生きたかった 相模原障害者殺傷事件が問いかけるもの
今日、赤旗で、薗部さんが書評を書いていた。それ以上のことはないんだけど。死者19人、重軽傷者27人。あの恐ろしい事件があって、もう7カ月がたつ。いまだボクは企画化できていない。やっぱり、冒頭の藤井さんと福島さんの文章が胸に迫る。「生きるに値しない命などない」。本書の執筆者の叫びだ。それをふみにじるような「障害者は生きていてもしかたがない」「安楽死させたほうがいい」という容疑者の言葉。そこで浮き彫りになった「優生思想」を、ボクらのうちなる意識にまで踏み込んで明らかにする。同時に、その背景を、新自由主義の進展にみる。そんもとでのヘイトスクラムと重なってくるのだ。いまの社会のありようを根源から問いかけている。
この本のできる過程で、国会でおこなわれた集会もあった。発言のいくつかはそこからとられている。それだけに、この本は、意識的に、施設で生きるということのもう一つの側面を避けている感じがする。施設でいきる人。重度の障害ある人が生きるとは? そこに迫れているのか。それだけに、施設=差別という印象もうけてしまう。生活は社会が規定する。そこで、豊かに生きるには、施設で生きるということもこの社会ではありうるし、そこに生きる意味があることもありうる。そういう丁寧な議論も必要だと思うのだけど。
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