チェジュ行き その1
今年の正月は、チェジュに行くことにした。昨年の夏、仙台で知り合ったかたが、チェジュ在住の研究者で、それに触発されて、そして、案内をたのんだ次第。この間、韓国行きをともにしている友人と、そして相方と三人の旅である。
31日に韓国に向かう。現在は、チェジュ直行便が、休止しているため、成田から仁川、そして金浦、チェジュという航路で、それで一日かかってしまう。雪がふったらたいへんな事態に(去年がそうだった)なるため、ゆとりのもっとた冬行程である。ついたのは9時半。その夜は、案内のKさんの知り合いの海鮮のお店で、舌鼓。しこたま酔っぱらう。
2日目、最初に連れられたのは、日本の植民地時代の缶詰工場の跡だ。当然、当時にことだから、それは軍事目的もあり、日本の植民地支配のありようと大きくかかわっている。日本の植民地支配の特徴の一端を垣間見た気分だ。これは、ぜったいに、普通の観光客はいかないでしょう。この工場を経営していたのは竹中新太郎といい、京都の伏見でも工場を経営している。
日本の侵略の末期、最後の本土決戦にそなえて、決7号作戦が発令される。そして、このチェジュも、日本の本土決戦の捨て石としての体制がしかれ、7万5000人もの軍隊が配置される。それだけでもおどろきだけれど、このチェジュには日本軍がtくった地下要塞が120か所ほど存在する。当然、それは朝鮮人の強制労働によってつくられている。そして、一度地下に潜った彼らの多くは、軍事機密であるがゆえに、生きて戻ることはすくなかったという。その1つの場所に、済州 戦争歴史 & 平和 博物館がある。そこで、映像と、日本語でいろいろな説明を聞いた。その現地の人の日本の侵略と植民地支配に対する厳しい言葉を聞き、やっぱり日本の植民地支配への認識の甘さを痛感させられる。かなりショッキングだ。ここは、ぜひ、日本人はくるべきところだと思う。
その博物館の近くに、アルトル飛行場跡があり、そこに掩体壕がたくさんのこっていた。ここにも、日本軍の支配の傷跡が残っている。そして、その地には、日本軍の爆薬庫跡があり、後の4・3事件の遺体が、そこかた発掘されている。日本の支配と4・3事件の連続性がそこから見えてくる地でもある。
そこから海岸にでて少しいくと、チャングムのロケ地で有名な場所につく。だけど、その場所は、日本軍の海岸要塞がつくられ、特攻艇震洋の基地だった場所がある。それは、ほんとうにショッキングだった。沖縄の渡嘉敷にも、これはつくられ、それが集団自決(集団死)の要因になったことは有名でもある。結果的に、米軍は、このチェジュを攻めはしなかったが、もし、米軍が攻めてきていたならば、凄惨な歴史がここでもあったことは容易に想像できるのだ。うーん。
そこからさらに西に向かった場所に、江汀(カンジョン)村の海軍基地建設の現場がある。住民の多くが反対するなかで、海軍基地がつくられようとしている。すでに、イージス艦が停泊していた。当然、米軍と一体の施設である。平和の島であるはず、あれねばならない歴史の現場でこんなことがおこっていることに、胸がつぶれる。
すっかり時間が遅くなって、ホテルに帰る前に、建築学概論という映画、ボクの好きな映画のロケ地、「ソヨンの家」によった。なんと、そこで、この映画のプロデューサーのとシム・ジェミョンさんたちにあった。最近、ボクがみた「明日へ」をつくった人。サインをもらったり、写真をとったり、おもわぬサプライズ付きの一日になった。なんと、激しい1日だったのか。
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