キャスターという仕事
国谷さんは、ボクより1学年うえ(あっ、誕生日は相方と同じだ!)。同じ、大阪の出身。まあ、だいぶ育ちは違うにしても。彼女がクローズアップ現代をはじめたのが93年。ボクがいまの雑誌の仕事をはじめたのは91年。ほぼ同じ時代を、かなり性格が違うにしても、メディアの世界で見つめていた。それだけに、読んでいておもしろいし、自分のことをふり返りながら読む。キャスターと編集者はだいぶ性格がちがう。編集者は黒子、だけど、その分、企画立案からはじめる。最初から、最後まで。取材者ではないのは同じ、見識ある人、専門家を相手に、そこから引き出すというのも同じ。こちらは弱小雑誌だから、NHKの編集者と違って、1カ月20本、かなり広い分野を、手当たり次第に、必死で勉強して仕事をするのは同じだなあ。
この20数年の政治や社会の変容は大きい。そこで感じていることで、共感できることは多い。国際社会への関心、雇用や経済のあり方の問題…。なによりも、社会が複雑化し、単純に問題を描けないということ。テレビ化、ネット化がすすみ、短い言葉でわかりやすくということの危険性という問題意識は、強く共感する。
だけど、クローズアップ現代そのものは、なぜ、つっこまないのか、なんと中途半端なのかという批判的な視点で見ることの多かった番組でもある。それはたぶん、立ち位置が決定的に違うからだろうし、だけど、彼女の立ち位置での葛藤は理解もできるし、共感もできる。それは、たぶん、ジャーナリズムとは何か、メディアと民主主義の関係で問われていることは何かということで、彼女がぶれていないからだろう。
やっぱり、ボクなんかと違い大物であり、才女である。だけど、小さいながらもボクにはボクなりの自負もある。それだけに、たくさんその彼女のジャーナリストとしての仕事ぶりと、生きざまから、学びたいと思うことも多いし、忸怩たる思いや後悔などからm、学びたいと思うのだ。
それでも理屈っぽい、もっとわかりやすくという意見もでるだろうなあ。永遠の課題でもあるのだろうけど。
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