フェミニズム倫理学から考える、 日韓合意
土曜日に買った『「慰安婦」問題・日韓「合意」を考える 日本軍性奴隷制の隠ぺいを許さないために』のなかにある、岡野さんの論文をさっそく、読んでみた。副題には、「『日韓合意』がなぜ、元『慰安婦』の女性たちを何度も殺すのか」とある。なかなかいろいろ考えさせられるし、岡野さんの年来の主張のポイントもわかるようになっている。フェミニズムにおける暴力論が提示しているもの――男性たちの正義(平等の主張)が、女性への抑圧のうえになりたっているという問題、そのうえに、修復的正義とはどういうものかを明らかにしている。結局、これをふまえないと、正義の規定にあるべき道徳的関係性を破壊してしまうと。そして、まさに、今回の事態はそういうことなのだと。なるほどなあ。
その上に立って何をなすべきか。日韓合意にある「元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しのための事業を行い」ことを約束するのであれば、とその方向性を提示する。それは道徳的関係性の結びなおしであるわけだけど、それは政府とともに日本社会にも向けられていると。なるほどなるほど。
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