沖縄 空白の1年~“基地の島”はこうして生まれた~
夏、録画しておいて、なかなか見られなかったドキュメントをみはじめている。いろいろ労作が多い。まずは、Nスぺのこれ。
1945年8月15日、本土の人々が太平洋戦争の終わりを告げる玉音放送を聞き、悲嘆に暮れる中、沖縄では、人口のおよそ9割が「収容所」に入れられるなど、全く別の「戦後」がはじまろうとしていた。
今回NHKは、アメリカ軍の占領直後―――「1945年6月から1946年にかけて」の映像や、米軍の機密資料、未公開の沖縄の指導者たちの日記等を入手した。資料を詳細にみていくと、この時期、アメリカの占領政策は揺れており、まさに沖縄が「これからどうなるか」が決められていく期間でもあったことが分かってきた。沖縄はこの時期、アメリカでもなく日本でもない、“空白の状態”に置かれながら、次第に「基地の島」へと変貌させられていったのだ。戦後、本土が平和と繁栄を謳歌する一方、その代償として重い負担を背負った沖縄。「空白の1年」を通して、沖縄の戦後の歩みと今を考える。
沖縄で「空白の1年」と言えば、川平さんの研究などにある、住民がこの1年どのように過ごしたかという問題でとりあげられることが多かったわけだけど、それをアメリカ側の動きから見ていくというもの。結局、アメリカの基地はどのようにつくられたかを追う。
諮殉会がつくられたそのバックにいた海軍軍政府、しかし、占領軍のもとに沖縄に駐留した陸軍、その対立を描く。それはそれで、とてもおもしろく、しらなかったことも多い。民政が海軍から陸軍に変わったことによる大きな変化は、沖縄史ではよく語られてきたことではなるのだけど。アメリカ自身が、その陸軍の占領統治を許したことに、日本本土の無関心と差別を上げているところは、きついところだし、よく受けとめるべき歴史でもある。沖縄の自己決定ということの深淵を見る思い。
ただ、占領から、復帰へのすすむたたかいは、少数ではあれ、本土との連帯が背景にあるのは事実。沖縄のたたかいは決して孤立していたわけではない。それはいまもそうだ。もちろん、その連帯がいまだに多数を形成できていないことへの自覚は必要だと痛感させられる。
そうじて、問題を、かなり無理に「1年」に集約させすぎている感じはしないわけではない。より、以前から準備され、よりその後に、さまざまな展開がなされるのだから。
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