日新聞》
G7の「反保護主義」弱まる 世界への責任果たせるか
「共謀罪」きょうから参院へ 抜本的な修正を求める
《日本経済新聞》
今こそG7サミットの意義を問い直そう
データビジネスを育てよう
《産経新聞》
G7サミット 枠組みの価値は維持した 「保護主義」阻む努力を続けよ
《東京新聞》
G7サミット 米国は孤立する気か


2017/05/26

「共謀罪」審議、「不十分」60% 朝日新聞世論調査

 出張校正など仕事の山場の数日間はいろいろなことが起こっている。おどろくほどの。

「共謀罪」審議、「不十分」60% 朝日新聞世論調査(朝日新聞)

 「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案の衆院通過を受け、朝日新聞社は24、25の両日、全国緊急世論調査(電話)を実施した。衆院での審議は「十分ではなかった」60%が「十分だった」16%を引き離した。法案への賛否は「賛成」30%、「反対」35%で、「その他・答えない」が35%に上った。
 法案への国民の理解は、「深まっていない」73%に対し、「深まっている」は13%にとどまった。
 衆院での審議については、安倍内閣の支持層でも「十分ではなかった」48%が「十分だった」27%を上回った。法案に「賛成」とする人では、「十分ではなかった」41%、「十分だった」40%と分かれた。
 自民、公明両党などが採決を強行して可決した国会での進め方は「よくなかった」58%に対し、「よかった」は23%。政府・与党は、6月18日まで予定している今の国会で法案を成立させる方針だが、今国会成立の「必要はない」は57%で、「必要がある」の23%と差がついた。内閣支持層では「必要はない」41%、「必要がある」40%と割れた。
 ただ、テロ対策のために必要だとする安倍晋三首相の説明には、全体で「納得できる」46%が「納得できない」37%を上回った。
 法案そのものへの賛否は、4月定例調査(電話)では「賛成」35%、「反対」33%。5月定例調査(同)では「賛成」38%、「反対」38%。拮抗(きっこう)状態が続いてきたが、今回の調査では「反対」が「賛成」をやや上回った。「その他・答えない」が常に2~3割いる点は変わらなかった。
 法案への賛否を年代別にみると、若年層ほど法案に賛同する傾向があった。18~29歳、30代、40代の各年代では、それぞれ4割前後が「賛成」と答え、「反対」を上回った。これが50代以上になると賛否は逆転し、70歳以上までの各年代で4割前後が法案に「反対」と答え、「賛成」を上回った。
 内閣支持率は47%(5月定例調査48%)、不支持率は31%(同29%)だった。

 これが調査結果。

 「共謀罪」はだいぶ世論の動きが変わってきているということがよくわかる。そして、この後に、加計問題での大きな進展があるわけで。さて、今後は、どうなるのか?

2017年05月23日から05月26日の新聞社説

2017年05月23日
《朝日新聞》
米抜きTPP 旗を掲げ続けるには
中台関係 現状維持が安定の道だ
《読売新聞》
イラン大統領選 国際協調路線が信任された
北ミサイル発射 安保理は早期に追加制裁せよ
《毎日新聞》
文科省の「総理の意向」調査 これで幕引きとはいかぬ
トランプ政権のイラン政策 宗派間の対立をあおるな
《日本経済新聞》
「TPP11」を含め通商協議の同時加速を
中東に欠かせぬイランの役割
《産経新聞》
TPP11 日本主導で道筋をつけよ
北のミサイル 一層の圧力をかける時だ
《東京新聞》
マクロン仏政権 ドイツ化なら茨の道に
赤ちゃんポスト 子どもの命守るために

2017年05月24日
《朝日新聞》
東京都議選 なれ合いを脱せるか
テニス八百長 手を尽くし信頼回復を
《読売新聞》
東芝経営問題 再建の道筋をどう確保するか
テロ準備罪法案 普通の国民は監視の対象外だ
《毎日新聞》
がん患者と働く環境 受動喫煙の防止が重要だ
英コンサート会場爆破 欧州は対テロで再結束を
《日本経済新聞》
小粒で先送りが多い規制改革答申を憂う
なお残る「共謀罪」法案の懸念
《産経新聞》
文政権の外交 軸足を間違えてはならぬ
英国で自爆テロ 備えと結束を新たにせよ
《東京新聞》
「共謀罪」衆院通過 戦前の悪法を思わせる

2017年05月25日
《朝日新聞》
英自爆テロ 暴力の根を絶つ結束を
河野統幕長 軽率すぎる改憲発言
《読売新聞》
英自爆テロ 警備の弱点突いた卑劣な犯行
トランプ初外遊 中東安定化の戦略が問われる
《毎日新聞》
原発再稼働に頼る関電 持続可能な経営なのか

トランプ政権と中東和平 仲介の実が問われている
(2017年05月25日)
《日本経済新聞》
米中東政策の転換に長期戦略はあるかテロとの戦い、結束を新たに
《産経新聞》
中核派 過激組織の警戒を怠るな
年内に自民改憲案 首相方針へ論議の加速を
《東京新聞》
英の自爆テロ 分断解消への議論も
新大学入試案 50万人というハードル

2017年05月26日
《朝日新聞》
米の中東政策 不信の解消が出発点だ
前次官の証言 国会の場で解明せよ
《読売新聞》
がん患者の就労 治療と両立できる環境作りを
憲法9条改正案 まず自民が具体論を主導せよ
《毎日新聞》
トランプ氏初参加のG7 価値観の共有が試される
「加計学園」問題で新証言 もう怪文書とは言えない
《日本経済新聞》
農協は金融依存を改め本来の姿に戻れ
見通し甘すぎる米予算教書
《産経新聞》
中国の邦人拘束 早期帰国へ行動を起こせ
統幕長発言 自衛隊員の名誉を守った
《東京新聞》
台湾蔡政権1年 既得権に切り込めるか
藤井四段快進撃 人間の可能性を見たい

2017/05/22

毎日新聞世論調査 20年改憲「不要」59% 内閣支持、46%に下落

 毎日の世論調査。

毎日新聞世論調査 20年改憲「不要」59% 内閣支持、46%に下落(毎日新聞)

 毎日新聞は20、21両日、全国世論調査を実施した。憲法9条の1項、2項をそのままにして、自衛隊の存在を明記するという安倍晋三首相の憲法改正案については、「反対」31%、「賛成」28%と回答が分かれた。「わからない」も32%あった。首相は改正憲法の2020年施行を目指す考えを表明したが、それに向けて改憲の議論を「急ぐ必要はない」は59%に上り、「急ぐべきだ」の26%を大きく上回った。内閣支持率は4月の前回調査から5ポイント減の46%、不支持率は5ポイント増の35%だった。支持率が5割を切ったのは昨年11月調査以来。
 9条を改正すべきだと「思わない」は49%で、4月調査から3ポイント増えた。「思う」も3ポイント増で33%。5月3日の首相の改憲提案前後で大きな変化はない。
 9条改正派には、戦力不保持を定めた2項を見直すべきだという主張もある。ただ、今回の調査では、改正すべきだと思う層の69%が自衛隊明記に賛成した。
 首相は国会の憲法審査会に議論を委ねる姿勢を示してきたが、その途中で、自民党総裁として具体案に言及した。こうした首相の議論の進め方が「問題だ」は48%で、「問題はない」の31%より多かった。内閣支持層は
「問題はない」が51%、不支持層は「問題だ」が84%となった。

 ちなみに「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について「今国会成立にこだわらず議論を続けるべきだ」という回答が52%と過半数を占めたという。「今国会で成立を図るべきだ」は17%、「廃案にすべきだ」は14%。
 皇室制度についても聞いていて、「女性宮家」について聞いたところ、「認めた方がよい」41%▽「認めなくてもよい」20%▽「わからない」25%。
 「加計学園」が国家戦略特区で獣医学部を新設する計画を巡って、「総理の意向」が働いたとされる文書が見つかった問題では、国会で「事実関係の解明に乗り出すべきだ」は54%で、「その必要はない」の28%を大きく上回った。
 わりあいと、きちんとした調査になっている感じ。

2017年05月22日の新聞社説

《朝日新聞》
安倍政権 知る権利に応えよ
イランの選択 対外融和の流れ加速を

《読売新聞》
ゲノム編集技術 適正な活用にルール備えたい
TPP閣僚会合 11か国で早期発効へ歩み寄れ

《毎日新聞》
「点字毎日」創刊95年 確かな情報提供続けたい
自民憲法本部の体制刷新 首相の政略ばかり目立つ

《日本経済新聞》
日本のエレクトロニクスは復活するか
改善が必要な高齢者がん治療

《産経新聞》
テニスの八百長 日本は「高潔」誇れるのか
「ロシア疑惑」捜査 公正な手続きで真相探れ

《東京新聞》
イラン大統領 対外融和路線を続けよ
少子化と廃校 地域主体で未来図を

 何かうまく言えないけど、新聞社説にとりあげられている問題は、ほんとにザラついた感じがする。ちゃんと議論がなされていく感じがしないから。うーん。それは、世界的に共通したことでもあり、日本特有のことでもある。そのあたりをきちんと見ていかないとかあ。

障害児の学童疎開 語り継ぐ記念碑の除幕式 長野

 こういうところはさすがにNHK。大事なニュースを発信している。

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障害児の学童疎開 語り継ぐ記念碑の除幕式 長野(NHKニュース)

 戦時中、学童疎開で障害のある東京の子どもたちを受け入れた長野県のホテルに、疎開の記憶を語り継ぐ記念碑が建てられました。
 記念碑は、長野県千曲市にある上山田ホテルに建てられ、21日、除幕式が行われました。
 このホテルでは昭和20年、東京・世田谷区の体の不自由な子どもたちが通う学校から学童疎開でおよそ60人を受け入れました。当時、障害のある子どもは疎開の対象になっていませんでしたが、校長の強い要請で実現したということです。疎開を始めた10日後に学校の校舎は空襲で焼けましたが、子どもたちは難を逃れました。
 記念碑は、多くの人たちの支援で命が守られた歴史を語り継ごうと建てられ、疎開中、松葉づえをついて歩く訓練をしていた2人の子どもの姿が描かれています。
 疎開した子どもの1人だった今西美奈子さん(82)は「親元を離れ、夜になると泣いていましたが、長野の皆さんの愛情に支えられました。記念碑で感謝の気持ちと戦争のつらさが伝わってほしい」と話していました。
 また当時、近くの郵便局に勤めていた若林恒正さん(92)は「子どもたちが川で楽しそうに遊んでいたのを覚えています。地元の誇らしい歴史が形になってよかった」と話していました。

 3年ほど前に、「戦闘配置されず~肢体不自由児たちの学童疎開~」という番組がETV特集で放映されている。今回のニュースはその舞台となった光明養護が疎開した先のこと。また、さらにそれ以前には、障害者たちの太平洋戦争という番組が、同じETV特集で放映された。日ごろから、お世話になっている人が出ていた番組。いまも、いろいろな調査や研究がコツコツと続いているが、障害者を、生きている価値のない存在として究極が戦争体制にあるわけで、そうした考えがいまも根強く存在する以上、こうした積み重ねを伝えていかないといけない。

2017/05/21

発達障害 ~解明される未知の世界~

 今日のNスぺは発達障害。あながち無関係ではな いし。

Thum_01 小中学生の15人に1人と言われる「発達障害」。これまで、主に社会性やコミュニケーションに問題がある障害として知られてきたが、最新の脳科学研究や当事者への聞き取りにより、生まれつき、独特の「世界の見え方・聞こえ方」をしているケースが多いことがわかってきた。多くの人にとっては何でもない日常空間が、耐えられないほどまぶしく見えたり、小さな物音が大音量に聞こえてパニックになったり。その独特の感覚・認知が、実は、社会不適応につながる原因のひとつになっていたのだ。
 この世界を解き明かし、周囲が理解することで、発達障害の当事者の生きづらさは軽減。さらに「新たな能力」を引き出すことにもつながると、世界の教育・ビジネスの現場が注目している。
 身体障害と違い、「見えにくい障害」と言われる発達障害。番組では、当事者の感覚・認知の世界を映像化。これまで誰にも言えなかった、わかってもらえなかった当事者の思いを生放送で発信する。周囲から「空気が読めない、つきあいづらい人」などと誤解されてきた行動の裏にある「本当の理由」を知ったとき、あなたの常識が大きく変わる。

 医学的な知見に傾斜するのではなく、あくまで当事者にどのように見え、どのように感じているのかというところに焦点をあてて、つくられているというところがよかった。
 番組の後半、人材とか能力とかに傾斜していくのはちょっとだけど、有働さんが否定していた。また、そういう取り組みは理解はできる。多様な世界、もっといろいろ知りたいなあと、そういう思いが残ったのも事実。

2017年05月21日の新聞社説

《朝日新聞》
入試英語改革 「話せる」授業どう作る
米政権の疑惑 外交への波及を憂う

《読売新聞》
自民麻生派拡大 人材育成にも力を注いでは
GDPプラス 持続力を高める工夫が必要だ

《毎日新聞》
小規模町村の住民総会 検討に値する選択肢だ
がん対策の基本計画 治療しながら働くために

《日本経済新聞》
保育拡充で仕事と子育ての両立支えよ
銀行は収益構造の改革を急げ

《産経新聞》
蔡政権1年 民主主義の成熟を強みに
イラン大統領再選 米との対立克服へ努力を

《東京新聞》
週のはじめに考える 人間の価値は稼ぐ力か

 いろいろだ。

「共謀罪」法案、国連特別報告者が懸念 首相に書簡送る

 結構、ポイントついている。


「共謀罪」法案、国連特別報告者が懸念 首相に書簡送る(朝日新聞)

 19日に衆院法務委員会で可決された「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法の改正について、特定の国の人権状況などを調査・監視・公表する国連特別報告者で、「プライバシー権」担当のジョセフ・カナタチ氏(マルタ大教授)が、「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」として懸念を表明する書簡を安倍晋三首相あてに送った。18日付。書簡は「法案の成立を急いでいるために十分に公の議論がされておらず、人権に有害な影響を及ぼす危険性がある」と立法過程の問題にも言及している。
 内容については、①法案の「計画」や「準備行為」が抽象的で恣意(しい)的な適用のおそれがある②対象となる犯罪が幅広く、テロや組織犯罪と無関係のものを含んでいる――などと指摘し、「どんな行為が処罰の対象となるのか不明確で、刑罰法規の明確性の原則に照らして問題がある」。「共謀罪を立証するためには監視を強めることが必要となるが、プライバシーを守るための適切な仕組みを設けることが想定されていない」などと懸念を示した。…

 弁護士さんがブログで、その書簡を詳しく紹介している。

 ぜひ、熟読を。
 いまゆる自由権についても、日本は世界標準から遠い所にあるんだよなあ。言ってみれば、権力から個人が尊重されていないってこと。だから、社会権なってという流れから、個人の尊重をとらえる議論があるというのはまた、別の話だけど、そのくらい、個人の基本的な人権が、蔑ろにされているってこと。そんな議論が真剣になされなえればならないということか。

2017/05/20

2017年05月20日の新聞社説

《朝日新聞》
「共謀罪」採決 国民置き去りの強行だ
退位特例法案 後世に残す本格審議を

《読売新聞》
トランプ政治 ロシア疑惑を自ら拡散させた
「退位」特例法案 円満な成立へ詰めの努力急げ

《毎日新聞》
「共謀罪」法案委員会で可決 懸念残しての強行劇だ
天皇退位法案を閣議決定 国民に伝わる国会審議を

《日本経済新聞》
台湾は改革推進で中国の風圧しのげるか
2%成長に慢心せず改革を

《産経新聞》
国連拷問委 不当な日本批判をただせ
テロ等準備罪 国民の生活を守るために

《東京新聞》
「共謀罪」採決 懸念は残されたままだ
天皇退位法案 女性宮家も論ぜねば

 共謀罪。読売、日経はスルー。あまりにものやり方には、さすがになかなか発言しにくいのかなあ。(苦笑)

<仙台中2自殺>保護者絶句「まさか先生が」

 いじめ自殺の事件が続いている。うーん。

<仙台中2自殺>保護者絶句「まさか先生が」(河北新報)

 いじめ被害を訴え、4月にマンションから飛び降りて死亡した仙台市青葉区の市立中2年の男子生徒(13)は、2人の教諭から体罰を受けていた。「まさか、先生が…」。耳を疑うような事態を知った保護者らは19日、驚きのあまり絶句した。
 男子生徒は自殺前日も体罰を受けており、市教委は自殺と体罰の関係性を否定しなかった。同じクラスだった生徒の保護者は「体罰が自殺の引き金だったとすれば本当に許せない。学校は原因究明をする気があるのか疑問だ」と憤った。
 別の保護者の関係者は「(特定の教諭が)何かと理由を付けて、男子生徒の頭を日常的にたたいていたと聞いた。男子生徒は『先生が怖い』とおびえていたようだ」と明かした。
 遺族関係者によると、男子生徒は同級生から嫌がらせを受けて教諭に相談しても、他の生徒の言い分が優先され、逆に怒られることが度々あった。男子生徒は周囲に「先生に言っても自分が悪いことにされる」と打ち明けていたという。
 仙台市では2014年9月に泉区の館中1年の男子生徒が、16年2月に同区の南中山中2年の男子生徒がいじめに絡み自殺。中学生の自殺の連鎖に、それぞれの遺族は学校への不信感をさらに強めた。
 館中の父親は「先生が暴力を振るえば、生徒がまねをするのは当然。学校全体が加害者だ」と非難。南中山中の父親は「学校は外部から指摘されるまで知らぬ存ぜぬばかり。息子の時から何も変わっていない」と批判した。
 市教委は19日夜、学校で2年生の生徒の保護者を対象に説明会を開き、教諭による体罰があったことを謝罪した。
 校長は保護者会後に取材に応じ「教諭による体罰は痛恨の極みだ。教育の信頼を損ない、深くおわびしたい」と語った。

 これなど、学校のあり方そのものが問われている。教師のあり方が。

 そして、こんな事件も。

兵庫・多可町 小5女児自殺で第三者委設置へ(毎日新聞)

 兵庫県多可町の町立小5年の女児が今月、自殺を図って死亡したことが関係者への取材で分かった。町は19日、いじめの有無を含め原因を調べるための第三者委員会設置に必要な条例制定を町議会文教委員会に諮る方針。
 町教委は18日夜、女児が通っていた小学校で非公開の保護者説明会を開いた。担当者は取材に対し、「遺族の意向があり、今の段階では何も話せない」と答えた。別の町幹部は「町議会で第三者委員会の設置について話し合う」と述べた。
 関係者によると、女児が自殺を図ったのは今月1日で、その後死亡した。今年4月から学校を休んだことはなかったという。
 同町の小学校は町教委のマニュアルに沿って、定期的に児童にアンケートをし、校内でいじめが起きていないかどうかを調べているという。

 いじめ問題は、ほんとうに深刻な事態が続く。理解は、少しでもすすんでいるのだろうか?

内閣支持5割切る=皇位安定継承、半数が「直ちに」-時事世論調査

 うむ。内閣支持率はさらに低下している。

内閣支持5割切る=皇位安定継承、半数が「直ちに」-時事世論調査(時事通信)

 時事通信が12~15日に実施した5月の世論調査で、安倍内閣の支持率は前月比3.4ポイント減の46.6%となった。3カ月連続の減少で、5割を割り込んだのは昨年12月の調査以来5カ月ぶり。不支持率は同1.6ポイント増の28.9%だった。今村雅弘前復興相が東日本大震災に関する「東北で良かった」発言で引責辞任するなど、閣僚らの相次ぐ失態が影響したものとみられる。
 天皇陛下の退位を実現する特例法案が閣議決定されたことに関し、政府が安定的な皇位継承に向けて直ちに取り組むべきかどうか尋ねたところ、「直ちに取り組むべきだ」が49.6%、「急ぐ必要はない」は41.8%で意見が分かれた。「分からない」は8.6%だった。
 韓国の文在寅政権で慰安婦問題をめぐる日韓合意が守られると思うかどうかについては「思わない」が70.3%となり、「思う」の10.0%を大きく上回った。文政権に対する期待度の低さが浮き彫りとなった。
 内閣を支持する理由(複数回答)は、「他に適当な人がいない」20.9%、「リーダーシップがある」15.1%、「首相を信頼する」11.1%。支持しない理由(同)は「首相を信頼できない」12.6%、「期待が持てない」12.4%、「政策が駄目」11.1%だった。
 政党支持率は、自民党が前月比1.6ポイント増の26.9%、民進党は同0.2ポイント増の5.0%。以下、公明党3.5%、共産党1.7%、日本維新の会1.1%と続いた。
 調査は全国の18歳以上の男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は64.6%。

 内閣支持の消極的傾向という脆弱さは感じるが。さらに、「他国からミサイル攻撃を受ける前に敵基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」を日本が保有することへの賛否を尋ねたところ、反対が48.1%と半数近くに上った。賛成は38.3%。脅威を増す北朝鮮の弾道ミサイルに対処するため保有検討を求める声が自民党などにあるが、慎重な国民意識が示された」と。米国が北朝鮮に対し軍事力行使も辞さない強硬姿勢で臨んでいることに対しては、「大いに評価する」18.5%と「ある程度評価する」47.4%を合わせ、6割超が肯定的に評価した。「あまり評価しない」は21.7%、「全く評価しない」は5.5%だったという。外交にかかわっては、いろいろな意識のねじれがある。戦争へ恐怖を感じるというのは2面性があるということか。

2017/05/19

2017年05月19日の新聞社説

《朝日新聞》
関電の原発 再稼働に展望あるか
日韓関係 首脳交流の早期復活を

《読売新聞》
高浜原発再稼働 仮処分が招く混乱に終止符を
国連拷問委勧告 慰安婦合意見直しは筋違いだ

《毎日新聞》
大規模サイバー攻撃 安全策の徹底迫る警鐘だ
トランプ政権のロシア疑惑 特別検察官は徹底捜査を

《日本経済新聞》
トランプ大統領はまっとうな政権運営を
獣医学部新設の経緯を示せ

《産経新聞》
高浜原発再稼働 仮処分被害者は消費者だ
ハリス司令官来日 強固な同盟の姿を示した

《東京新聞》
高浜原発再稼働 置き去りにしたままで
日本の平和主義 憲法主権者ここにあり

 鳫発再稼働。みんなやめたほうがいいと思っているのに、そういう意見は無視され、それでもそういう政権が続く。大きな世論の包囲にならないメカニズムはどのようにつくりあげられているのか。そういう疑問にこたえ、そういう問題を乗り越えるようなことが必要なんだろうけれども。

2017/05/18

2017年05月18日の新聞社説

《朝日新聞》
加計学園問題 疑問に正面から答えよ
皇室の将来 議論の先送り許されぬ

《読売新聞》
郵政赤字決算 M&Aの失敗から多くを学べ
眞子さま婚約へ 二人の出会いを祝福したい

《毎日新聞》
学部新設で「総理の意向」 事実関係の解明が必要だ
眞子さまご婚約へ 「女性宮家」の議論加速を

《日本経済新聞》
日銀の金融政策「出口」の議論は丁寧に
女性宮家を考える契機に

《産経新聞》
ミサイル撃ち続ける相手に対話か 安保理警告無視する北朝鮮に日米韓主導で強い措置を
眞子さまご婚約へ 慶事を心よりお祝いする

《東京新聞》
加計学園問題 首相は自ら真相を語れ
日本の平和主義 見直すべきは安保法だ

 加計学園問題もいよいよ火がついてきたなあ。知らぬ存ぜぬで、突っ走るのだろうけど。官僚や政治家のなかでは、いまどんな状況になっているのだろうかねえ。眞子さん問題で、またもや、女性宮家問題。天皇家(制)の存続がかかっている問題だけにねえ。現天皇の心中も穏やかではなかろうなあ、まあ、本質問題ではないけどね。

MX「ニュース女子」審理へ=BPO人権委

 うーん。MXの反応がなあ。

MX「ニュース女子」審理へ=BPO人権委(時事通信)

 放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会(坂井真委員長)は17日、沖縄県の米軍施設建設反対運動を特集した1月放送の東京MXテレビの情報バラエティー番組「ニュース女子」について審理入りを決めたと発表した。
 運動を支援しているとされた市民団体代表の女性が「事実と異なる虚偽」「差別発言」などがあったと同委に申し立てていた。
 同番組はBPO放送倫理検証委員会でも審議されている。

 MXはこの1月2日放送の情報バラエティー番組「ニュース女子」について、「事実関係に捏造(ねつぞう)、虚偽があったとは認められず、放送法、放送基準に沿った内容だった」との見解を公式ホームページで公表しているのだ。驚くべき、開き直り……。
 先日、MXの同じ番組を見てみた。いやはや驚いた。まったくのヘイト基調の番組。こんな番組がテレビという公共の場でおこなわれているとは。かつてから、これは嫌だなあという、ニュース番組はあったけれども、もう度を越した番組が、実は、それなりにひろがっているのだろうなあ。そのことそのものも軽視できないなあ。

2017/05/17

2017年05月17日の新聞社説

《朝日新聞》
一帯一路構想 中国の資質が問われる
対北朝鮮政策 複眼思考で制裁強化を

《読売新聞》
サイバー攻撃 安全対策に手抜かりはないか
大学新入試案 受験生の力を適切に測りたい

《毎日新聞》
「核のごみ」最終処分場選び 信頼得る地道な努力を
文科省が新テスト案を公表 公平性の確保がカギ握る

《日本経済新聞》
米中の動きもにらみ日中関係の改善を
大学新入試は何をめざすのか

《産経新聞》
「一帯一路」会議 覇権主義の危うさ拭えぬ
サイバー攻撃 危機感持ち自衛策講じよ

《東京新聞》
中国「一帯一路」 ウィンウィンが全てか
日本の平和主義 「改憲ありき」が透ける

 大学入試の改革。新テストは、公平性が焦点なのかと、報道や社説に首をかしげるなあ。もっと、突っ込んで、みてほしいのだけどなあ。今日も、中国。やっぱり、ちゃんと勉強しなきゃ。

センター試験後継案、英語は民間で 国数に記述式問題

 うーん。これは、いったい何がしたいのか?

センター試験後継案、英語は民間で 国数に記述式問題(朝日新聞)

 文部科学省は16日、大学入試センター試験の後継として、2020年度から導入する新テスト「大学入学共通テスト」(仮称)の実施方針案を公表した。英語は、英検など民間試験で「読む・聞く・話す・書く」の4技能を評価。初年度から全面移行する案と、23年度まではセンターが作る問題も併存させる案を示し、6月末までに絞る。国語と数学では3問程度の記述式を出題する。
 センター試験が始まった1989年度以来の大きな改革で、現役なら21年4月に入学する今の中3から対象となる。
 大学入学共通テストの出題科目数は国語や数学Ⅰ、世界史A、物理などセンター試験と同じ30科目。高校の新しい学習指導要領が導入された後の24年度以降、科目の絞り込みを検討する。
 英語では、英検やTOEICなどの民間試験のうち、指導要領に対応し、実施場所の確保、採点の質といった条件を満たす試験を大学入試センターが認定。高3の4~12月に2回まで受けることができる。そのうえで、大学入試センターが作る従来の英語の「読む・聞く」の問題については、①20年度から廃止して民間試験に全面移行する②制度変更の影響に配慮し、23年度まで残す――の2案を提示。6月末までに一つに絞る。
 結果はCEFR(セファール,欧州言語共通参照枠)という国際基準に対応させて6段階などの段階別で示し、各大学が2次試験の出願資格などに使うことを想定する。
 国語と数学の記述式問題は、センターが作り、採点は民間業者に委託する。成績は3~5段階で示し、試験時間は、国語でいまの80分から100分程度に、数学で60分から70分程度に延びる見通しだ。
 国語は記述式の大問を1問設け、小問を3問程度出す。題材は、民間の契約書や公文書など実用的な文章も扱い、80~120字で答える問題を入れる。センターが示した問題例では、架空の市の「景観保護ガイドライン」についての親子の会話を読ませ、議論の対立点を20字以内で述べさせたり、賛成意見を120字以内でまとめさせたりする。……

 これが、大学入試センターによる例題
 素人のボクらでも、いい問題だなあ、これはちょっとと感じるものだけど、これは……。たとえば国語。資質と能力ということが言われる、昨今だけど、なんか学力というものが、その質を問う、小論文問題でも、非常に表層的、テクニカルなものにされてしまっている感じがする。高校時代をとおして、読んだり、書いたりするなかで、何を学ぶのかということが、考慮されているのだろうかなあ。いったい、入試改革はどこにいくのだろうか? これで、ほんとうに進むのか???

「壊憲」「共謀罪」に反対 市民連合会見 野党共闘を強化へ

 昨日の市民連合の記者会見、なかなか、大手新聞では報道されないなあ。

「壊憲」「共謀罪」に反対 市民連合会見 野党共闘を強化へ(しんぶん赤旗)

 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)は16日、衆院第1議員会館で会見を開きました。安倍政権与党の自民・公明によって今週にも衆院での採決強行が狙われている「共謀罪」法案を廃案にし、安倍首相による改憲を全力で阻止していくと強調。「市民が声をあげ、野党共闘を強化していく」と表明しました。
 会見には、中野晃一(上智大学教授)、土井登美江(総がかり行動実行委員会)、山口二郎(法政大学教授)、岡歩美(市民連合みえ・呼びかけ人)、高田健(総がかり行動実行委員会共同代表)の各氏が参加しました。
 憲法9条に自衛隊の存在を明記する3項を設けるとした安倍首相の発言について、山口さんは「これは改憲ではなく壊憲だ」と指摘。「ことは憲法の条文をどう変えるかではない。安倍首相による憲法破壊の企てを許すかどうかだ」と語りました。
 「共謀罪」法案について岡さんは、「国がしていることがおかしいと思っても、声すらあげられない状況になるんです。私は政府に忖度(そんたく)せず、反対の声をあげていきます」。
 記者から野党間の連携について問われた中野さんは、「互いに別の理念をもつ野党は、本来、共闘などしません。安保法制反対のときも、市民から『野党は共闘』の声が起こり、その声に耳を傾けるなかで共闘をつくっていった」と発言。高田さんも「いま全国各地で『市民連合』ができ、野党と一緒にたたかっている。共闘は力強く進んでいる」と話しました。

 中野さんは、「今安倍さんがやっていることは超然内閣。メディアは王様は裸だ、ときちんと報道する必要がある。今こそ声をあげて立憲主義や民主主義を守らないと未来の世代に対して向ける顔がなくなる」「護憲、改憲という議論をこえて、運動を展開しないといけない。立憲連合という形で市民と野党が連携しているのは向こうにとって脅威。向こうの曖昧な提案とも取れない態度に乗る必要はない。非立憲政治を許してはいけないということ」野党の連携に関して。それぞれ考え方が違いやりたいことも違う。それが、安保法制の運動が野党共闘を呼びかけてあの形をつくっていった。バラバラなのではない。自民党のようにボスが威圧的に決めるというのではなく、民主主義的な議論をしているという風にメディアは捉えないといけない」など、発言。いま、ほんとうに政治的な、政策的な議論を、市民と野党が積み重ねて、しっかりした対抗運動にしていかないとなあ。

 政治の問題は、いまとても難しい。悩むし、自分が判断していることがほんとうに正しいのか、自信をなくす。そのなで、いろいろ、まじめに模索するしかないのだけどね。対抗するためには何がいま必要なのかと。

2017/05/16

教育無償化 「改憲なくても実現」 9条とセットに違和感

 ちょっと前の新聞だけど、先輩が出ているので、クリップしておかないと。

教育無償化 「改憲なくても実現」 9条とセットに違和感(毎日新聞)

 安倍晋三首相が憲法改正の項目に、大学や短大などの高等教育の無償化を9条とセットで挙げ、注目を集めている。しかし、以前から無償化を求めてきた人たちは「改憲を果たすため、国民の賛同を得やすいこの問題を持ち出したのでは」と冷ややかだ。「憲法を変えなくても無償化は実現できる。すぐに取り組んでほしい」と訴えている。
 4月に東京大に入学した女子学生(18)=長崎市出身=は貸与型の奨学金を受けている。月額は5万1000円。1万3000円の寮で暮らす。仕送りはない。引っ越したばかりで、まだアルバイトを探している最中だ。4月は古里を離れる時に親類などからもらった餞別(せんべつ)を使って切り抜けた。
 4年間で卒業したとしても、貸与額は240万円を超える。「大学院で研究したい気持ちもある。けれど、さらに2年間で貸与額が120万円も増える」。借金を抱えて社会人としてスタートを切らなければならないと考えると「就職活動も安定志向になる」とこぼす。首相は「2020年に新憲法を施行したい」と3年後を見据えるが、女子学生は「今の学生に目を向けてほしい、国立国会図書館の2015年の調査によると、経済協力開発機構(OECD)に加盟する34カ国のうち、大学の授業料が無償なのはドイツやスウェーデンなど欧州の13カ国。米英などは有償だが補助が手厚く、日本は授業料が高い上に補助が少ないという」と話した。
 国は住民税非課税世帯の子どもや児童養護施設出身者を対象にした返済不要の給付型奨学金(月額2万~4万円)を創設した。来年度から本格的に実施されるが、対象は1学年あたり2万人と限定的だ。首都圏の大学生有志でつくる「Rights to Study(ライツ・トゥ・スタディー)」も、対象の大幅な拡充を求めている。
 「高校も完全に無償化されていない。大学の無償化と言われても違和感がある」。20年にわたって貧困に悩む生徒の相談に乗る元高校教諭の鈴木敏則さん(66)は強調する。
 この春、関東の定時制高を卒業した男性は両親が離婚し、同居を続けた父親も病死。アルバイト代と生活保護費で生計を立て弟を全日制高に通わせた。生活はぎりぎりで、いつ破綻してもおかしくなかったという。
 民主党政権時代に公立高の授業料は無償化され、奨学金も徐々に充実した。しかし、奨学金の制度は自治体ごとに異なるため、学用品代、修学旅行費などが払えずに高校を中退したり、大学、専門学校へ進学する夢を諦めたりする生徒が今もいる。鈴木さんは「憲法で無償化を定めるというのはもっともらしいが、改憲を待たず、困っている人に手を差し伸べてほしい」と期待した。

問題のすり替えに危機感
 教育の無償化の方法を研究している神戸大学発達科学部の渡部昭男教授(教育行政学)は「日本は、段階的に教育の無償化を目指す国際人権規約を承認している。憲法を変えなくても、規約の理念を踏まえ、法律や条例を作ればすぐに対応できる」と指摘する。
 日本は1979年に同規約を批准した際、中等・高等教育の無償化を規定した部分は留保した。民主党政権だった2012年に留保を撤回し、この規定に拘束されている。
 渡部教授は、教育基本法が経済的理由による教育上の差別を禁じ、行政が奨学の措置をとる義務を定めていることにも触れ「こうした事実を伝えず、教育の無償化を憲法改正問題にすり替える動きに危機感を抱いている」と話す。
 渡部教授は、財政的負担を伴う無償化の実現には社会全体での議論が不可欠だと指摘し、「高等教育は一気に全員無償にするより、まずは経済的に困っている人を優先するのが妥当だ。当事者である若者自身が議論に参加することが大事」と強調した。

 首相の5・3発言は、いろいろな衝撃を広げている。木村草太さんは、いずれにしても茨の道としたが、そういう面と、決意の大きさという面の両方があるのだと思う。ただ、安倍さんが、9条改憲のねらいをあけすけに語ってしまったので、その反発は、今後、かなり強まるのではないかと思う。そこをどう生かすか。
 この無償化問題だって、9条のセットということで語ってしまったので、何というか、あくまでも、まぶしというのが見えてきてしまう。しかも、みんな高学費で苦しみ、そのことに政治は何もしてこなかった(むしろ容認・推進していた)のを知っているから、だれも、正面からこれをうけとめない。そもそも、改憲しなくても、すぐにやれってね。

2017年05月16日の新聞社説

《朝日新聞》
憲法70年 国民分断する首相方針
沖縄復帰45年 犠牲いつまで強いるか

《読売新聞》
G7財務相会議 格差是正に自由貿易が必要だ
「一帯一路」会議 中国主導で国際秩序築けるか

《毎日新聞》
中国の「一帯一路」会議 信頼得られる援助構想を
北朝鮮「新型ミサイル」 技術水準の見極めが急務

《日本経済新聞》
サイバー攻撃からの防御に基本の徹底を
やはり北への圧力が先決だ

《産経新聞》
高レベル廃棄物 理解を深め合意形成急げ
沖縄復帰45年 「基地負担」に感謝したい

《東京新聞》
北新型ミサイル 包囲網の再構築を急げ
日本の平和主義 不戦が死文化しないか

 沖縄に感謝?いったに何様だ。だいたい、ここでも事実誤認(かなり意図的な)に立脚した議論しかしないし、地理的特性って、どういうこと? NHKも、昨日は朝も夜もがんばっていたけど、それでも事実誤認が多い。基地のできた経過だとか、北朝鮮にいちばん近いって、どういうこと??? あまりにも議論が粗雑なのだ。
 中国かあ。ここはしっかり勉強しないといけないんだけど、焦るなな。

改憲「時期こだわらず」52% 朝日新聞5月世論調査

 これで、運動に勢いがでればいいなあ。「『共謀罪』法案、今国会成立『不要』64%」というのは、とても重要だし、「安倍首相が自民党総裁として、改憲をいま提案したことには、『評価しない』47%」というのも重要。2020年に新しい憲法を施行したいと述べたことについても、「『時期にはこだわるべきではない』52%▽『改正する必要はない』26%▽『2020年の施行をめざすべきだ』13%」だ。9条に自衛隊の存在の明記を追加する必要については、「『必要がある』41%、『必要はない』44%」だし!

改憲「時期こだわらず」52% 朝日新聞5月世論調査(朝日新聞)

 朝日新聞社は13、14日の全国世論調査(電話)で、安倍晋三首相が自ら憲法改正を提案したことについて質問した。2020年に新しい憲法を施行したいと述べたことについては、回答の多い順に「時期にはこだわるべきではない」52%▽「改正する必要はない」26%▽「2020年の施行をめざすべきだ」13%となった。9条に自衛隊の存在の明記を追加する必要については、「必要がある」41%、「必要はない」44%と拮抗(きっこう)した。
 安倍首相が自民党総裁として、改憲をいま提案したことには、「評価しない」47%、「評価する」35%。安倍首相に一番力を入れてほしい政策を一つ選んでもらうと、最多は「社会保障」で29%、「景気・雇用」22%、「外交・安全保障」18%、「教育」13%などと続き、「憲法改正」は5%だった。
 内閣支持率は48%(前回4月調査は50%)、不支持率は29%(同30%)。

■「共謀罪」法案、今国会成立「不要」64%
 朝日新聞社の13、14日の全国世論調査(電話)では、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法を改正する法案についても尋ねた。この法案を今国会で成立させる「必要がある」は18%にとどまり、「必要はない」の64%が大きく上回った。法案そのものへの「賛成」「反対」はいずれも38%と割れた。前回4月調査では「賛成」35%、「反対」33%だった。
 今国会成立の必要性については、内閣支持層でも「必要はない」56%が、「必要がある」の26%を上回った。法案に「賛成」とした人でも、今国会で法案を成立させる「必要はない」46%が、「必要がある」の40%をやや上回った。
 法案の内容については「よく知っている」2%▽「ある程度知っている」35%▽「あまり知らない」47%▽「全く知らない」16%。「よく」と「ある程度」を合わせた「知っている」層では、法案に「賛成」44%に対し、「反対」49%がやや上回った。「あまり」と「全く」を合わせた「知らない」層では、法案に「賛成」は35%、「反対」は32%だった。

 これがその調査結果。

 安倍首相に一番力を入れてほしい政策として、最多が「社会保障」で29%、「景気・雇用」22%、「外交・安全保障」18%、「教育」13%あたりには、どう、受け皿をつくっていくのかという点でも、よくよく注目しなければいけない点ではあるのだけどなあ。さて、どう一致点をつくって、国民に示していくのか。議論の過程も含めて、もっとオープンにしていってほしいなあ。

2017/05/15

2017年05月15日の新聞社説

《朝日新聞》
憲法70年 地方自治を成熟させる

《読売新聞》
司法修習給付金 法曹養成の抜本改革こそ急げ
北ミサイル発射 中韓への挑発だけではない

《毎日新聞》
マクロン新大統領とEU 再び独仏で統合けん引を
沖縄復帰45年と安倍政権 「償いの心」をかみしめて

《日本経済新聞》
企業は「3つの投資」の拡大ためらうな
てるみくらぶ破綻の教訓

《産経新聞》
大阪の地下鉄 民営化を復権の起爆剤に
北のミサイル 「対話」への回答も威嚇か

《東京新聞》
パワハラ防止 法定化を急ぐべきだ
日本の平和主義 9条の精神を壊すな

 沖縄の社説は毎日だけかあ。右派は北のミサイル。朝日と東京は憲法。うーん。

知事「基地が発展阻害」 15日、沖縄復帰45年

 沖縄のことをきちんと報道することから始まるのだろうけど。これは、中日新聞だけど、全国紙になると、かなり厳しくなるのが現実。

知事「基地が発展阻害」 15日、沖縄復帰45年(中日新聞)

 沖縄県は十五日、本土復帰から四十五年を迎えた。翁長雄志(おながたけし)知事はコメントを発表し「復帰以降も米軍基地から派生する事件・事故、環境問題等に苦しめられ続けており、広大な基地は発展の最大の阻害要因だ」と強調した。その上で、県民は復帰で基地負担の大幅な軽減を願ったが、今も「厳しい現状だ」と訴えた。
 沖縄の在日米軍専用施設面積は、復帰時の一九七二年五月の約二万七千八百九十三ヘクタールから今年一月時点で約一万八千六百九ヘクタールに減少。しかし本土に比べ基地削減のペースが遅く、日本の国土の0・6%にすぎない沖縄への集中度は58・7%から70・6%と大幅に上昇している。
 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する翁長氏は、コメントで「子や孫が笑顔で暮らせる平和で豊かな沖縄を築くため、基地問題などの課題に全身全霊で取り組む」と決意を示した。
 辺野古に面する大浦湾の海岸では十四日、移設阻止を訴える県民大会が開かれ、約二千二百人の参加者が「基地のない平和な沖縄をつくろう」と訴えた。これに先立ち、十二日から県内の戦跡や基地周辺を歩く「5・15平和行進」が行われた。

 まだHPにコメントは復帰されていません。きちんと、知事の言葉も受け止めたいものだな。

基地に対する意識 沖縄と全国で大きな差 NHK世論調査

 ほんとに、真剣に考えなければ。

基地に対する意識 沖縄と全国で大きな差 NHK世論調査(NHKニュース)

 沖縄が本土に復帰してから45年になるのにあわせて、NHKは世論調査を行いました。それによりますと、沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設について、沖縄では『反対』と答えた人が多数になる一方、全国では『賛成』が『反対』を上回るなど、沖縄と全国で基地に対する意識に大きな差が見られたほか、沖縄の経済が基地に依存しているかについて認識の違いが浮き彫りになりました。
 NHKは沖縄が本土に復帰してから45年になるのにあわせ、先月21日から3日間、全国の18歳以上の男女に対し、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。
 調査対象は沖縄の2729人と全国の1624人で、このうち沖縄では55.5%にあたる1514人、全国では61.8%にあたる1003人から回答を得ました。

 日米安全保障条約が日本の平和と安全にどの程度重要だと思うか聞いたところ、「とても重要だ」と「ある程度重要だ」を合わせた『重要だ』が、沖縄では65%、全国では83%といずれも多数になりました。
 日本の安全にとって、沖縄にアメリカ軍基地があることについてどう思うか聞いたところ、沖縄では「必要だ」と「やむをえない」を合わせた『容認』が44%、「必要でない」と「かえって危険だ」を合わせた『否定』が48%と、意見が分かれました。
 一方、全国では『容認』が71%と、『否定』の20%を大幅に上回り、沖縄と全国で意識に大きな差がありました。
 また、沖縄で世代別に見ると、本土復帰前に生まれた世代では、『否定』が53%と、『容認』の42%を上回った一方、本土復帰後に生まれた世代では『容認』が65%と、『否定』の30%を上回り、世代によっても意識に大きな差がありました。
 また、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設についてどう思うか聞いたところ、沖縄では「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせた『反対』が63%、「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合わせた『賛成』が27%で、世代別、男女別でも反対が多数になりました。
 一方、全国では『賛成』が47%と『反対』の37%を上回り、普天間基地の移設についても、沖縄と全国で意識に大きな差がありました。

米軍基地と経済の関係は
 世論調査では、アメリカ軍基地と沖縄の経済との関係についても聞きました。
 沖縄の経済はアメリカ軍基地がないと成り立たないと思うか聞いたところ、沖縄では「そうは思わない」と「どちらかといえばそうは思わない」を合わせた『そうは思わない』が60%、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせた『そう思う』が31%でした。
 一方、全国では『そう思う』が58%と、『そうは思わない』の32%を上回り、沖縄と全国で認識の違いが浮き彫りになりました。
 また、沖縄を対象にアメリカ軍基地の存在が今後の沖縄経済の発展にとってプラスかマイナスかを聞いたところ、「マイナスだと思う」と「どちらかといえばマイナスだと思う」を合わせた『マイナス』が54%で、「プラスだと思う」と「どちらかといえばプラスだと思う」を合わせた『プラス』の32%を上回りました。
 また、沖縄を対象に、基地と沖縄の振興予算について次の2つの意見のどちらに近いか聞いたところ、「振興予算が無くなっても、基地がないほうがよい」が54%、「振興予算は必要なので、基地があってもよい」が28%でした。世代別に見ると、本土復帰前に生まれた世代では、「振興予算が無くなっても、基地がないほうがよい」が61%だったのに対し、本土復帰後に生まれた世代では、2つの意見がきっ抗していて、世代による意識の差が見られます。

沖縄の人への理解は
 世論調査では沖縄の人への理解などについても聞きました。
 現在、本土の人は沖縄の人の気持ちを理解していると思うか聞いたところ、「あまり理解していない」と「まったく理解していない」を合わせた『理解していない』が沖縄で70%、全国で59%で、いずれも多数になりました。
 また、沖縄に在日アメリカ軍の専用施設のおよそ70%があることを踏まえ、沖縄がほかの県と比べてどう扱われていると思うか聞いたところ、「差別的だと思う」と「どちらかといえば差別的だと思う」を合わせた『差別的だ』が沖縄で70%、全国で53%といずれも多数になりました。
 また、沖縄を対象に、ここ5年ほどの間に、沖縄をひぼう中傷する言動や行動が増えたと感じるか聞いたところ、「感じる」と「どちらかといえば感じる」を合わせた『感じる』が57%と、「感じない」と「どちらかといえば感じない」を合わせた『感じない』の27%を上回りました。……

 これは、認識が違うという問題ではない。むしろ、無知、無理解ないし、誤解という問題だろうなあ。そもそも、事実認識が、本土ではきちんとされていないということ。歴史的経緯や、現実も含め、きちんとした事実の認識ということから粘り強くはじめないとダメなんだろうなあ。うーん。

2017/05/14

2017年05月14日の新聞社説

《朝日新聞》
東電改革 福島への責任貫けるか
中国国産空母 周囲脅かす軍拡やめよ

《読売新聞》
図書館の活用 地域の課題に寄り添う場所に
東京都議選 政策論争の土台が定まらない

《毎日新聞》
商工中金の不正融資 民間補完に徹する体制を
ギャンブル依存症対策 カジノの免罪符ではなく

《日本経済新聞》
成長を続けるアマゾンの光と影
ASEANは成長の質高めよ

《産経新聞》
消える村議会 これがリアルな人口減だ
旭日旗 理不尽な処分の撤回求む

《東京新聞》
週のはじめに考える 沖縄、統合と分断と

 今日はいろいろだな。いろいろ。たくさん勉強しないといけないということだな。

転換点に立つ世界と日本 選択肢を求めて

18449577_1417630464964361_740431494 さて、今日は、福祉国家構想研。昨日、早朝仕事スタートだったので、とにかく、睡眠時間を確保しなければいけないと、朝は、5時ごろから必死に眠るために格闘。おかげで、かなり、疲れがとれた感があるなあ。起きて、1時間は、お掃除タイム。トイレ掃除もしっかりやるよ!
 さて、午後からが本番。まずは、進藤さんが、「アメリカ・欧州・日本の右派ポピュリズムと『21世紀型左翼』を概観する」。なるほどなあ、20世紀後半から21世紀、世界は大きく変わっているよなあ。新自由主義、緊縮財政に抗する動きは、周辺からはじまって、準周辺の動きが活発化し(ポルトガルで弊誌を紹介ありがとうございます)、そして、中心へと。アメリカやフランス、イギリスなどの動きはそうだな。まだ多数はとれないでいるけど、新しい主体が、従来型の福祉国家を手掛かりに、変革を展望する。そういう大きな流れのつかみ方は、大事かもしれないし、そこででている課題の共通性と個別性への理解は、大事かもね。新自由主義の対抗という問題を、日本でどう受けとめるのかという治さんの提起もそうだなあ。
 二宮さんの「ポスト安倍政権へのプレリュード」は、まず、野党と市民の共同の方向のなかで、それを励ますのが知識人の役割と明言することからはじまる。治さんもまとめで言っていたが、変革の方向も担い手も、いまはそこにしかない。その難しさも含めて、すべて引き受けるということ。そのうえで、なぜ安倍内閣の支持率が高いのか、いっぽうで、有権者の意識動向のどこに健全さがあるのかなどにこだわりながら、分析、そのうえで、安倍内閣の根本的弱点を喝破するという話。うーん、辛辣な言葉も含め二宮節!!
 特別に、渡辺報告があった。これもまたエンジン全開。5・3安倍発言を分析、①2020に期日を区切ったこと、②9条改憲を明言したこと、③2項を残す加憲を提起したこと、④9条と、教育や緊急事態をセットで提起したことの4つい特徴があると分析し、2項削除の改憲の困難さへの自覚と焦り、5・3世論調査の国民の9条への支持、野党共闘の存在を前に、それたいする切り札として、最初からこれを提起してきた、それだけに並々ならぬ決意であることなどを提起した。
 討論も含め、刺激的で、ずっと頭を使いっぱなしで、今日は充実したなあ。ほんとに充実!!!

2017年05月13日の新聞社説

《朝日新聞》
五輪経費分担 危機感がなさすぎる
抗生物質 正しい使い方広めよう

《読売新聞》
上場企業決算 円高に負けない収益構造作れ
J1川崎処分 旭日旗に差別的な意図はない

《毎日新聞》
五輪仮設費を都が全額負担 政治決着に疑問が残る
「共謀罪」で自公維が合意 欠陥の修正にはほど遠い

《日本経済新聞》
大型インフラを仕上げる力を高めるには
なお心配な福島第1の凍土壁

《産経新聞》
韓国新政権 反日世論に迎合するのか
東電の再建計画 料金下げの使命も果たせ

《東京新聞》
FBI長官解任 世界が真相を知りたい
森林除染偽装 不正は絆を弱くする

 東京5輪。いろいろ言いたいなあ、だめだよ、こんな議論じゃ。いろいろ言いたい。

2017/05/13

教科書を考えるシンポジウム  小学校道徳教科書を読む

 今月のインタビュー1本目は、そろそろ追い込みに入ります。午後からはその手をとめて…。

18449694_1416492628411478_406658185 表題のシンポジウムに。道徳教科書というのは何しろはじめてだし。ちゃんと、分析をしなきゃって、まずは勉強しに。
 ただ、早朝仕事スタートだったので、眠くって。ダメだった。睡眠不足か、疲れか、無呼吸か。眠いことが多すぎる!!!
 小佐野さんの報告は、オーソドックスという感じ。たぶん、自分も、よみすすめればそういう感想をまずはもつだろうなって思いながら、聞く。それをどう議論として深めていくか? 1つはいま道徳という事情の問題、そういう背景を説得的にしめすのか? もう1つは、若い教員にとって、道徳は特別の位置にある。いまは規制が少なかったから、やりようによっては子ども接近しやすかったり、自由にできり、と人気がある。そういう人たちにとって、この教科として、教材としての問題をどう、子どもという視点で説得的に議論を提示できるのか、などを考えているんだけど。しっかり、インプットして、深めないとなあ。これもまだ途上で、いろいろ読めてない。


2017/05/12

2017年05月12日の新聞社説

《朝日新聞》
「共謀罪」審議 採決ありきは許されぬ
森友学園問題 昭恵氏に聞きたいこと

《読売新聞》
自動翻訳 上手に使って言葉の壁破ろう
韓国文在寅外交 慰安婦合意を反故にするのか

《毎日新聞》
米大統領がFBI長官解任 強権で疑惑を隠すのか
「9条改正」せかす首相 議論の基盤を壊している

《日本経済新聞》
人口減にらみコンパクトな街を目指せ
外国船から水産資源を守れ

《産経新聞》
五輪仮設費 前を向ける全日本体制を
WHO総会 中国の台湾排除を許すな

《東京新聞》
クロマグロ 魚食文化の曲がり角
「共謀罪」 危険な法制度はやめよ

 うーん。共謀罪を18日にも採決するという話になりつつある。ほとんど、野党や国民の提示している疑問、問題点にはこたえていないのに……。いま、どんどん、この法案への危惧が広がり、メディア関係者の批判なども出されているのに。十分な審議もなされないなかでも、それでも、やるというのか。それは絶対にダメだ!

(耕論)忙しすぎる先生 山口照美さん、内田良さん、小川正人さん

 うーん。これだけ、社会問題になっても、なぜ改善にふみだせないのか?

(耕論)忙しすぎる先生 山口照美さん、内田良さん、小川正人さん(朝日新聞)

 日本の教師は忙しすぎる。文部科学省の調査では、公立中学校で6割が「過労死ライン」に達していた。過酷な働き方は子どもの教育面にも悪影響を及ぼす。何を改めればいいのか。

■「助けて」外に言っていい 山口照美さん(元民間人小学校長)
 大阪市教育委員会の民間人校長の公募に応じて、3年間、小学校長をログイン前の続き務めました。児童数100人ほど、教職員数は17人の小さな学校です。
 行って、まず感じたのは、公立学校はセーフティーネットなのだなということです。朝起きてこない子を先生が迎えに行くことがあります。その時、この子はご飯を食べていないようだなとか、体操服を買ってもらえていないなという具合に、いろいろ心配して対処します。家庭や福祉の役割を学校が担っている。目の前の子はどうしても気になるという教師のマインドが子どもたちを支えています。
 また、私のいた学校は、日本語のわからない外国人の子が何人も転入してきました。彼らは教室で笑いが起きている時、自分が笑われているのではないかと心配になる。そんな不安な気持ちにどうよりそうか、これからの学校が向き合う課題の一つです。
 校内の仕事も多い。小さな学校でも運動会や入学式、卒業式は同じようにやらないといけません。教科ごとに主任が必要だし、生活指導や人権教育担当、給食担当もいる。校内の畑を耕す仕事までやっていました。これからは英語にも力を入れなければいけないし、情報通信機器の活用やプログラミング的思考の教育も入ってくる。次から次へと新しいことが付け足され、何も引かれない。どれも大切ですが、すべてをしょいこんだら時間が足りません。……

■民間の風で、聖職から解放 内田良さん(教育社会学者)
 私の知り合いの教員はみなさん「忙しい」とおっしゃいます。その原因は学校の内部だけではなくその外部、保護者や地域住民にもあります。
 教員は、強烈なプレッシャーを感じながら仕事をしています。小学校では「うちの子が熱を出した」とか「泣いて帰ってきた」とかで、夜9時でも10時でも保護者から電話がかかってくる。学校は24時間営業ではありませんが、お構いなしです。ミスを厳しく指摘されると、ますますつらい。こころない言葉に傷つき、次第に心を病んでいく教員も少なくないのです。
 中学校では部活動です。顧問に就くと土日も指導に出ていかなければいけません。休もうとすると保護者が文句を言ってくることもよくあります。教員自身も、部活動は教育の一環であり、必要だと思ってしまう面がある。ある教員は「土日も休めない部活はおかしい」とツイートするのは怖いと、私に打ち明けました。しかし、まったく休めず、疲弊しきった状態で子どもに接することの方が問題です。……

■残業代払わぬ法律、廃止を 小川正人さん(教育行政学者)
 教員の時間外労働が一向に減りません。文科省が4月末に発表した教員勤務実態調査では、10年前より勤務時間が長くなり、過労死ラインとされる1カ月の時間外労働が80時間を超える教員が、小学校で約3割、中学校で約6割になっています。
 原因の一つは、日本の教員の働き方です。米英では教員の労働時間は授業時数をベースに決められます。生活指導などは専門スタッフが担っており、教員は授業中心の仕事です。日本は、学級活動や学校行事などを通じて社会性を身につけさせる取り組みも担っています。そのため非常に広範囲で多くの業務を抱え込んでいるのです。
 経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本の教員が授業に費やす時間の割合は少なく、小学校で全勤務時間の37%、中学校で32%。米英では50%を超えています。
 もう一つは、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)という法律です。教員の仕事の「特殊性」を理由に時間外勤務手当は支払わず、代わりに月給の4%にあたる教職調整額を一律支給すると定めていますが、実態とかけ離れています。……

 だれもが、いまの先生の状態はたいへんという点で一致しているはずなのに。出てくる政策は、どんどん教員を追い立てて、追い詰めるものばかり。これをどうするのか?
 もちろん、社会一般の働き方そのものが議論されず、その深刻さが広がっているだけに、困難さはある。教育特有の、教育のいまが抱える問題もある。そういうことも含めて、きちんとした議論を提示しないといけないのだけどなあ。なかなか、できてないなあ。

2017/05/11

岸田氏、9条「すぐ改正は考えず」 首相の意向、確認も

 安倍さんの9条改正メッセージはさまざまな波紋を呼んでいる。そりゃそうだろうなあ。

岸田氏、9条「すぐ改正は考えず」 首相の意向、確認も(朝日新聞)

 岸田文雄外相は11日、岸田派の会合で、安倍晋三首相が意欲を示す憲法9条の改正について「今すぐに改正することは考えない」と述べた。9条に自衛隊の存在を明記する憲法改正に言及している首相との間で、お互いの考え方を確認する意向も初めて示した。
 岸田氏は安全保障法制が成立した直後の15年10月の派閥研修会で「当面、9条自体は改正することを考えないのが私たちの立場ではないか」と発言していた。この日の会合では、「今日現在まで考えは変わっていない」と明言。「首相の発言と私の考え方はどこが違うのか、あるいは同じなのか、一度よく確認をしてみたい」と語った。
 ただ、岸田氏は同日の参院外交防衛委員会で、野党から9条改正について首相との認識の違いを問われると「いろんな意見が世の中に存在することはその通りだ」と述べるにとどめた。

 石破さんみたいに、軍の保持の明記という立場からの批判もあるし、たぶん自民党ではそれが主流かな。
 この問題をどう論じるかは、ボク個人としてはいろいろ悩んでいる。なぜいまこんなメッセージをだしたのか。もちろん、改憲の本丸に攻め込みたいという思いもあるのだろう。さまざまな背景が言われている。論建てそのものは、例の5人組の憲法解釈の延長線上だけど、日本会議の伊藤某が野党の分断をねらって知恵をつけたという話もある。1,2項を残し、3項で自衛隊を明記するというのは、新9条論とどこがちがうのか。とね。そもそも、2項を残すというのは、自民党の議論としてははじめてだし、それそのものの意味はきちんと考えるべきだろうなあと、ボク個人としては思う。
 この提案が、国民的な議論に値するというのなら、こればでの2項を削除する自民党の改憲案は国民に受け入れられなかったことの告白になる。そうでないのなら、やはり、たんなる3項追加ではなく、そのことによって自衛隊を憲法的な存在にすることを契機に、2項を空洞化し、さらには、1項を空洞化することが狙いとなる。そういう理解が一番いいのではないのかなあ。などと、あれこれ考える。

2017年05月11日の新聞社説

《朝日新聞》
憲法70年 首相は身勝手が過ぎる
米艦防護 説明責任はどうした

《読売新聞》
自殺対策 「生きる支援」を地域ぐるみで
アジア開銀50年 インフラ需要にどう応えるか

《毎日新聞》
アフリカ・中東の飢餓 支援が圧倒的に足りぬ
赤ちゃんポスト10年 命を守る活動を広げたい

《日本経済新聞》
公的金融は「平時縮小」の原則を徹底せよ
マイナンバーを医療に生かせ

《産経新聞》
中国国産空母 海洋覇権の拡大警戒せよ
小中の勤務調査 熱血教師を支える職場に

《東京新聞》
性的少数者 人権守る法整備急ごう
先生の過重労働 しわ寄せは子どもに

 いまいちばん気になるのは、もちろん憲法の問題もあるけれども、米艦防護問題。実態は、全然、あかされないけれども、これは、実態としては、9条のもつ日本のありようを根本的にそこなうものになっているのではないのか。武力の行使と一体にならないなど、PKOなどの議論とちがい、防護そのものは、その性格は、紛争にかなり近い位置になる。これは今言われるような抑止力として行為されれば、それは見方を変えれば、武力による威嚇であるのだけど。どんどん、すすむ日本の軍事大国化。しかも使われた「いずも」は、船の外観的な大きさはほとんどカールビンソンと変わらないではないか。うーん。

皇室 「退位」法案要綱 安定継承、見解対立 与野党、付帯決議巡り

 もう避けて通れない局面だなあ。

皇室 「退位」法案要綱 安定継承、見解対立 与野党、付帯決議巡り(毎日新聞)

 天皇の退位を実現する特例法案の要綱について、与野党はおおむね一致した。ただし安定的な皇位継承については見解が食い違う。安倍晋三首相は男系継承にこだわりがあり、民進党が求める女性皇族が結婚後も皇室に残る女性宮家創設に慎重だ。付帯決議で安定継承についてどう書き込むかが今後の与野党調整の焦点となる。
 3月に与野党が合意した国会見解では、安定継承について付帯決議に書き込む案が明記された。民進党の野田佳彦幹事長は、要綱が示された各党の代表者会議後、「女性宮家の創設」の文言を付帯決議に入れるべきだと改めて主張した。
 国会見解では、「女性宮家の創設等については、政府において速やかに検討すべきだと各政党・各会派の共通認識に至っていた」との文言が入った。野田氏は「それがまさに立法府の総意で決めた言葉だ」と記者団に強調した。
 代表者会議では社民、自由両党と無所属議員が、安定的な皇位継承問題も議論するよう衆参正副議長に要請した。現行制度で皇太子さまが新天皇になった場合、将来の皇位継承資格者は秋篠宮さまと長男悠仁さまの2人だけになる。社民党の又市征治幹事長は記者団に「旧態依然のままで放っておいたら間に合わない」と危機感をあらわにし、女性・女系天皇の容認も含めて議論すべきだと訴えた。
 安倍政権と近い日本維新の会も「国会で議論する場を作るべきだ」と求めた。片山虎之助共同代表は記者会見で「継承が安定しないと、国民が不安になる」と語った。
 こうした認識が与野党に幅広くあるにもかかわらず、自民党は慎重だ。首相や支持基盤の保守層が男系男子による継承にこだわり、父方が天皇につながらない女系天皇に反対しているためだ。女性宮家に生まれた女系の子どもが天皇になる可能性につながると警戒する。自民党幹部は「付帯決議をやりたいところが汗をかけばいい」と静観し、表だった発言は控えている。元々は女性宮家の議論に前向きだった公明党も、自民党に歩調を合わせて最近は積極的な発言はしていない。
 保守層の考えを代弁するのが、日本のこころだ。3月の国会見解をまとめる際、戦後に皇籍離脱した旧宮家の皇籍復帰を主張した。中山恭子代表は10日、女性宮家に反対の立場から「陛下の退位と長い歴史の中で皇位継承をどう考えるかは別のテーマだ」と語った。

 退位にかかわる議論の経緯についてもいろいろボクなりに言いたいことはあるのだけど、それはここでは、横に置いたとしても、話は相当、ややこしい。

 これが法案要綱だけど。
 そもそも、冒頭から、無尽蔵に肥大化させた象徴的行為なるものをなし崩し的に、認めてしまっている。この象徴的行為なるものにいろいろな議論があるにしても、憲法がのみとした国事行為の精神から、現状はかなり逸脱しているという議論は根拠はある。

 ボク自身は、天皇制については、なくすほうに向かうべきだし、現憲法のなかでも、矛盾の象徴というか、遺物的位置にあるものだと思っている。この点を置いておくとしても、そもそも、象徴としての地位は、国民の総意にもとづくものだ。ならば、代替わりそのものも、国民の総意にもとづいておこなわれるべきではないのかという議論も出てくる。いまから28年前の代替わりの際には、当時の社会党もそのことを主張していたはずだし。

 思惑が錯綜して、政治の舞台では、いろいろなわけのわからない議論になっている。ただ貫かれるポイントの1つは、憲法の規定であり、具体的には「国民の総意」だろう(立法府の総意ではない)。はたして、そんな議論になるのかなあ。

2017/05/10

2017年05月10日の新聞社説

《朝日新聞》
憲法70年 教育をだしにするな
韓国新大統領 融和図り国政の再建を

《読売新聞》
テロ準備罪審議 政府参考人の答弁は問題ない
韓国大統領選 文氏は「親北・反日」を貫くのか

《毎日新聞》
韓国新大統領に文在寅氏 地域安定へ日韓で協力を

《日本経済新聞》
親北路線で韓国は乗り切れるのか

《産経新聞》
韓国新大統領 まず日米と「対北」連携を
憲法改正 「9条」論議の好機生かせ

《東京新聞》
韓国大統領に文在寅氏 「核危機」回避が使命だ

 韓国大統領選。いろいろな報道がなされるが、選挙における選択肢ということを考えさせられる。一連の選挙は、世界的にグローバル寡頭制が強まるなかで、その問い直しというものがある感じもあるし。個人的には、シム・サンジョンがどれだけとるかを注目したけどね。

戦争孤児12万人の戦後史に迫る

 去年、「戦争孤児」の企画を、数本やって、その関係で、ボクもかかわりのある戦争孤児研究会のことが、ニュースで放映された。

20170505_02戦争孤児12万人の戦後史に迫る(NHK・NEWSWACTH9)

桑子
「今日、5月5日は、こどもの日。
祝日に制定されたのは、今から69年前の昭和23年のことです。」

有馬
「実は当時、こどもをめぐって大きな社会問題がありました。
こちらなんです。
戦争で親を失った『戦争孤児』。
昭和23年といいますと、終戦から3年たっているわけなんですが、駅や繁華街では、まだたくさんの孤児たちが路上生活をしていました。」

桑子
「当時の調査では、この戦争孤児は12万人あまり。
その存在は知られていましたが、戦後どのように生き抜いてきたのか、孤児自身が語らなかったこともあり、実態はよくわかっていません。
今、その空白を埋めようと、戦争孤児の調査が始まっています。」
……

 映像で出てくる3月の研究会は、仕事で行けなかったけど。直前まで行くつもりだったけど、インタビューが入ったんだ! そのインタビューもやっと、原稿化が完了しているけどね。
 NHKは本気で、この孤児の体験、資料の発掘に協力してとりくんでいる感じ。この放映でも、かなりの連絡があったそうだから。バラバラになっている、日本のこの戦争にかかわる大きな体験が、きちんとした形で集積・蓄積され、継承されることは、とても大事だと思うし、とりわけ、子どもたちにとって、それがどんなものであったのかを考えることは、2重に大事なことだと思うなあ。


渋谷 敦志 写真展:ボーダーランド―境界を生きる者たち

 午前中は、渋谷さんの写真展を見に、銀座に。最終日とあって、混んでいた。さすが。

Postcard 世界の紛争地や被災地、辺境を訪れ、そこに生きる人々の姿を撮り続ける写真家、渋谷敦志氏の写真展です。18年に及ぶ取材において、忘れがたい人間や生命が躍動する瞬間を写し撮った写真約50点を展示します。人間は弱いけど強い、残酷だけど優しい。そう信じるに足る何かをボーダーランドに生きる者たちのまなざしに感じた氏が、境界を越えて人と人がつながる未来へのヴィジョンを写真で紡ぎ出します。

 写真は、渋谷さんらしい、光の使い方と色合い。いつみても素敵な写真。だけど、今回は厳しい写真が多い。タイトルにあるボーダーは、貧困や紛争や、さまざまな困難の境界にいる人々か。そこにひかれるボーダーラインを、彼は乗り越え、そして共に生きる。彼自身の眼差しは、きびしく、強い。だからこそ、乗り越える。うーん、ボクは、ただうろたえるだけだなあ。こんなに、直視し、正視して、うけとめられないなあ。その違いを感じてしまった。少し、おしゃべりをして、また励まされる。

 そして、職場へ。自分の卑屈さとか、さもしさとかも感じながら、それでもね。いまは生きて、がんばるしなね。しっかり、心を洗われながらね。

2017/05/09

2017年05月09日の新聞社説

《朝日新聞》
憲法70年 9条改憲論の危うさ
仏大統領選 改革の態勢づくり急げ

《読売新聞》
首相改憲発言 自衛隊明記の議論を深めたい
仏大統領選 EU崩壊を防いだマクロン氏

《毎日新聞》
憲法改正提案と森友問題 首相答弁に改めて驚く
仏新大統領にマクロン氏 欧州結束に引き戻せるか

《日本経済新聞》
マクロン氏は仏経済再生と欧州の安定を
TPP11の道筋を早くつくれ

《産経新聞》
中国の宇宙開発 遅れる日本に戦略あるか
仏大統領選 EU危機を越える契機に

《東京新聞》
マクロン氏当選 ノンにも耳を傾けよ
首相の改憲発言 9条空文化は許されぬ

 フランス大統領選。ルペンへの拒否の分厚さに、あらためて、かの地の政治土壌というものを考える。それは重要ではあろう。と、同時に、危険の増大、究極の後ろ向きの選択のもとで、では、世論と政治の乖離がどのようにうまっていくのかが、今後の課題。うーん、そんなにマクロンはうまくやれるとは思えない(世論との乖離という点で)。では、どんな政治になっていくのか。ヨーロッパの新たな道はどのにということであろうがなあ。

復帰76%評価、知事支持67% 沖縄県民世論調査、辺野古反対74%、基地「不平等」は70%

 この沖縄の世論!

復帰76%評価、知事支持67% 沖縄県民世論調査、辺野古反対74%、基地「不平等」は70%(琉球新報)

 沖縄が日本に復帰して15日に45年を迎えるのを前に、琉球新報は8日までに電話による県民世論調査を実施した。復帰して「とても良かった」「どちらかと言えば良かった」との回答は計75・5%に上った。復帰を評価する声が4分の3を占めたが、5年前の前回調査からは4・5ポイント低下した。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、県外・国外移設や即時撤去を求める回答は計74・1%で、名護市辺野古の新基地建設を容認・推進する18・0%を大きく上回った。
 復帰して良かった点(三つまで回答)は「本土との交流や情報量が増えた」50・5%と「道路や橋、港湾などが整備された」50・0%が並び、「医療福祉が充実した」40・7%、「教育が充実した」32・4%、「生活が豊かになった」20・2%と続いた。「米軍基地の被害が減った」と回答したのは4・0%だった。
 一方、復帰して悪くなった点(三つまで回答)は最も多かったのが「米軍基地の被害が増えた」43・7%。「自然破壊が進んだ」36・2%と「物価が高くなった」36・0%が並び、「伝統・文化が薄れた」22・9%、「離島などの過疎化が進んだ」21・1%と続いた。
 国や県に取り組んでほしい施策(三つまで回答)は「米軍基地の整理縮小と跡利用」44・6%が最も多く、「観光産業の振興」31・1%、「社会福祉の充実」28・0%、「教育文化の振興」27・3%が上位だった。
 米軍基地が沖縄に集中する現状を「不平等だと思う」が70・0%で、現状を是認する「やむを得ない」の24・7%を大きく引き離した。
 日米地位協定の在り方について、「抜本改定すべきだ」が43・3%、「運用改善にとどめるべきだ」25・8%、「日米安保条約とともに破棄すべきだ」17・1%と続いた。「現状のままでよい」は8・4%にとどまった。
 翁長雄志知事については「支持する」66・7%、「支持しない」19・3%、「分からない」14・0%だった。

 これだけ、脅かされ、引き剥がされていても、それでも、この世論! 苦しみ、矛盾の大きさと、思い、認識の深さか。なにがこれをつくり出しているのか。本土とは何が違うのか? よくよく学ばないと。

憲法改正は20年施行目標、9条に自衛隊…首相

 これが問題の読売インタビュー。

憲法改正は20年施行目標、9条に自衛隊…首相(読売新聞)

 安倍首相(自民党総裁)は、3日で施行70周年を迎える憲法をテーマに読売新聞のインタビューに応じ、党総裁として憲法改正を実現し、2020年の施行を目指す方針を表明した。
 改正項目については、戦争放棄などを定めた現行の9条1項、2項を維持した上で、憲法に規定がない自衛隊に関する条文を追加することを最優先させる意向を示した。自民党で具体的な改正案の検討を急ぐ考えも明らかにした。
 インタビューは4月26日、首相官邸で約40分間行った。首相は自民党が憲法改正を党是としてきたことに触れ、「東京五輪・パラリンピックが開催される20年を日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだ。20年を『新しい憲法』が施行される年にしたい」と述べた。……

 資料としてクリップ。「abe.pdf」をダウンロード

 そして、これが例のビデオメッセージ。

 ご来場の皆さま、こんにちは。自民党総裁の安倍晋三です。憲法施行70年の節目の年に「第19回公開憲法フォーラム」が盛大に開催されましたことに、まずもってお喜び申し上げます。憲法改正の早期実現に向けて、それぞれのお立場で精力的に活動されている皆さまに、心から敬意を表します。
 憲法改正は、自民党の立党以来の党是です。自民党結党者の悲願であり、歴代の総裁が受け継いでまいりました。私が総理・総裁であった10年前、施行60年の年に国民投票法が成立し、改正に向けての一歩を踏み出すことができましたが、憲法はたった一字も変わることなく、施行70年の節目を迎えるに至りました。
 憲法を改正するか否かは、最終的には国民投票によって国民が決めるものですが、その発議は国会にしかできません。私たち国会議員は、その大きな責任をかみしめるべきであると思います。
 次なる70年に向かって日本がどういう国を目指すのか。今を生きる私たちは少子高齢化、人口減少、経済再生、安全保障環境の悪化など、わが国が直面する困難な課題に対し、真正面から立ち向かい、未来への責任を果たさなければなりません。
 憲法は、国の未来、理想の姿を語るものです。私たち国会議員は、この国の未来像について、憲法改正の発議案を国民に提示するための「具体的な議論」を始めなければならない、その時期に来ていると思います。
 わが党、自民党は、未来に、国民に責任を持つ政党として、憲法審査会における「具体的な議論」をリードし、その歴史的使命を果たしてまいりたいと思います。
 例えば憲法9条です。今日、災害救助を含め命懸けで、24時間365日、領土、領海、領空、日本人の命を守り抜く、その任務を果たしている自衛隊の姿に対して、国民の信頼は9割を超えています。しかし、多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が今なお存在しています。「自衛隊は、違憲かもしれないけれども、何かあれば、命を張って守ってくれ」というのは、あまりにも無責任です。
 私は、少なくとも私たちの世代のうちに、自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置付け、「自衛隊が違憲かもしれない」などの議論が生まれる余地をなくすべきであると考えます。
 もちろん、9条の平和主義の理念については、未来に向けて、しっかりと堅持していかなければなりません。そこで「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」という考え方、これは国民的な議論に値するのだろうと思います。
 教育の問題。子どもたちこそ、わが国の未来であり、憲法において国の未来の姿を議論する際、教育は極めて重要なテーマだと思います。誰もが生きがいを持って、その能力を存分に発揮できる「1億総活躍社会」を実現する上で、教育が果たすべき役割は極めて大きい。
 世代を超えた貧困の連鎖を断ち切り、経済状況にもかかわらず、子どもたちがそれぞれの夢に向かって頑張ることができる、そうした日本でありたいと思っています。
 70年前、現行憲法の下で制度化された小中学校9年間の義務教育制度、普通教育の無償化は、まさに戦後の発展の大きな原動力となりました。
 70年の時を経て、社会も経済も大きく変化した現在、子どもたちがそれぞれの夢を追い掛けるためには、高等教育についても全ての国民に真に開かれたものとしなければならないと思います。これは個人の問題にとどまりません。人材を育てることは、社会、経済の発展に確実につながっていくものであります。
 これらの議論の他にも、この国の未来を見据えて議論していくべき課題は多々あるでしょう。
 私はかねがね、半世紀ぶりに夏季のオリンピック、パラリンピックが開催される2020年を、未来を見据えながら日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだと申し上げてきました。かつて、1964年の東京五輪を目指して、日本は大きく生まれ変わりました。その際に得た自信が、その後、先進国へと急成長を遂げる原動力となりました。
 2020年もまた、日本人共通の大きな目標となっています。新しく生まれ変わった日本がしっかりと動きだす年、2020年を、新しい憲法が施行される年にしたいと強く願っています。私は、こうした形で国の未来を切り開いていきたいと考えています。
 本日は自民党総裁として、憲法改正に向けた基本的な考え方を述べました。これを契機に、国民的な議論が深まっていくことを切に願います。自民党としても、その歴史的使命をしっかりと果たしていく決意であることを改めて申し上げます。
 最後になりましたが、国民的な議論と理解を深めていくためには、皆さま方、「民間憲法臨調」「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のこうした取り組みが不可欠であり、大変心強く感じております。
 憲法改正に向けて、共に頑張りましょう。

 総理と総裁を使い分ける。だけど、明らかに、行き過ぎた発言。立憲主義を踏みにじってまでこうまで発言するのは、意欲なのか、焦りなのか、その両方か? 異様な光景が政治の世界には広がっているのだが…。

2017/05/07

腰痛での休息

 今日も、なかなか痛みがひかず…。ずっと、体を動かさず耐える一日。やっと夕方には、動けるようになり、買い物にいったり、食事の準備をしたり。すこしずつ普通に戻ってきた感じ。あとかたずけや、明日の準備もして、明日からは万全かな。基本は介護の休暇だっかけど、自分の体をやすめることになるとは。まあ、時間とか、お金とか、自分のために使うことは、最低限にしているから、こういうことがないと、自分の休みのために、使わないだろうしね。しかし、関西に往復して、さらに追加の出費もあったから、ほんとにお金がないなあ。どうして減るばかりでたまんないんだろうかねえ。家のメンテどころじゃないなあ。明日から、打開をめざして、がんばろ。

2017年05月07日の新聞社説

《朝日新聞》
ガス自由化 競争促進へ環境整備を
忙しい先生 仕事増えれば人も要る

《読売新聞》
中小企業白書 事業承継に外部の知恵生かせ
高レベル廃棄物 対話を重ねて理解を広げよう

《毎日新聞》
注目されるスギ「新建材」 林業再生へ活用広げたい
米国抜きのTPP協議 なお戦略的な意味を持つ

《日本経済新聞》
生産性改革(下)

《産経新聞》
メタボ健診の普及 経営者の無理解をなくせ
日銀の景気判断 機を逃さず確かな成長へ

《東京新聞》
週のはじめに考える AI時代の生き方は

 ふむ。経済課題だな。

2017/05/06

2017年05月04日から05月06日の新聞社説

2017年05月04日
《朝日新聞》
憲法70年 9条の理想を使いこなす
《読売新聞》
自転車推進法 地域活性化にも生かしたい
中央アジア外交 中露を念頭に重層的関係築け
《毎日新聞》
介護保険改革が残す課題 地域の主体性を高めよう
国立公園のブランド化 自然の保護と活用両立を
《日本経済新聞》
厳格監査から逃げる企業は信頼されない
自衛隊明記の議論を真剣に
《産経新聞》
米朝の対話 核兵器の放棄が大前提だ
首相の9条発言 最大の政治課題に邁進を
《東京新聞》
憲法70年に考える 大島大誓言が教えるもの

2017年05月05日
《朝日新聞》
憲法70年 「第2の政治改革」構想を
《読売新聞》
こどもの日 勇気を持って夢に挑戦しよう
ふるさと納税 善意の寄付が制度の出発点だ
《毎日新聞》
スマホ時代の睡眠不足 夜型では子供は育たない
首相の「9条改正」発言 重要な提起ではあるが
《日本経済新聞》
生産性改革(上)
《産経新聞》
こどもの日 大人が自らを省みる日に
憲法と緊急事態 議論の矮小化にあきれる
《東京新聞》
こどもの日に考える ボイメンのつくりかた

2017年05月06日
《朝日新聞》
道半ばの子育て支援 社会全体で担い、投資を
《読売新聞》
大学スポーツ ブランド力をいかに高めるか
再生エネ普及策 悪質業者の排除につなげたい
《毎日新聞》
透明化した五輪マラソン選考 高水準の争いに期待する
広がるサービス見直し 快適・便利の裏側考えたい
《日本経済新聞》
生産性改革(中)
《産経新聞》
商工中金の不正 公的金融の意義問い直せ
憲法と地方自治 人口減見据えたあり方を
《東京新聞》
長官選後の香港 社会の亀裂修復急げ
日銀審議委員 反対票が消える危うさ


猫との戯れ

18238023_1409367002457374_5035134_218278132_1408485742545500_483901857 4日から、関西の実家に、介護帰省。なかなか、帰れなくって、きょうだいに介護をまさせっきりなので、GWぐらいは、介護の交替。でも、いまは、いろいろ部分的なたいへんなことはあるにしろ、状況は安定して、結構元気なので、まあ、掃除したりが実際の仕事。だいたいねこの「めい」ちゃんと戯れる日々。しかし、今朝は、掃除中。ちょっと、腰が(苦笑)。現在、復活中。


2017/05/03

2017年度憲法記念講演会

18278511_1407288989331842_65381891918319342_1407358679324873_9187552_2 今日は全国憲法研究会の表題の講演会。いつも、こっちです。仕事柄。会場は慶応。あまりこないから、みごとに迷って、25分ぐらいロス。でも座れたから大丈夫。歩いたあ。講演は、まず中野晃一・上智大学教授が「グローバルな寡頭支配の拡散と立憲デモクラシーの危機」。これはいつもの話かな。もしろ、質疑応答のところが、野党共闘と市民の共闘との関係がうきぼりになって、いまの話にもつながって、面白かった。後半は、青井未帆・学習院大学教授。これは意外な話。 「日本国憲法が守ってきたもの」と題するが、そこで話されたのは、守ってきたものを突き崩す、戦前の成功体験をいま繰り返そうとしているとして、軍人勅諭や教育勅語などの話をされて、それが何だったのかと。そして、それでもそれらは、普遍的なものをまぶしていたが、総動員の時代になると、外見的な立憲主義をもふみにじって、そういう普遍的なまぶしもすてての動員がすすんでいったことなどの話を、いまの立憲主義の動向とあわせての話だった。
 うーん。憲法をめぐる議論を、自分としてどう組み立てていくのか、悩みは尽きないなあなどと思いながら、聞いていたところがあるなあ。

 報道を紹介。

改憲論「とにかく手術薦める医師のよう」学者らが批判(朝日新聞)

 憲法学者らでつくる全国憲法研究会(代表・長谷部恭男早大教授)の憲法記念講演会が3日、慶応大三田キャンパス(東京都港区三田2丁目)であり、会場のホールは900人を超える人々で満員となった。
 「『あなた手術しましょう、どこを切るかはあとで考えましょう』。今の改憲論は必要もないのに、とにかく手術を薦める医師のようで、信じないほうがいい」。講演で中野晃一・上智大教授(政治学)は自己目的化した政界の改憲論をこう批判した。教育無償化のための憲法改正については、「民主党政権時代の教育無償化に制限をかけてきたのが自公政権で、へそで茶をわかす」と述べた。
 もう一人の講師、青井未帆・学習院大教授(憲法)は、明治憲法下で軍人勅諭や教育勅語が国民動員に大きな役割を果たして失敗した過去に触れ、「道徳の教科化や共謀罪制定の動きなど、動員の動きは始まっている。私たちは冷めた目で過去を振り返り、今を考えることが必要」と語った。
 「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」などとする3日の安倍首相のメッセージについて、研究会代表の長谷部教授は取材に「実現可能性は低いのではないか」と首をかしげた。


首相「9条に自衛隊明記」 改憲2020年施行目標に

 今年の5・3はほんとに改憲で騒がしい。本音もきちんと語るわけだけどねえ。いろいろ現実の矛盾もあらわだけど、それでも、やりきる意欲を見せ、できるとの思いもあるということか?

首相「9条に自衛隊明記」 改憲2020年施行目標に(朝日新聞)

 安倍晋三首相(自民党総裁)は憲法記念日の3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と明言した。改憲項目として、戦争の放棄を定めた9条に自衛隊の存在を明記した条文を追加することと、高等教育の無償化を定めた条文の新設を挙げた。
 18年秋の党総裁選での3選を前提にしつつ、現行の9条1、2項の維持を訴える公明党や、改憲による教育無償化を求める日本維新の会にも配慮した。自らの悲願である憲法改正に向けた議論を加速させる構えだ。他の野党は反発している。
 首相がメッセージを寄せたのは、日本会議が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などの集会。
 「憲法改正は自民党の立党以来の党是」としたうえで、「憲法を改正するか否かは最終的には国民投票だが、発議は国会にしかできない。私たち国会議員は大きな責任をかみしめるべきだ」と強調。東京五輪・パラリンピックが開かれる20年を「日本人共通の大きな目標。新しく生まれ変わった日本がしっかりと動き出す年」と位置づけた。
 改憲項目は例示する形で、9条については「多くの憲法学者や政党の中には自衛隊を違憲とする議論が今なお存在する。『自衛隊は違憲かもしれないが何かあれば、命を張って守ってくれ』というのは無責任だ」「1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む考え方は国民的な議論に値する」と述べた。高等教育の無償化については「教育が果たすべき役割は極めて大きい」として、重要性を説いた。そのうえで、ほかにも「議論していくべき課題は多々ある」とも語った。
 首相は3日付の読売新聞朝刊に掲載されたインタビューでもこうした考え方について答えたうえで、大災害などの緊急時に議員任期を延長する特例の創設についても「現実的で重要な論点」と指摘した。
 安倍政権下での改憲に積極的な自民、公明、維新、日本のこころによる4党・会派の「改憲勢力」は、衆参とも改正発議に必要な3分の2を超えている。改憲勢力だけで確実に発議するには、衆院任期の18年12月までに行う必要がある。…

 「憲法改正は自民党の立党以来の党是」「憲法を改正するか否かは最終的には国民投票だが、発議は国会にしかできない。私たち国会議員は大きな責任をかみしめるべきだ」、20年に東京五輪・パラリンピックが開催されることについて「日本人共通の大きな目標。新しく生まれ変わった日本がしっかり動き出す年」として20年に改正憲法の施行を目指す考えを示したそうだ。そして、憲法9条について、「多くの憲法学者や政党には自衛隊を違憲とする議論が今なお存在する。あまりにも無責任だ」と。さらに教育無償化についても意欲を示したとか。安倍内閣での改憲については反対の世論は大きい。民進党もそうだ。そこにあえて、手をつっこもうということかな。うむ。

毎日新聞世論調査 改憲に賛成48% 9条改正反対46%

 そして毎日。

毎日新聞世論調査 改憲に賛成48% 9条改正反対46%(毎日新聞)

 憲法記念日を前に毎日新聞が4月22、23両日に実施した全国世論調査で、憲法を改正すべきだと「思う」という回答は48%、「思わない」は33%だった。憲法第9条に関しては改正すべきだと「思わない」が46%で、「思う」の30%を上回った。改憲項目によっては賛成が広がる可能性があり、国会の憲法審査会は今後、世論を見極めながら改憲項目の絞り込みを進める。
 昨年4月の調査では、憲法を改正すべきだと「思う」と「思わない」が42%で並んでいた。今回は「憲法の施行から70年にあたる」と明示したうえで質問したため、単純には比較できない。
 憲法を改正すべきだと「思う」は全年代で「思わない」より多かった。9条は逆に全年代で「思わない」が「思う」より多かった。ただ、9条を改正すべきだと「思わない」は昨年4月の調査から6ポイント減少した。
 大規模災害や外国からの攻撃が発生し、国政選挙が実施できなくなった場合に、国会議員の任期を特例で延長する規定を憲法に設けることに関しては「反対」47%で、「賛成」28%だった。
 憲法施行70年にあたり、戦後の日本の平和維持や国民生活の向上に憲法が果たしてきた役割をどう評価するかも聞いた。「かなり役立った」は29%、「ある程度役立った」は47%で計76%。施行60年を前にした2007年4月調査でも「かなり」は28%、「ある程度」は49%で、傾向は変わっていない。

 これが質問と回答。

 いわゆる緊急事態にも慎重な結果。

2017年05月03日の新聞社説

《朝日新聞》
憲法70年 先人刻んだ立憲を次代へ
憲法70年 この歴史への自負を失うまい

《読売新聞》
憲法施行70年 自公維で3年後の改正目指せ

《毎日新聞》
施行から70年の日本国憲法 前を向いて理念を生かす

《日本経済新聞》
身近なところから憲法を考えよう

《産経新聞》
北朝鮮をめぐる情勢は、日本にとって戦後最大の危機となりつつある 日本国民を守る視点を欠く憲法は一日も早く正そう

《東京新聞》
憲法70年に考える 9条の持つリアリズム

 憲法記念日は、改憲が大きな焦点になっている。全体構造はかわらないが、論点は、その新聞ごとに、それらしく提示されているということだろうなあ。ただ、歴史や、この間の到達をふまえたような深みはすっかりなくなった感があるなあ。

本社世論調査憲法改正、賛否が拮抗 施行70年、改憲支持伸びる

 今日は日経の世論調査。

本社世論調査憲法改正、賛否が拮抗 施行70年、改憲支持伸びる(日経新聞)

 日本国憲法は3日、1947年の施行から70年を迎えた。日本経済新聞社とテレビ東京が憲法記念日を前に世論調査を実施したところ、憲法改正(総合2面きょうのことば)について「現状のままでよい」が46%、「改正すべきだ」が45%で拮抗した。昨年4月の調査と比べると、現状維持が4ポイント減って改憲支持が5ポイント増え、その差が縮まった。
 安倍晋三首相が再登板した後の2013年4月は改憲支持が56%と現状維持の28%を上回った。14年4月は改憲支持と現状維持が44%で並び、16年4月は現状維持が50%で改憲支持は40%。集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法をめぐる議論が活発になり、改憲への慎重論が広がったとみられていた。今年、賛否拮抗に戻ったのは安保法論議が薄れたことが背景との見方が出ている。
 年代別で見ると30代、40代、50代は改憲支持が5割を超えた。60代は賛否がほぼ拮抗。18~29歳と70歳以上は現状維持が改憲支持を上回る。
 大規模災害などの際に政府に必要な権限を与え、国会議員の任期を延ばせる「緊急事態条項」を入れる改憲については、賛成47%、反対38%だった。同じ質問をした16年10月の調査と比べると賛成が7ポイント増え、反対も1ポイント増えた。自民党支持層の63%が賛成だが、民進党支持層では68%が反対だった。
 調査は日経リサーチが4月27~30日に全国の18歳以上の男女に携帯電話も含めて乱数番号(RDD方式)による電話で実施。1579件の回答を得た。回答率は48.4%。

 一連の世論調査からうきぼりになることは、案外共通しているが、質問によって大きくかわるのも事実だな。

2017/05/02

2017年05月02日の新聞社説

《朝日新聞》
阪神支局襲撃30年 覚悟をもって喋る、明日も

《読売新聞》
朝日襲撃30年 言論の自由を守る誓い忘れぬ
海自「米艦防護」 双方向の協力で同盟を強固に

《毎日新聞》
減税案示したトランプ政権 財源軽視の大盤振る舞い
自衛隊が初めて米艦防護 実績作りを急いでないか

《日本経済新聞》
海外M&Aの成功率を高めるために
北の脅威を見据えた米艦防護

《産経新聞》
朝日支局襲撃30年 暴力には言論で対決する
北ミサイル メトロ停止は過剰対応か

《東京新聞》
「北」の核と韓国 抑止とともに対話探れ
初の米艦防護 本当に必要な任務か

 朝日阪神の事件から30年かあ。そのとりあげられたかもどういえばいいのか。同時にというか、だからこそ、いま言論の自由を語る時に、何を問いかけるのか。そのことが相当問われている気がする。なにしろ共謀罪の時代である。それだけに、メディア自身が、まずみずからに何を問うのか。一筋縄ではいかぬ時代でもあろうなあ。

午後8時の訪問者

 ダルデンヌの映画は、もう何本も見てきたけど、この映画もやっぱりダルデンヌ!、そう思わせる。

640_5 若き女医ジェニー。まもなく、大きな病院に好待遇で迎えられる予定だ。今は知人の老医者の代わりに小さな診療所を診ている。今度、勤める病院から歓迎パーティーの連絡電話を受けているときに鳴ったドアベル。しかし、時間は午後8時過ぎ、診療時間はとっくに過ぎていた。応じようとする研修医をジェニーは止める。  翌日、警察がやってきて、診療所の近くで身元不明の少女の遺体が見つかったと聞く。午後8時過ぎにドアホンを押している姿が監視カメラに収められた少女こそ、遺体となって発見された少女だった。ジェニーは罪悪感から少女の顔写真を携帯のカメラに残し、時間を見つけては少女の名前を聞いてまわる。彼女の名前は何? 何のためにドアホンを押したのか? なぜ死んでしまったのか?……あふれかえる疑問の中、少女のかけらを拾い集めるジェニー。ある日、患者のひとりを診察中に少女の写真を見せると、脈が急激に早まったことに気づく。そこから少女の目撃情報を得ていくジェニー。少しずつ少女に迫っていけるように思えたその時、ジェニーは襲われ「この件に近づくな」と脅される。そして、警察からは名前がわかった、という連絡が入る。  すべては解決し、これから元の生活に戻るかに思われたその時、意外な真実が発覚する――。

 カメラは、主人公をアップで追う。お得意のカットだなあ。ちょっとした過ちからはじまる。小さなものから、許せないものまで、さまざまな思いが、少しずつ重なっていく。そこにある葛藤が、主人公の葛藤や悩み、それを乗り越える選択と重なっていく。そういうなかで謎が解き明かされていく。その葛藤の背景にはさまざな思いがある。出世と正義、誇り、親子のこと、虐待、それでも人とともにいきたいというヒューマニズム、それが移民だかの問題とかさなりながら。静かに、重なりながらすすんでいく。事件の真相のつらさと、そして、だからこそ主人公の行動が生み出した、救いと再出発。あいかわらず効果音楽もなく、静かに淡々と、その思いをていねいに描く。ダルデンヌ。

現行憲法「日本にとってよかった」89% 朝日世論調査

 ことしの憲法をめぐる世論調査を見て、ほんとうに日本の平和意識の深さとととに、いっぽうで、それが十分太く根をはりきらないことがどこから生まれているんかということを考えさせられることはないなあ。と思うのだ。

現行憲法「日本にとってよかった」89% 朝日世論調査(朝日新聞)

 憲法施行70年となる5月3日の憲法記念日を前に、朝日新聞社は3月中旬から4月下旬にかけ、憲法を中心に全国世論調査(郵送)を実施した。施行70年を迎え、いまの憲法が「日本にとってよかった」は89%に上ったほか、憲法改正については、憲法を「変える必要はない」は50%(昨年調査は55%)に対し、「変える必要がある」は41%(同37%)だった。
 憲法に関する郵送調査は2013年から毎年実施しており、今年で5回目。新たに有権者となった18~19歳も今回から調査対象としたため、過去との単純な比較はできないが、14年調査から4年連続で憲法を「変える必要はない」が「変える必要がある」を上回った。ただ、その差はやや縮まった。
 憲法9条は「変えないほうがよい」63%(昨年調査68%)、「変えるほうがよい」29%(同27%)。安倍政権下での改憲に「反対」は50%(同58%)、「賛成」は38%(同25%)。いずれも改憲に否定的な答えが肯定的な答えを上回ったが、これらも昨年調査に比べ、両者の差は縮まった。
 施行70年にあたり、現行憲法があったことが「日本にとってよかった」との回答は、改憲への賛否や年代差にかかわらず9割前後が選んだ。
 いまの憲法は全体として「よい憲法だと思う」は66%(昨年調査67%)、「そうは思わない」は21%(同23%)。改憲に反対する人では「よい憲法」との回答は89%に上ったが、改憲に賛成する人では「よい憲法」47%、「そうは思わない」42%と割れた。憲法が果たしてきた歴史的役割と、現在や将来に向けての役割とを分けて考えている人が一定数いる可能性がある。
 改憲への具体的な動きには消極的傾向が見られた。別の質問で、国会の憲法審査会で議論が始まっていることを踏まえ、改憲は優先的に取り組むべき課題だと思うかは、「優先的に取り組むべき課題」33%に対し、「そうは思わない」62%と差が開いた。内閣支持層の54%、自民支持層の54%も「そうは思わない」と答えた。…

 これがその調査結果。
 いちばん、不安定さを感じるのは、この

 日本周辺の最近の安全保障環境にどの程度の不安を感じるか聞くと、「大いに」「ある程度」を合わせ、「不安を感じる」は93%に上った。ただし、自衛隊の海外活動のあり方は、「今のままでよい」と現状維持を求める意見が多数を占めた、という点だけど。
 最近の中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発の動きに触れたうえで不安度を尋ねた。「大いに」58%と「ある程度」35%を合わせた「不安を感じる」93%が、「あまり」4%と「まったく」0%を合わせた「感じない」4%を圧倒したというのもリアルに見なければいけない。これが 一昨年9月に成立、昨年3月に施行した安全保障関連法に「賛成」は41%(昨年調査は34%)、「反対」は47%(同53%)で、賛否の差は昨年に比べ縮まった。安保関連法が憲法に「違反している」は40%(同50%)、「違反していない」は41%(同38%)と並び、こちらも差は縮まった。との関係では、相当微妙なもの。
 なにしろ、日米安保条約の維持に「賛成」80%、「反対」は9%で、「賛成」とした人に日米安保体制における自衛隊の活動は今後どうあるべきかを三択で尋ねると、「今のままでよい」72%が「今より拡大すべきだ」18%を大きく引き離し、「今より縮小すべきだ」は8%というのだから。

 同時に、個人をめぐる意識は驚いたところがある。個人の尊厳(尊重)をめぐる理論的な議論のちょっとした混乱もそうだけど、いま個人をめぐるこうした動きというか揺れの背景はきちんとみておかないといけないなあ。

2017/05/01

2017年05月01日の新聞社説

《朝日新聞》
郵政巨額損失 買収失敗の徹底検証を
学芸員の仕事 豊かな知、今も未来も

《読売新聞》
教員勤務調査 業務を厳選して授業に集中を
異次元緩和4年 物価回復の兆しを生かせるか

《毎日新聞》
朝日新聞襲撃から30年 むしろ広がる異論封じ
東京都議選と既成政党 戦う前から目立つもろさ

《日本経済新聞》
政権は社会保障の歳出改革に取り組め
アジア開銀は官民連携加速を

《産経新聞》
電通事件 過労死撲滅の契機とせよ
トランプ大統領100日 「世界の警察官」の復活を

《東京新聞》
北陸新幹線 外国人誘う「新黄金道」
子どもの自殺 SOSに気づきたい

 うーん。個別のテーマで、ちょっと考えてみたいものはあるけどなあ。

憲法70年 “平和国家”はこうして生まれた

 昨日のNスぺ。

Img_01 日本国憲法の施行から70年を迎える。今、新たな資料の公開で憲法誕生の知られざる舞台裏が明らかになりつつある。
 たとえば「昭和天皇実録」などの公開で浮かび上がった新事実。それは昭和天皇が敗戦直後の昭和20年9月4日、勅語で「平和国家の確立」を明らかにし、憲法改正の調査を命じていたことである。
 さらに幣原喜重郎首相が戦争放棄をマッカーサーに提唱。GHQは戦力不保持の草案を作成する。しかし、GHQ草案の条文に「平和」の文字はなかった。では、どこから来たのかー。
 番組では、近年、発掘された新たな資料をもとに、日本国憲法が誕生していく1年8か月を描く。

 最初の天皇勅語のくだりは、おいおい天皇をめぐるこういう描き方は、いいのかというかなりの不安からはじまった。総じて、天皇への評価は? 天皇制の維持に走った支配層の動きへの評価も甘い。中盤は、よく知られた、マッカーサー・幣原会談から、1章と2章のバーターの話など。やや普通の描き方。そして、後半が帝国議会の小委員会での議論になるわけだけど。ここはそれなりに見せるところがあったけれども……。大きな戦争の違法化などへの意識があったり、国中に厭世観が広がり平和意識の背景になったことはそうだけど、だけど、そのことをふまえつつ、外務省などは、戦争の加害面をこの時点から覆い隠し、戦争を軍部の責任におしつけることをしてきている。だから、さまざまな政治的な思惑のなかで、憲法の議論がすすんでいる。だから、公表された小委員会の会議録を見ても、きっとそんなに単純なものではない。天皇制のあつかいからはじまって、そうとう右往左往があり、ときにはGHQも介入している。だから、一面的な描き方という感はぬぐえないけどなあ。ただ、おもしろかったのは、それでも、さまざまな議論が、ここではなされていること。鈴木義男と油井先生関係なども知らなかったし。

 すでに公開されている資料などもきちんと読まないとなあ。

Photo ちなみに、川村さんのこんな本がある。題して『日本国憲法はこうして生まれたー施行70年の歴史の原点を検証する』。これはなかなかいろんな資料を読みこなしていて、かつ、視野も広い。こちらをぜひ読んでほしいところだな。

子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から

51pbmpliphl_sx344_bo1204203200_ まさに、ダニエル・ブレイクの世界である。現在に続く、緊縮財政のもとで、切り詰められていく経済困窮者対策。その姿を、保育所の子どもたちを通して描く。いや、これはまいった。映画の背景が手に取るようにわかる。なぜ、あそこで、フードバンクなのかも含めて。そして、そのとこがわかる文章の部分まで読み進めると、不覚にも、号泣に近く泣けてきてしまった。そして、それを日本に被せて考えたとき、ボクらはこの姿をどのように位置づければいいのか。まともな、社会政策が存在せず、自己責任がかの地より蔓延する日本で…。
 ブレイディさんの来し方、日本的な自己責任論から出発して、無料託児所のなかで、どのような葛藤をへながら、個人主義の根っこを残しながらも、連帯をどのように見つめているのか、などの変化を考えながら読むものまた、いろいろ考え、教えられたりするのだけど。

内容紹介から

 「わたしの政治への関心は、ぜんぶ託児所からはじまった。」
 英国の「地べた」を肌感覚で知り、貧困問題や欧州の政治情勢へのユニークな鑑識眼をもつライターとして注目を集めた著者が、保育の現場から、格差と分断の情景をミクロスコピックに描き出す。
 2008年に著者が保育士として飛び込んだのは、英国の「平均収入、失業率、疾病率が全国最悪の水準1パーセントに該当する地区」にある無料の託児所。「底辺託児所」とあだ名されたそこは、貧しいが混沌としたエネルギーに溢れ、社会のアナキーな底辺層を体現していた。この託児所に集まる子どもたちや大人たちの生が輝く瞬間、
そして彼らの生活が陰鬱に軋む瞬間を、著者の目は鋭敏に捉える。それをときにカラリとしたユーモアで包み、ときに深く問いかける筆に心を揺さぶられる。
 著者が二度目に同じ託児所に勤めた2015-2016年のスケッチは、経済主義一色の政策が子どもの暮らしを侵食している光景であり、グローバルに進む「上と下」「自己と他者」の分断の様相の顕微描写である。移民問題をはじめ、英国とEU圏が抱える重層的な課題も背景に浮かぶ。
 「政治は議論するものでも、思考するものでもない。それは生きることであり、暮らすことだ。」英国移民で一児の母でもある保育士ライターが放つ、渾身の一冊。

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