軍事転用技術の研究容認 海洋機構が平和目的を逸脱
うーん。学問分野も正念場だな。
軍事転用技術の研究容認 海洋機構が平和目的を逸脱(東京新聞)海洋観測や資源探査などを行う国立研究開発法人「海洋研究開発機構(海洋機構)」が、軍事利用の可能性のある技術研究の公募に、研究員が応募することを容認していたことが分かった。一九七一年の設立時は国会答弁で「防衛に関する活動は一切しない」としていたが、応募した研究は昨年九月に防衛省に採用された。機構は設立目的として法律に書かれた「平和と福祉の理念に基づく業務」の解釈を、非軍事から「国民の安全確保に資する活動」へと事実上変更した。(望月衣塑子)
公募は防衛省が昨年初めて実施。研究成果は軍事・民間両面での活用を見込み、採用されると年間三千万円の研究費が三年間提供される。全国の大学・研究機関から百九件の応募があり、九件が採用された。機構の研究員が応募したのは、水中での光通信を高速化、安定化する研究だ。
機構は二〇一四年に、防衛省技術研究本部と研究協力協定を結び、水中音響通信や無人探査機のシステム化について、試験の成果などを共有している。
機構によると、協定締結時に「平和と福祉の理念」に反しないか関係部署で議論。元大学教授や文部科学省出身者の理事ら十六人による理事会審議を経て「『平和』を『国民の安全確保に資する活動』と捉えれば、機構法に違反しない」と結論づけた。
所管省庁の文科省にも報告し、了承を得たという。公募への申し込みも同じ判断で認められた。
機構は文部省(当時)の認可法人「海洋科学技術センター」として発足した際、目的や業務内容が法律で決められ、「平和と福祉の理念に基づき、海洋に関する…(中略)…学術研究の発展に資することを目的とする」とされた。この文章は、〇四年に海洋機構に名称変更後も海洋機構法に引き継がれた。
「平和と福祉の理念に基づき」の文言は、当初はなかった。七一年当時、設立目的をめぐって衆参両院で議論があり、西田信一科学技術庁長官(当時)は「軍事目的のための研究開発というようなことは全く考えていません」と答弁し、防衛庁(同)との共同研究も否定。非軍事の研究機関と明確にするため、加筆修正された経緯がある。
九条科学者の会呼び掛け人の池内了(さとる)名古屋大名誉教授は「七一年の議論は、『平和』は『非軍事』を指し、防衛に関する研究は一切しないということだった。しかし政府は『安全安心のための防衛は平和であり、そのための軍事研究は問題とならない』と主張するようになった」と指摘。機構の解釈変更を「言葉のごまかしであり、平和主義の理念から逸脱している」と批判している。
現実には、研究費が絞られているという構造問題があるにしても…。きちんとした議論ができるようにならないとなあ。
こんなとりくみがあって、いま機構にいる浜田さんが報告をする。これは聞きにいかないとなあ。絶対に。
« 健康で文化的な最低限度の生活 3 | トップページ | 東日本大震災と教育に関する研究(全体編その2) »
「平和」カテゴリの記事
- 3月号ができました!(2025.02.08)
- 森友文書の不開示決定、高裁が取り消し「有無も答えないのは違法」(2025.01.30)
- 戦争のトラウマ 兵士たちの消えない悪夢(2025.01.20)
- 米各地で反トランプ集会 「沈黙するな」と気勢(2025.01.19)
- 「『オールドなもの』への敵意──左右対立の消失と新たな争点」、【詳細】内乱首謀した疑いで拘束 ユン大統領 取り調べ終了(2025.01.15)
「政治」カテゴリの記事
- 3月号ができました!(2025.02.08)
- 3割近い公立小中校で教員不足の可能性 教頭会調査で指摘(2025.02.06)
- ソウルの春(2025.02.05)
- 昔のお家芸も「グループ外に出す覚悟」パナソニックがテレビ撤退検討(2025.02.04)
- ちあきなおみ 〜喝采と沈黙の間で〜(2025.02.03)
コメント