教員勤務実態調査 中学教諭、6割近くが「過労死ライン」
うーん。深刻さはいっそうというか、変わらないというか。
教員勤務実態調査 中学教諭、6割近くが「過労死ライン」(毎日新聞)校長や教頭など全ての職種で「教員の多忙化」改めて浮き彫り
2016年度の中学校教諭の1週間あたりの平均勤務時間は63時間18分で、10年前より5時間12分増えたことが、文部科学省の調査(速報値)で分かった。「過労死ライン」に達する週20時間以上の残業をした教諭が6割近くを占めた。土日の部活動の指導時間が10年前の2倍になったことなどが主な要因。小学校も含め、校長や教頭など全ての職種で勤務時間が増えており、「教員の多忙化」が進んでいることが改めて浮き彫りになった。
教員勤務実態調査は06年度以来。16年10~11月、全国の公立小中学校各400校の教員を対象に連続7日間の勤務状況などを尋ね、小学校397校の8951人、中学校399校の1万687人から回答を得た。
中学校教諭の1日の平均勤務時間は平日で11時間32分(06年度比32分増)、土日で3時間22分(同1時間49分増)。業務別でみると、土日の「部活動・クラブ活動」が2時間10分(同1時間4分増)と倍増した。過労死ライン(残業月80時間)に達する計算になる週60時間以上勤務した教諭は57.7%。うち過労死ラインの2倍に相当する週80時間以上は8.5%いた。
小学校教諭は平日で11時間15分(06年度比43分増)、土日で1時間7分(同49分増)。1週間では57時間25分(同4時間9分増)で、過労死ラインに達する60時間以上働いた教員は全体の33.5%だった。旧学習指導要領に基づく教育課程(カリキュラム)だった06年度に比べ小学1~2年で授業時間(1単位時間45分)が2時間、小学3~6年で1時間増えたのに伴い、授業の準備時間も増えた。……
概要を見ると、
(1)教員の1日当たりの学内勤務時間
前回調査(平成 18 年度)と比較して、平日・土日ともに、いずれの職種でも勤務時間が増加。(教諭(主幹教諭・指導教諭を含む。)については、1日当たり、小学校平日 43 分・土日 49 分、中学校平日 32 分・土日 1 時間 49 分)
(3)1週間当たりの学内総勤務時間数の分布(教諭と副校長・教頭)
1週間当たりの学内総勤務時間について、教諭(主幹教諭・指導教諭を含む。)のうち、小学校は 55~60 時間未満、中学校は 60~65 時間未満、副校長・教頭のうち、小学校は60~65 時間未満、中学校は 55~60 時間未満の者が占める割合が最も高い。
(4)学内勤務時間と持ち帰り業務時間の比較(1日当たり)
前回調査と比較して、学内勤務時間は増加している一方、持ち帰り業務時間は若干減少している。
(5)業務内容別の学内勤務時間(1日当たり)
平日については、小学校では、授業(27 分)、学年・学級経営(10 分)が、中学校では、授業(15 分)、授業準備(15 分)、成績処理(13 分)、学年・学級経営(11 分)が増加している。土日については、中学校で部活動(1 時間 4 分)、成績処理(10 分)が増加している。
松野博一文科相は記者会見で「看過できない深刻な事態が客観的な数字として裏付けられた。早急に対処したい」と述べているけど、人員増や、負担軽減ではなく、実際に出てくる政策はまったく逆だよなあ。
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