日本の核開発:1939~1955 原爆から原子力へ
本当に日本の大学や学術界は、軍学共同の道に突き進んでしまうのか。重要な局面を迎えたいま、その問題を考えるうえでも大事だと思って、読んでみた。話は、戦前からはじまる。日本軍がおこなった核兵器開発のとりくみ。陸軍では二号研究といい、海軍はF研究と言った。その中心をになったのが仁科芳雄と理化学研究所。ボクはこのことは、ずっと昔、漫画の「栄光なき天才たち」で読んで、知った(苦笑)。もちろん、それは規模も小さく、なによりも原料のウランが集まらなかったために、失敗した。仁科の評価はまどろっこしい。だけど、現実に、広島・長崎での原爆に、彼らは大きな衝撃を受ける、そして、目の当たりにした惨状。そこから彼なの、平和への探求もはじまる。戦後は、そうして、反原子力の動きと、それに対抗するように平和利用の流れが。その葛藤の契機になったのが、アメリカの原爆投下正当化論であったことも、明らかにされる。福島後の原発をどう考えるか、そして、軍学共同をどう考えるのか、いまだからこそ、読めば、いろいろ学ばされることが多い。
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