2017年度憲法記念講演会
今日は全国憲法研究会の表題の講演会。いつも、こっちです。仕事柄。会場は慶応。あまりこないから、みごとに迷って、25分ぐらいロス。でも座れたから大丈夫。歩いたあ。講演は、まず中野晃一・上智大学教授が「グローバルな寡頭支配の拡散と立憲デモクラシーの危機」。これはいつもの話かな。もしろ、質疑応答のところが、野党共闘と市民の共闘との関係がうきぼりになって、いまの話にもつながって、面白かった。後半は、青井未帆・学習院大学教授。これは意外な話。 「日本国憲法が守ってきたもの」と題するが、そこで話されたのは、守ってきたものを突き崩す、戦前の成功体験をいま繰り返そうとしているとして、軍人勅諭や教育勅語などの話をされて、それが何だったのかと。そして、それでもそれらは、普遍的なものをまぶしていたが、総動員の時代になると、外見的な立憲主義をもふみにじって、そういう普遍的なまぶしもすてての動員がすすんでいったことなどの話を、いまの立憲主義の動向とあわせての話だった。
うーん。憲法をめぐる議論を、自分としてどう組み立てていくのか、悩みは尽きないなあなどと思いながら、聞いていたところがあるなあ。
報道を紹介。
改憲論「とにかく手術薦める医師のよう」学者らが批判(朝日新聞)憲法学者らでつくる全国憲法研究会(代表・長谷部恭男早大教授)の憲法記念講演会が3日、慶応大三田キャンパス(東京都港区三田2丁目)であり、会場のホールは900人を超える人々で満員となった。
「『あなた手術しましょう、どこを切るかはあとで考えましょう』。今の改憲論は必要もないのに、とにかく手術を薦める医師のようで、信じないほうがいい」。講演で中野晃一・上智大教授(政治学)は自己目的化した政界の改憲論をこう批判した。教育無償化のための憲法改正については、「民主党政権時代の教育無償化に制限をかけてきたのが自公政権で、へそで茶をわかす」と述べた。
もう一人の講師、青井未帆・学習院大教授(憲法)は、明治憲法下で軍人勅諭や教育勅語が国民動員に大きな役割を果たして失敗した過去に触れ、「道徳の教科化や共謀罪制定の動きなど、動員の動きは始まっている。私たちは冷めた目で過去を振り返り、今を考えることが必要」と語った。
「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」などとする3日の安倍首相のメッセージについて、研究会代表の長谷部教授は取材に「実現可能性は低いのではないか」と首をかしげた。
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