「逮捕覚悟」「世論に受け入れられるか」 米軍ヘリパッド、訓練場内抗議のジレンマ
高江は、きわめて重大な局面となっている。やっぱりこころはざわつく。北部訓練場G地区オスプレイパッド建設現場では、すでに、22000本の木が切り倒されたともいう。そもそも、N1、G、Hの3地区で計2万4262本の立木が伐採される計画であるというのだから。ヤンバルの森が壊される事態が、いま目の前にすすんでいる。そのことにどうしようもない、怒りと悲しみがひろがっている。
「逮捕覚悟」「世論に受け入れられるか」 米軍ヘリパッド、訓練場内抗議のジレンマ(沖縄タイムス)米軍北部訓練場で進むヘリパッド建設に抗議する市民が、訓練場内に入り直接行動を始めて約3週間。ヘリパッドの早期完成を目指す政府は、「基地内」で市民を法的に排除するための方法を模索しており、今後は逮捕者が出る事態も想定される。にもかかわらず、なぜ行動するのか-。そうでもしなければ大規模な森林伐採が続く基地内の様子が分からず、建設を止められないという“ジレンマ”を抱えている。
建設予定地の一つ、N1地区の裏側の通称「N1裏」から市民らが一列になり山へ入る。基地の境界がどこかも分からない、ただただジャングルの森。1人がやっと歩ける幅の獣道を通り抜け、作業現場に約40分かけてたどり着く。
訓練場内での抗議行動が始まった9月22日、市民らはN1地区で伐採されそうな木にしがみついたりして阻止行動を展開。その日以降、防衛局側とのせめぎ合いが続いている。
工事を急ぐ政府は、米軍施設・区域への無断立ち入りを規制する刑事特別法(刑特法)に基づき、防衛局職員による「私人逮捕」を検討。だが、訓練場には施設境界を示すラインがないことなどから難しいと判断し、新たに機動隊による威力業務妨害での検挙を模索している。
刑特法に詳しい駿河台大学の島伸一名誉教授は、市民が建設現場近くで写真を撮っていることから、「フェンスやラインがなくても刑特法違反になる可能性が高い」と指摘。威力業務妨害に関し「米軍基地内の行為であっても、基地から出てきたときに逮捕される可能性がある」とみる。
それでも訓練場内での抗議行動は続く。沖縄平和運動センターの山城博治議長は「そうでもしないと阻止できない。基地外のゲートでどんなに激しく抵抗しても10分あれば排除されてしまう」と語気を強める。
外からはうかがい知れない建設現場は大量に木が伐採され、道路整備が進んでいた。「工事を1日でも、1時間でも遅らせたい」と思うものの、訓練場内への抗議参加は今のところ「自由意思」を尊重している。
中に入らない市民もいる。「ヘリパッドいらない住民の会」の伊佐真次・東村議は基地内行動の趣旨は理解しつつ「逮捕者が出て世論に受け入れられるかどうか」と懸念。「社会に認められ、一緒に頑張れる運動にしたい」と思う。
統一連の瀬長和男事務局長は「建設を止めたい思いは一つだが、方法論で異なる。那覇の路上で抗議する人もいるし、国の強行に対抗する手段として、みんなが模索している」と言う。
抗議する市民を支援する小口幸人弁護士は「問題なのは警察や国の姿勢」と批判。「県道での違法な検問や道路封鎖で表現の自由の弾圧が続いている。逮捕されるのを覚悟の上で、これだけ多くの市民が訓練場に入っている現状を、警察や国、そして県は直視してほしい」と訴えた。
ほおっておいては破壊がすすむ。だけど…。このジレンマだけではない。高江は、もともとオール沖縄が一致してたたかっていたわけではない。政府のあまりにものやり方に、やっと、一致した課題として浮上してきたという面がある。たたかいは、保守の離反をおこしてはいけない配慮も必要であるという問題がある。つまり、あくまでも世論、県民の思いを背景にたたかわかねればならないのだ。
翁長さんの北部演習場過半の返還を歓迎するコメントが波紋を呼んだ。もちろん、返還は誰だって歓迎する。官房長官が、揚げ足をとり、利用された格好。やつらは酷い。そのなかで、だけど、高江は止めなければならない。しかし、そのためには、団結こそが必要だ。それが沖縄のたたかいだから。
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