自閉症の君が 教えてくれたこと
昨日のNスぺ。
この番組は、2014年8月に放送し、芸術祭ドキュメンタリー部門大賞など大きな反響を呼んだ特集番組「君が僕の息子について教えてくれたこと」の続編である。自閉症の作家・東田直樹さんと自閉症の息子を持つイギリス人作家デビッド・ミッチェル氏が交わす往復書簡を軸に、謎に包まれた自閉症の世界を解き明かすとともに、ひとりの若者が世界に広げた希望の物語を描いていく。 東田直樹さんは、日常会話は不可能だが、文字盤やパソコンを通して意思を伝えられるという極めてまれな能力を持っている。謎に包まれた自閉症の世界と健常者の世界の橋渡し的な存在である。13歳の時に書いたエッセイが、同じ自閉症の息子を持つデビッド・ミッチェル氏の目にとまり、翻訳され、世界30カ国でベストセラーとなった。その本を読んで初めて、自閉症の子供の心の声が聞こえたという家族も数多い。 東田さんは24歳になった。一般的なコミュニケーションを取れない自分だからこそ、救える人がいるのではないかと考え、作家活動を始めている。この夏、東田さんは、ミッチェル氏の住むアイルランドを訪ね、自閉症の息子と出会い、その心の声に耳を澄ませた。ハンディキャップを抱える人は、どう幸せを見つけていけばいいのか、自らがガンを患い、ハンディキャップを抱えることになったディレクターの目線で描く感動のドキュメンタリーである。
圧倒的にいろいろ考えさせられる。東田さんという存在を、どう考えるのか、ボクの力ではよくわからないところもあるのだけど、前回のドキュメント、その後読んだ本、そして今度のドキュメントと、ほんとうにいろいろ考えさせられるのだ。ボクらが目に見えて、とらえていた能力の向こう側に、おどろくような知的な世界が存在する。さまざまに思考し、伝えようとしている。一方で、ボクらは、能力と関係性の問題をいろいろ考えてきたけど、さらに言えば、関係性が脆弱でも、形成される能力というものもある。などなど。そうしてつくられた東田さんの世界から発信される、その言葉もまた胸を打つわけで。驚きの世界である。
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