「子育て」という政治 少子化なのになぜ待機児童が生まれるのか?
2年ほど前の本だけど、そのときにざっと読んだけど、いまの情勢だから、もう一度、読み直してみた。いまでも、問題を正面からとらえた本だと思う。
ボクも20年ほど前、7年ほど保育園の役員をつとめた。認可運動にも取り組んだし、運営費捻出のために走り回ったりもした。同時に、保育園には、ほんとうに生活を支えてもらったという感覚が強くある。だけど、その保育園の様相が大きく変化している。1つは、切実な保活の実態。なによりもその背景には、子育て世代の生活困難があり、雇用の流動化がある。なのに、どこまで政治はそこに正面から挑んでいるのか。かくも、ここまで点数化され、保活においたてられるのか。もう1つは、そういうなかで進められた施策が、規制緩和ということ。そして公立の補助の一般財政化。そのもとで、子どもの生活が脅かされ、家族は支えられなくなっていく。保育士の非正規化はすすみ、公立の民営化がすすみ、悪循環をつくりだしている。ほんとにこれは「政治」の問題なのだ。だからこそ、「ママ」たちの立ち上がりが広がる、そして、量とともに質を願う! それそのものがこんなに切実なのだと。保育の今を理解するうえで、最良の本だと思うなあ。
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