次期学習指導要領等に向けたこれまでの『審議のまとめ(案)』における高校教育上の課題について
土曜日は、夜、表題の研究会に参加してきた。植田さんが、学習指導要領の歴史を振り返りながら、今回の改訂の意味を高校教育改革の流れともむすびつけながら報告。これは植田さんらしい報告。続いて、中田さんが、現在の教育改革の動向のなかで、学習指導要領改訂を考えるというもの。こちらは、中田流の挑発的物言いをしながら、かなり刺激的な議論だったのでももしろかった。今回の特徴を、「共通性の確保と多様化の両立」としながら、全体の学力観・カリキュラム観については、従来の延長線上だと。あえて、「については」ということが強調されるんだけどね。また、すすんでいる問題についての、学力テスト体制に、学習指導要領をあわせるということを強調された。たしかに、B問題の位置づけがどんどんあがっていく。そのうらには、従来の学力観に、PISAなどのコンピテンシーという考え方を強引にあわせていくようなことがすすめられているわけだから、うなずけないものでもない。それを高校までせり上げていく。しかも、権力統制というよりも、「自主的」にそうさせるような形で。
ALにしてもパフォーマンス評価にしても、なかなかどう考えるかは難しい。そもそも、豊かな教育をやらないと、エリートはつくれないが、全体の底上げはやらないわけだから、いろいろな矛盾がおこる。そもそも、いろいろな形での2面性というものを、この間の議論はもっているのだろうと思う。そういう複雑な、さまざまな顔を、いろいろな角度から、浮き彫りにしてくれるような議論でもあったような感じがするなあ。
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