ポピュリズムvs.知性?――政治的世界の分岐点を問う
昨日は午後から、久しぶりに唯研大会へ。もちろん、唯物論研究といっても、もうかなり、昔のそれとは違う。学問領域としても社会学の人が多いし。だけど、それはそれで、いろいろな面白さもあるのだけど。
さて、問題設定は、ポピュリズムと知性という2項対立的理解でいいのかというもの。それはそうだ。政治学の分野でも、吉田さんの問題提起を待つまでもなく。だけど、議論は政治学的なそれとはまったく違う視点からなされる。杉田さんは、貧困の現場から、いわば場の問題や、どのように問題が展開するのかという設定。竹内真澄さんの話は、ポピュリズムの発生と関係の深い、労働者の階級をめぐる現状と、階級理解、階級自覚をめぐるせめぎあいみたいな話。社会学者らしいもってまわった報告。そして、鈴木さんが、ヨーロッパの左派ポピュリズムの話からはじまって、知性をめぐって、情念との関係、そこから不服従の知の問題。いわば、知への経路の問題だな。一見バラバラな報告だけど。討論の段になって、学生さんから、自分は、同級の高卒で働くヤンキーみたいな青年と同じように見られたくなかったし、違うと思っていた、いまはそれは違うと思うが乗り越えるには何が必要かという問題提起。ここで、ガガって展開が変わって、報告が有機的にむすびつくおもしろい話。分断の現状、その根拠、分断を乗り越える、場や展開、そこでの知性とは、感情や情念からどう知性が生まれるのか。などなど。中西さんや池谷さんはじめ、ビッグネームの発言もあり、それなりにおもしろいものになった感じはするなあ。
会場では、会いたい人にも会えたし。それからG大のT先生、またほかのG大のT先生に挨拶もできたし。Iくんから、エキタスの人を紹介してもらったし。もうちょっと、いろいろ話を聞くことができればよかったけど、なかなか、それがうまくできないだよなあ。
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