障害を持つ息子へ ~息子よ。そのままで、いい。
さて、お約束の本の紹介。この本に引き込まれるのは、やはり自閉症の子どもの親としての葛藤、そしてそのなかで変わっていくその過程を、そのまま赤裸々に綴っていることだろうなあ。そのうえで、著者は、取材に向かう。その姿がまた胸をうつのだ。そこで、えぐっていく論点は、ほんとうに今こそ問いかけるべきもの。たとえば、自閉症児をもつ家庭の無理心中のところでの弁護士の発言は、いま、相模原の事件にかかわって、熊谷さんが紹介する、横塚さんの『母よ、殺すな』にも通じる。親が、どんなに成長しても、子どもがいろいろな発達を一歩一歩勝ち取っても、実際には、さまざまな困難がある。そういう思うをふまえながら、その人生を必死て歩んでいる姿に共感を感じるのだろうな。
ボクも、いろいろいってもメディアの世界の人間だから、その仕事の原点は、その問題を自分の問題として考えるということにある。そのようにして、いつも考えていたし、とくに、子どもにかかわることはつねに自分の子ども、子育ての重ねながら考えてきた。だけど、この著者のように、赤裸々ではないなあ。もちろん、雑誌編集者は、取材者ではなく、取材したり、いろいろ調べたりしている人をとおして作品をつくる。だから少し引いたところから、やや冷めた視線で見ているわけで。いろいろ共感したり、うらやましく感じたり、よけいにいろいろ考えたりする。このテーマでも、やっぱりそうであるのだけど。
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