学校を取り戻せ! シカゴ、足立、貧困と教育改革の中の子どもたち
保護者・市民と共闘し大きな成果を収めたシカゴ教員組合・サラ・チェンバースさんの講演をもとに作られた1冊。まだまだ若い、サラさんがどのように立ち上がり、そして運動を変えていったのかが、手に取るようにわかる。
そのシカゴの新自由主義教育「改革」と、日本の足立での「改革」とそのたたかいを重ね合わせて考える。たしかに、足立では、新自由主義のもとので非エリートの育成の実験場にされてきた感じがある。学区自由化、学校統廃合、小中一貫、学力テスト、画一的な教育内容や教育方法の統制、教科書、ゼロトレ……。いわば、チャータースクール以外は、全部、アメリカの改革の後を追った。そうしたなかで、現場は疲弊し、「スタンダード」が広がっていく……。いまの教育をこうした文脈のなかで読んでいくことはとても大事だと思う。
ただ、もちろん、「改革」が、ある緻密な計画があって、そのもとで計画どうりにすすむというわけではない。そもそも、教育の条理にそくして考えたとき、こうした「改革」はさまざまな矛盾につきあたる。そうしたなかで、アメリカでもたたかいがおこっている。
それは日本でも同様だ。さまざまな、統廃合反対の運動が続けられてきた。そして、なにより、子どものなかに矛盾は拡大する。それは「いじめ」報告書で明らかだ。だからこそ、子どもに寄り添う教育実践そのものがいま問われているのだと思う。
ボクの住んでいるところは、足立にならって、学区自由化、統廃合がすすめられようとしたが、矛盾に直面し、頓挫した経過がある。今後、どうなるのか。教育運動の強さと、日本的な管理の強さという困難と、さまざまなことを考えながら、学んでいきたいもの。
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