奇跡の教室
サブタイトルは「受け継ぐ者たちへ」。実は、こちらのほうが原題に近い。そっちのほうが、ぴったりくるのかな。
貧困層が暮らすパリ郊外のレオン・ブルム高校の新学期。様々な人種の生徒たちが集められた落ちこぼれクラスに、厳格な歴史教師アンヌ・ゲゲンが赴任してくる。 「教員歴20年。教えることが大好きで退屈な授業はしないつもり」と言う情熱的な彼女は、歴史の裏に隠された真実、立場による物事の見え方の違い、学ぶことの楽しさについて教えようとする。だが生徒達は相変わらず問題ばかり起こしていた。ある日、アンヌ先生は、生徒たちを全国歴史コンクールに参加するように促すが、「アウシュヴィッツ」という難しいテーマに彼らは反発する。ある日、アンヌ先生は、強制収容所の生存者レオン・ズィゲルという人物を授業に招待する。大量虐殺が行われた強制収容所から逃げ出すことができた数少ない生き証人の悲惨な状況を知った生徒たちは、この日を境に変わっていく―。
舞台は現代だな。移民がたくさんいて、さまざまな困難を抱えている。そして、さまざまな生きづらさを感じながら生きている。そんな劣等生の集団が、教師の提案で、アウシュビッツの子どもたちについての研究発表に挑む。その変化と成長のものがたり。生徒の事情は、あっさりとしか描かれないだけに、想像力を駆り立てられ、感情移入もする。教師もそうだけど、映画そのものの、生徒たちへの信頼に満ち溢れている。そして、学びが彼ら彼女らを変えていく。うーん、なるほどなあ。決して押し付けられた学びではなく
一人一人の生徒の苦しみに重なっている気がした。
ああ、ボクの知っている教師たちも、この映画の教師のようなのかなあ。
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