日本人は何をめざしてきたのか 教育 “知識”か“考える力”か
昨日の夜は、この番組を見た。
GHQの下スタートした戦後日本の民主主義教育。中学が新たに義務教育になった。三重県・尾鷲の中学教師、内山太門さん(95)は、「それまで中学に行く人は微々たるものだったから活気づいた」と語る。全国で地方独自のカリキュラムが模索され、山形の「山びこ学校」で生活綴り方を進めた無着成恭さん(87)は語る。「子どもたちが作文を通して、自分たちの身近な問題を真剣に考えるようになった」。
国民の教育水準を飛躍的に向上させ、高度成長をひた走った日本。尾鷲中でも、「金の卵」を育てようと、職業教育に注力する。その一方、“落ちこぼれ”や“無気力”など問題が発生し、“詰め込み教育”が自ら考える力をつぶしているとの批判が生じ、尾鷲中学では、校内暴力事件がおこった。
1980年代以降、国も“詰め込み教育”からの脱却を模索。中曽根政権下の臨教審提言を受けた文部省は、“ゆとり教育”へと転換。「総合的な学習の時間」を創設し、教える内容は3割削減する方針を打ち出す。しかし、学力や国際競争力の低下を危惧する声が高まった。2002年、文科省は「確かな学力」を向上させる「学びのすすめ」を発表。文部科学事務次官だった小野元之さんは語る。「このままでは日本が危ない。文科省は学力を軽視しません」。2011年から、再び学習内容拡大へと舵を切り直した。
その間、日本の公教育予算の対GDP比はさがり、現在OECD参加国の中で最低レベルに。また、子供をとりまく経済環境も深刻化している。問題に取り組むNPO代表の青砥恭は調査を行った結果、「親の経済的な差がそのまま学力の差につながっている」という。
あまねく平等な教育を、と始まった戦後教育。その変遷を、文部官僚、教師などの証言をもとにたどっていく。
うーん、何が不満なんだろう。子どもや、子どもに即した実践が、あまりにも限られていて、戦後の教育を語るには、ちょっと、狭いんだろうなあ。これでは、教育の構造を歴史的に考えるうえでも、あまりにも表面的だし。戦後の教育改革の未完が、その後の歴史を考えるうえでも、深められないわけだし。材料はたくさんいいものがあるのに…。ゆとりからの転換も、あまり正確ではない感じ。子どもの貧困もこれでは、学習支援かよ。アクティブラーニングやチーム学校は、無批判になってしまうのし。(元)東大教育学部の人たちとの相談によるものだなあというのが、あまりにもありありで、こんなもんになるんだろうなあ。うーん。
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