政府の憲法九条解釈─内閣法制局資料と解説(第2版)
なるほどである。内閣法制局は『憲法関係答弁例集』なるものをつくっていて、そのうちの「第9条・憲法解釈関係」の部分について、解説を付してつくられた本だけど、第1版から第2版の間に、あの安保法制(戦争法)の強行がおこなわれたわけだ。今回、その『答弁例集』が大きく変わった。なにしろ、厚みがほぼ倍というものになっている。それほど、政府にとっても、この論戦の意味は大きかった。われわれは、憲法解釈の180度改変と批判するわけだけど、政府としての整合性をとるための答弁から、結局、論理として何が変わったのかがわかるようになっているということなのだと思う。「立憲主義の回復」ということが、掲げられるわけだから、こうした点について、しっかり考えたいわけで、なかなか貴重な本だと思う。
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